SONY CSF-99
"Energy 99"
Stereo Radio Cassette Recorder
(1981) |
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高校生時代の残りは
AIWA TPR-840
とLo-D D-77SそれにJARL群馬支部大会で買った3000円スピーカで暮らしていたし、
基本的に仕送りなしの大学生活になってからはオーディオ機器に投ずるお金などありませんでした。
SANYOのモノラルラジカセではさすがに我慢できなくなって1982年にAIWA Footwork SRを買った時はおそらく、
6万円とか7万円とかの値札のついた製品は見ないようにしていたのでしょう。
私にとって1980年代のラジカセ巨大化の潮流はどこか別の世界で起きたことでしかありませんした。 2013年秋になってポゴがAndroid Walkmanで音楽を楽しみ始めました。 2014年07月、ポゴはスピーカで聴きたいからと言ってウォークマンと一緒に買ったウォークマンドックを第2研究所に持ってきました。 おいおい、スピーカグリルを凹ますなよ。 それはしょっちゅう持ち運ぶものじゃないんだぞ。 スピーカで聴きたいなら アイワのCDラジカセを改造してあげた だろう? でも改造アイワラジカセはミュートが入るために使いにくく、ポゴいわく突然音量が変わることがあるといって使ってくれません。 第2研究所になにか別のパワードスピーカを用意するようだな。 おそらく5年以上ぶりに第2研究所の物置を開けてみたら、何やら大きくて重いものがあります。 ばあちゃんの字で「ラジオ」と書かれた埃まみれの黒ビニール袋を開けてみたら、出てきたのはソニーの巨大ラジカセでした。 ええっ、こんなものがあったんだ。そういえばこんなのをもらったことがあった気がする。 電源を入れてみると、ラジオはとてもいい音で鳴り始めました。ライン入力ジャックもあります。こりゃウォークマンをつなぐのにちょうどいいぞ。 ポゴ喜べ、 山だ、ついに山が来たぞ。 1981年型SONY CFS-99 "Energy 99" は質量10sを越える巨大ラジカセ。 テープドライブはシングル、またラジカセにCDが積まれるようになる前の世代ですが、絶滅に向かって巨大化を続ける系統樹の代表的な個体例です。 スピーカは20cmウーファと5cmツイータ、パワーアンプは6w+6w、もはや単1乾電池では内部インピーダンスがネックとなるスペックです。 ライン・フォノ切り替え式入力ジャックがリヤパネルに、2系統のマイク入力がリアパネルとフロントパネルのそれぞれにあり、 スラントされたトップパネルには2系統独立のマイク入力レベルとパンポット調整それにマニュアル録音レベル調整。 加えてフロントパネルにはカセットデッキなみの大型レベルメータがありますから、 私が小学生・中学生の時にもしこれがあればオリジナルテープ作りがずいぶんはかどったでしょう。 ライン入力ジャックにスマートフォンのヘッドフォン出力をつなぐと、 当然ですが入力レベルは少し不足。 もちろんボリュームを上げれば十分な音量が得られますが、 レベルメータの振れが少なくて寂しいのであればMIC MIXスイッチを押してREC LEVELコントロールを最大にすればほぼ適正なレベルにできます。 20cm級のスピーカと大出力アンプはさすが。 8cmフルレンジにしか過ぎない 2013年製のウォークマン用純正ドックCMT-V10 よりもずっと豊かな低音が出ます。 AMラジオもとても心地よく聴けます。 ドンシャリな耳を持つ私 はそれでもトーンコントロールをバス・トレブルともにフルにしてしまいますけど。 このモデルにはグラフィックスイコライザはなく、Dolby NRも持っていません。機能面からすればこのラジカセはまだ進化の途中にあります。 スライド式ポテンショメータの少しばかりのガリを除けばアンプとラジオの動作はパーフェクト。 内蔵電源はハムがわずかに感じられていますが、しばらく使えば電解キャパシタの再化成も進むかも。 パワードスピーカとしての用途にはパーフェクトです。でも使わないときはAC電源プラグは抜いておくべきだな。 カセットドライブは動作せず。まあこれは当然。スピンドルは回っていますから、リール駆動ベルト交換で治るかな。 ポゴのウォークマン用には必要ないから、修理はいつかそのうちにということで、仕掛りリストに登録。 2014-08-24 CFS-99 パワードスピーカとして使用開始 |
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第3研究所では1年以上かけてきた
サンスイAU-7700
の修理がおそらく完了。
夢と時空の部屋では、そうだね、このでっかいやつ・・・ エナジー99のカセットのベルト交換をしよう。 まずは巨大な匡体を開けます。 |
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トランスポートのヘッドユニットメカニズム駆動も、キャプスタン駆動とおなじモータによって行われています。
ずいぶん離れた位置にあるヘッドユニット駆動プーリまで、
回転軸を90度傾けながら動力を伝えるために、とても長いベルトが使われています。 いつ買ったのかもう思い出せませんが、 千石電商で買った折径160mmの角ベルトの在庫があり、 ヘッド駆動メカニズムが動き始めました。 フライホイール駆動ベルトはテンションが失われていて交換が必要ですが、 なんとかテープの再生は動き出しました。 |
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イッツ・ア・ソニー、ですねえ。
ベルト交換というよくある作業ですが、
その手順ときたら。
あちこちのネジを外してばらばらにしないといけません。
同じような手間のかかる作業でも楽しく進められるものもあれば、
イライラしながら罵り声をあげながらになってしまうものもあります。
このラジカセは間違いなく後者です。 |
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ようやくキャプスタン/フライホイールが外れました。 |
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苦労してドライブベルトは交換できましたが、
ヘッドアセンブリをモータードライブで上下させるスライド機構がおそらく摩耗でガタつき、
引っかかって所定の位置まで上昇しません。
あれこれ試してみたのですがうまくいかず・・・ 断念。
せっかく新品ベルトを3本奢ったのですが、まる1日の作業は敗北宣言で終わりになりました。 たった1個のモータでキャプスタンとリールを駆動し、またヘッドアセンブリを駆動する・・・ モータの駆動トルクも余裕があるとは思えません。 巨大モデルと言ってもしょせんはラジカセ、 コスト・電力余力・重量・サイズの制約のなかでは、電気的にも機構的にも余裕ある設計は許されなかったのでしょうね。 ジャック類の接触回復の清掃を行って2バンドラジオ・パワードスピーカとしてならしっかり動作するようにしてキャビネットを閉め、 作業は残念ながら終了。 2020-09-21 ヘッドアセンブリ駆動メカニズムうまく動かず 修理断念 |
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