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Iwatsu SS-5702

DC - 20MHz Synchroscope
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Audio Technica AT-MX33


CH1が反応しない

    第3研究所には当初この岩通オシロスコープのほかにもう一台、計2台のオシロスコープがありましたが、 どちらも故障してしまったので、 3台めのオシロとして菊水のアナログオシロスコープを持ち込んでいます。 サンスイAU-7700 の修理は、菊水のオシロで作業を行いました。

    2020年03月の新型コロナによる在宅勤務と外出自粛が続く中、 中央研究所の保管室の整理・ワークベンチ化の作業を進めており、 2020年05月以降は毎週、第3研究所の機材の引き揚げを少しずつ進めています。 今日はこの岩通を持って帰ろうか。 はて、どんな状態だったんだっけ。 もともと使えていたものを持ち込んでいたわけではなく、 故障廃棄品の在庫をチェックせずに第3研究所に持って行っていたような気がします。

    簡単に試してみると、 チャネル1が、入力信号に対して全く応答していません。 いや、「全く」ではありませんね。 本機にはCH1のVERT POSITIONつまみを引っ張ると縦軸倍率が10倍になる機能があるのですが、 これを使ってみるとごくわずかに波形が動いています。 しかしVOLTS/DIVつまみを回してもほとんど何も変わりませんし、 だいたいVOLTS/DIVつまみの操作感がとても変です。

2020-09-25 CH1が反応しない



    ケースを外してみると、ものすごくすっきりした内部のレイアウトが見えます。 匡体向かって左側サイドに取り付けられているVボード - 入力アッテネータとプリアンプと垂直変更出力までを受け持つ - は、ご覧のようにじつに端正なレイアウトです。 フロントパネルの入力端子からブラウン管の垂直変更出力までの信号の流れが、 まるでブロックダイヤグラムをそのままプリント基板のアートワークに落とし込んだかのようです。 そればかりでなく、すべての素子が90度で、かつ、整然と並べられています。 信号遅延がさほどには問題にならない20MHz級のオシロだから、 ではありますけれども、 この機械そのものがアナログオシロスコープの優れた実物教材になっているようです。




    このすっきりしたアートワークならば、CH1の信号が扱えていない原因の調査もさほどには苦労しないだろう。 きっとプリアンプのトランジスタがイカれてしまったか、そんな感じかな。

    そう思いながらCH1の入力部分をよく見てみると… なるほど確かに、故障の原因はすぐにわかりました。 チャネル1垂直軸の感度を切り替えるVOLTS/DIVロータリースイッチのウェハが…割れてるじゃん!



   



    このオシロのCH1 VOLTS/DIVスイッチは入手時から欠けていて、中央にあるはずの赤いVARIABLEつまみは失われていました。 おそらくこの機械は机の上から落とされてしまったのでしょう。 ちょうどCH1のVOLTS/DIVつまみが真っ先に接地する形で。 つまみに加えられた強い衝撃は長大なロータリースイッチのシャフトを伝わって、 3枚あるスイッチウェハを割ってしまったのです。

    接着剤などでウェハを修理するのは試すだけ無駄だと思われました。 精度が求められるロータリースイッチの接点が、ふたたび正常な導通を得られるとはとても思えませんでした。 この手のロータリースイッチはすべてそれぞれの機器に固有の専用設計品ですので、 同型機の不動品を入手する以外に修理の方法はなさそうです。

    いずれにしろ、第3研究所の機材での修理は不可能です。 いまは第3研究所では菊水のアナログCRTオシロがありますので、 岩通は ティル の後ろに積んで、中央研究所に引き上げ。

2020-09-25 CH1動作不良 - 原因はVOLTS/DIVロータリースイッチのウェハ破損






CH1 VOLTS/DIV固定処置

    SONY CF-1980 の修理には、酔狂にも 可愛らしいトリオの真空管オシロ を使いました。 おそらくオシロスコープがなければテープ速度の散発的な変動という故障の原因を掴むのはとても困難だったでしょう。 いっぽう真空管たった6本で動いているこのオシロは、 1現象しか観測できないし、 入力較正はされていないので、 電圧も周波数(あるいは時間)も正確なことは全く分かりません。 この岩通が使えればもっとずっと確実なトラブルシューティングができるはず。

    しかし壊れたロータリースイッチの交換品など容易に手に入るはずはありません。 なので、CH1についてはVOLTS/DIVをひとつに固定してしまうことにしました。 自分の普段の用途 - オーディオ信号の観測 - を考えれば、 0.2V/div固定にしてしまうのがよさそうです。 VARIABLEつまみが使えるならば、 ちょっとの調整の手間を惜しまなければ0.5V/divも1V/divも十分な精度で測定できるでしょう。

    本体からVボードを取り外し、VOLTS/DIVロータリースイッチの仕組みを調べつつロータリースイッチのウェハを取り外して、 0.2V/divに固定するために基板の半田面でジャンパを飛ばします。 結果、計2本のジャンプだけで済みました。








    やはり2現象表示はいいですね。 オーディオ信号をモニタするならやはり2現象ないとね。 トリオCO-1301は保管ラックに戻し、夢と時空の部屋のメインオシロは岩通でいきましょう。

2020-10-26 CH1 VOLTS/DIVを0.2V/div固定に改造 保管室メインオシロとして使用開始





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残課題

CH 2 AC-GND-DC スイッチ

    2020-11-08 接触不良あり。 接点復活剤噴射して暫定対策としている。




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