出力
まず驚くのは、その発振出力の強さ。
出力端子になにも繋がず、出力レベルつまみを最低にしておいても、
近くに置いたGR-64受信機(ビニール線アンテナつき)のSメータを強烈に振りきります。
これでは高性能受信機の微妙な調整など不可能なのでは・・・。
外部変調入力端子につないだままのオーディオケーブルからかなりの信号が輻射されているようです。
出力端子にビニール線でもつなげば、これはもう立派なワイヤレスマイクです。
4MHzにセットしておいてポータブル短波ラジオを持って歩き回ってると、
約10mの範囲内では十分に信号を受信することができます。
事実、実用真空管ハンドブックの6BE6のページには、
本機とほとんど同じ構成の回路がワイヤレスマイクの例として紹介されています。
高調波がたっぷり
発振回路出力に同調回路を持たない構成では仕方ないことですが、出力には高調波がたっぷり含まれています。
うっかりするとだまされそう。
周波数安定度
発振周波数を20MHzにセットして出力端子を周波数カウンタにつなぎ、
電源投入後の周波数安定度を簡単に調べてみました。
10分経過するまでの周波数変動はわずか数kHz。
15分経過後あたりでちょっと変動が見られ、1時間後で10kHz弱。
その回路構成を考えれば、十分納得いくものといえるでしょう。
数分単位では変化がわかりますが、短周期の周波数のふらつきは見られません。
通気孔の空いていないシャーシは、外部温度の変動を受けにくくする効果があるでしょう。
ケースに手を触れても周波数は変化しませんが、出力レベル調整つまみを回すと20kHz近く発振周波数が変化してしまいます。
バッファなしで発振管のプレートからいきなり出力を取り出しているのですから、
無理からぬことといえます。
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