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Lodestar SG-4162AD

Signal Generator / Counter

(1999)


Lodestar SG-4162AD


新兵器実戦配備!

    1994年11月の渡米後、 テスター 1A安定化電源装置 くらいしか機材がない中で始めたラジオ修理。 最初は断線した電源ケーブル交換、 その後もせいぜいキャパシタ交換といったところでしたが、 デジタルマルチメータや オシロスコープ が手に入ると次第にレベルの高い作業ができるようになりました。

    たいていはデジボルとオシロスコープとオーディオシグナルトレーシングで原因調査を進めていましたが、 スーパーヘテロダインの調整をしようとなるとやはりシグナルジェネレータが欲しくなります。 シグナルジェネレータは1995年にフットヒルのフレアマーケットで買った ヒースキットのシグナルジェネレータ があったのですが、 正確な出力周波数を知ることはできなかったので、 調整に使う気にはなりませんでした。

    1999年になり、 Electric Radio誌の広告にデジタル周波数カウンタ付きシグナルジェネレータが200ドル台で売られているのを見て、 奮発して注文しました。 台湾製のホビイスト向け低価格モデルですが、 0.1kHzの精度で欲しい周波数のテスト信号が得られるのはラボの能力としては大進歩。 それに周波数カウンタにもなります。 これは凄いぞ。

    最初に使ったのは Lafayette HA-63A の調整。 HA-63Aは見事に素晴らしい性能に復活しました。

1999年02月 SG-4162AD新品購入





周波数調整がうまくいかない

    2000年だったか2001年だったか、 いまはない高崎のジャンク屋で 目黒測器MSG-2161 を3万円で買ってからは、 SG-4162ADはサブ機の扱いとなりました。

    2021年に RF-2200 の修理作業のなかでSG-4162ADを使ったのですが、 あれれ、何か変だ。 周波数調整つまみを回すと周波数が突然ホップしてしまい、 狙った周波数にうまく合わせられません。 作業は別の方法で行ったので支障はありませんでしたが、 うーん、壊れちゃったかな。

2021-08 周波数合わせがうまくできない





再チャレンジ

    前回はバリコンシャフトの接触不良を疑ったけれど、発振トランジスタがボケたのかもしれないですね。 ケンウッドPWR18-2TP安定化電源装置 の修理のために部品を注文したとき、 あわせて小信号高周波トランジスタもいくつか買っておきました。 SG-4162ADの発振トランジスタを交換してみようか。 そう思って、1年半ぶりに修理を再開。

    でもケースを開けながら考え直しました。 SBE SB-34 八重洲FRG-7 のときのように発振トランジスタがボケたのが原因なら、 たいていは発振周波数が高まった時に出力が落ちたり発振停止したり、 あるいは不安定動作になるはず。 でもこのジェネレータはどのバンドでも問題が起きるし、 むしろ特定のバリコン位置のときに - 最大容量でも最小容量でもOKで、 中間の位置のときにひどい周波数ホップが発生するのですから、 やはり問題はバリコンそのものにあるのは明らかです。

    本機の内部構造は右の写真の通り。 筐体底部にアナログ発振回路とバリコンと電源回路が載った実装密度の低い基板があり、 その上にシールドを兼ねたスチールプレート、 そしてプレートの上に周波数カウンタ基板が取りついています。




    クラシックなアナログ発振回路は発振コイルをロータリースイッチで6バンドに切り替えます。 このつくりは Leader LSG-100 や Heathkit IG-5280 とほとんど同じ。 周波数カウンタ方式だからダイヤル盤のキャリブレーションは行わずに済み、 だから各バンドのトリマキャパシタは不要で、 シンプルにできていますね。

    32〜150MHzをカバーするバンドFは実は3次高調波を取り出すもので、 無理している感じがありますね。 見るからに発振信号の純度は期待しない方がよさそうです。




    周波数カウンタボードを取り外し、下のアナログ発振ボードとの簡易シールドの役目も持つベースプレートを取り外すと、 2連バリコンが見えます。 フロントパネルの周波数調整つまみは同軸減速シャフトでバリコンを回します。

    バリコンのローターシャフト部に接点洗浄スプレーをはみ出さないように少量吹いてシャフトをくるくる回しましたが、 周波数のホップ現象は変わりません。 ローター位置の特定のところ出ていることを見ると、 ローター・ステーターのショートかな。




復活

    バリコンのロータ・ステータをほんの少し曲げてショートを防ぎ、 羽根の隙間に挟まっていたホコリのような異物をブラシで除去したら、 周波数はつまみの動きに応じてスムースに変化するようになりました。 よし、直った。 腰を上げさえすれば簡単な修理だったね。

    組み上げて、動作チェック。すべて新品の時と同様。

2022-09-20 バリコン清掃修正





AM変調

    本機にはリアパネルに外部変調入力端子があり、 ここから入れた電圧で発振出力信号にAM変調をかけることができます。 しかし残念、変調度はあまり深くなりません。 AMラジオのテストに使おうとすると、放送局の信号に比べて音はかなり小さくなってしまいますし、 変調音質も良くありません。 だからAM受信機の復調音質のチェックやテストには使えず。

    なお本機内蔵の1kHzオシレータで変調をかける場合はこの端子に1kHz信号が出てきます。 けれどこの機能は・・・まあ使い道はないですね。

    本機のメーカー、Lodestar Electronics社は今はどうなっているのだろうかと調べると、 Lodestarの社名・ブランドは消滅していて、 BK Precision社の社歴にうっすらとその名前が残っています。 中国製の機器が絶対的な低価格だけでなくコストパフォーマンスでも競争力をつけてきた今、 台湾メーカーは苦しいのでしょうねえ。





スタンバイOK

    RFシグナルジェネレータはSiglent SDG 2122Xを買ったし、 周波数カウンタは 岩通SC-7202 が稼働状態になったし、 いま本機Lodestar SG-4162ADには出番はありません。 それでもまあ、自分でお金を出して買った新品機ですからね、 貧乏性なのでそうやすやすとは捨てられません。 そのうち出番がきっとあるよ。 Lodestar、スタンバイOKです。

2022-09-20 修理完了





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2022-09-22 Updated and published. [Noobow9100F @ L1]