YAMAHA A-501
Integrated Audio Amplifier
 
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このアンプはうまく動いたら
究極の貧乏アンプ
の置き換えにしようと考えていたので、柔らかい衣類でくるんで大きいバッグに詰め込み、
ティル
に乗せて第3研究所へ。
さっそく試してみると、おお、ちゃんと鳴るじゃないか。 もちろんパーフェクトなことなどなく、お楽しみ成分もちゃんとある様子。 ボリュームとバランスそしてマイクミキシングのポテンショメータにはしっかりガリがありましたが、 これはくるくる回して接点復活剤も併用して、解消。 しかし電源投入直後に左チャネルの出力が出なかったり、接触不良状の断続を呈します。 直ってしばらく快調なこともあるし、と思うと再発したり。 不思議なのは、音が出なくなったときにボリュームコントロールを上げると復活し、しばらく調子よし、みたいな。 ボリュームコントロールのポテンショメータを保持しているサブ基板のパターンクラックかもしれません。 事実ポテンショメータの取り付けナットは緩んでいてガタが出ていましたので、ガタが出たまま操作を続けて過大なストレスを受け続けたというのはあり得るかも。 使い続けるにつれ不調の発生回数は減ったのですが、やはり時折不調に。 問題が発生しているときにあちこちつついてどの辺が悪いのかを探してみると・・・ どうやら出力保護リレーが怪しくなってきました。 リレーボディをつまんで揺すると、問題が顕著に発生します。 はんだクラックかな? リレー自体の発熱なんて微々たるものですから繰り返し熱応力によるプリントパターン剥離破壊やはんだクラックの可能性は低そうですが、 保護リレーの周囲にはやや大きめの抵抗もあります。ひょっとしたらこの抵抗からの発熱が効いていたりするのかな? アンダーパネルを取り外して片面実装のプリント基板のリレー部半田面を見てみましたが、 異常は見つかりません。 おまじない的にはんだ付けをし直してもみましたが、変化なし。 プリント基板に対して強固に固定されたリレーをこじると基板上の別なところの接触不良に影響しているのかもしれませんが、 リレー本体を指でつまんでこじったときが一番顕著だし、なによりリレー本体をボールペン等で軽くたたく等の軽い衝撃で症状が出たり消えたりしますから、 リレー内部の、だとすれば十中八九、接点の酸化による接触不良でしょう。 リユースショップに持ち込まれるまでに10年20年と長期間放置されていたのだとすれば不思議なことでもありません。 さあそうなると、まずはリレーのコイルに外部電源をつないでカチカチ繰り返し、接点の自己清浄を狙うのが一番簡単。 おそらくリレーを基板から外さなくてもできるでしょうが、 取り外せれば接点を直接磨くなどの対応もできます。 しかし第3研究所にははんだ吸い取りポンプはなくて、はんだこてだけではうまく取り外せませんでした。 週末に中央研究所から持ってこよう。 その間、リレーをカチカチさせるためのDC12Vの断続電源を用意します。 いろいろな方法が考えられますが、今回は一番簡単に、 Maxitronix 500-in-One EL500 のマイコンを使って。 せっかくなので8ビットLED表示も付けました。 まあカチカチ回数を正確に管理しようとも思いませんけど。 2018-10-24 リレー接点動作用ON-OFF装置をEL500で製作 |
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メンテを済ませたグットはんだ吸い取り器を使って、リレーはあっさりと基板から取り外すことができました。
リレーの外装プラスチックケースは爪どめで、細いマイナスドライバで開けることができました。
リレーは2回路、NO (Normally Open) 端子だけがピンが出ていて、NC (Normally Close) ピンは無し。
各回路は2つの舌片と2つの接点があり、A-501の基板では2つの接点を並列に接続しています。
仮に1つの接点に接触不良が出てももうひとつの接点で正常動作を維持できるわけですが、
ということは、片側回路の2つの接点が両方接触不良になっているということです。 さて、リレー接点はむき出しにできましたので、しめしめ、これなら清掃も簡単だ。 とはいえ具合のいいエメリー紙なんて第3研究所にあったかな。 まあ接点研磨は次の手にとっておき、 当初予定通り接点復活剤とON-OFF反復で接点には自己洗浄してもらおうと思います。 EL500にプログラムを書き込み、2SC1740トランジスタ1個と逆起除けLED1個のリレー駆動回路を配線し、 Samlex RPS1206 から13.6Vを引っ張ってリレー駆動します。 ただカチカチするよりも、接点に電流を流せばメーク・ブレーク時のアークで酸化被膜を焼ききれるので効果が出るかもしれません。 立ちゴケ時の修理用として第3研究所に常備してあった ティーディ の中古フロントウインカーランプを負荷として、接点に約2Aの電流を流せるようにしました。 接点にホームセンターハウスブランドの接点復活剤をスプレーし、 1000回ほどカチカチし、つぎの端子へ。 合計で1時間ちょっとカチカチしたのちにリレーの外装カバーを組みなおし、アンプに取り付けてはんだ付け。 アンプの電源を入れると、カチリとリレーがONになった後正常に音が出ます。 まあ当然のことですが…リレーをこじっても軽くたたいても接触不良は出ないし、 その後7時間以上連続で、安定して鳴っています。 ボリュームコントロールにもバランスコントロールにもガリはなくて調整は滑らかに効きます。 よし、直ったな。 修理後のA-501は心なしか音が良くなった気がします。 特に低音が豊かで滑らかになった感じ。 いままで一見正常に聞こえるときでも、実は接点の酸化被膜によって導通抵抗の非線形性があったのかもしれません。 ありうること。 金メッキコネクタに変えたら音が良くなったとかケーブルを変えたら音が良くなったとかは私はふだん信じていませんが、 あまりにも接触が悪くなれば私でもわかる程度に音質が劣化する・・・のかな。 それともいつもの、自分で直した機械は嬉しそうに働いてくれるように感ずる楽しいプラセボ効果かな。 2018-10-29 リレー接点接触回復処置 アンプ動作正常化 第3研究所メイン機として運用開始 |
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2018年10月にリレー修理が終わって快調になった後A-501を第3研究所のメイン機として使っていましたが、
2020年09月に
サンスイAU-7700
の修理が終わったときにメイン機の座をAU-7700に戻し、
A-501はスタンバイ機に。 その後、コロナ禍の影響で第3研究所の活動規模を縮小することとし、 A-501は中央研究所の夢と時空の部屋に移りました。 2021年04月に 日幸電子STA-301 の修理を開始するにあたり、 A-501はテスト用のパワーアンプとして使用。 ところがこのとき、A-501に何らかの不調か起きていることに気がつきました。 ボリュームを上げてプレイすると、 ベースやドラムの大振幅再生時にパワーが頭打ちになり、 フロントパネルのランプの明るさが低下するのです。 まだ定格出力には達していないはずの音量なのに。 電解キャパシタのリークかなにかが起きているのでしょう。 A-501は修理待ちリスト入り。 2021-04 大出力時に低域頭打ち ランプ照度低下の症状を確認 |
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中央研究所についに薄型カラーテレビ (!) が入り、
それ用のオーディオアンプとして
ブラザーBA-101
を回したので、
メインワークベンチのオーディオアンプが必要となりました。
その辺のなんでも適当に使えばいいのですが、
YAMAHA A-501を使うことにしました。
ハリクラフターズS-20Rスカイチャンピオン
の修理作業が終わったので、
A-501に着手。
昨年に気がついていたトラブルを調べ、可能なら修理しましょう。 やはり使わないでおくとポテンショメータはガリが出ますね・・・ まずは接点復活剤を吹いて、快復。 A-501のトラブルはトーンコントロールらあるようです。 BASSもTREBLEも、つまみを+3以上に回してブーストすると、 明らかな発振状態になってしまいます。 うむ? なんでこんなことになるんだろうね? ボリュームを目いっぱい絞っておいてもこの症状は出ますが、 A-501はボリュームのあとにトーンコントロールが置かれている回路ブロック構成なので、 トーンコントロール回路で発振が起きているのなら当然のこと。 発振状態は左右のチャネルに同時に起き、程度に左右差は見られません。 なので、左右チャネルに共通な部分の故障だろうし、 発振状態になるのはおそらく電源の平滑が不足して見た目のインピーダンスが上がったためでしょう。 |
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