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Stereo Audio VU Meter Amplifier Module

Audio VU Meter Amplifier

    Kenwood KR-9340 の調子がよくないことがあるので、普段使いのアンプは安いやつでいいから買っちゃうのもありかなあと思いちょっとウェブを眺めてみたら、 低価格なものはことコンパクトでシンプルなものばかり。 昔のようにソースの悪さを補う、たとえばレコードの反りや針先ノイズを補正したり、 あるいは使っているカートリッジにあわせていろいろ調整したり・・・といった必要がなくなったので、 とにかく入力セレクタとボリュームコントロールがあれば十分、ということなのでしょう。 音の良し悪しを聞き分ける耳があるわけでなし、シンプルなミニパワーでいいのならやはり自作しよう。 それに古臭いオヤジは、せめてレベルメータくらいついていないと寂しいなあと思うので、 まずはオーディオVUレベルメータユニットを作ることにしました。

    最初にオーディオレベルメータをつくろうとしたのはたぶん小学5年生のときでした。 ちいさなレベルメータが手に入ったので、 ポンコツ真空管テレビから取り外したオーバルスピーカでつくった手作りの外部スピーカボックスに取り付けようと思ったのです。 スピーカ両端の信号は交流だからそのままつないだのではだめで、 ダイオードを入れて整流してやればよい・・・とまではわかっていたのですが、やってみると大きな音でないと針が振れないし、 それも大きな音のピークで突然針が振れ出すような感じで、 電気屋さんで見るオーディオセットのような自然で優雅な動きにはなりませんでした。

    オーディオ信号をダイオードで整流して直接メータを振らせようとしても、 たとえば小信号用シリコンダイオードを使ったとすると、 シリコンの電位障壁の高さ0.6V程度を超えてはじめてダイオードが導通し始めます。 オーディオライン信号のレベルは±1V程度ですし、 スピーカ両端の電圧もまた高いわけではないので、 大きい音のときだけしかメータが反応しないわけです。これが小学5年生を落胆させた原因でした。

    学研マイキット150復刻版でつくったオーディオレベルメータ は、 増幅回路でオーディオ信号の電圧レベルを十分に上げておき、 電位障壁の低いショットキー・バリア・ダイオードで整流することでこの問題を低減しています。 小学5年生に比べればずいぶんマシだな。

    で、もう1ランクアップを狙い、 試作に Maxitronix 500 in One Electronic Labを使い、オペアンプを使ったVUメータ回路にトライ してみました。 オペアンプで電圧増幅してからダイオードで整流するのではなくて、オペアンプに整流動作を行わせます。 その結果、けっこういい感じに仕上がったので、 今回その回路をボードに作成しました。

    オペアンプの基本回路の一つに、理想ダイオード回路があります。 英語ではpresicion rectifier -精密整流器- と呼ばれるこの回路は、 電位障壁のために実際のダイオードが持つ特性曲線立ち上がり部の電圧ずれがなく、理想的な整流動作が期待できます。

    今回作成した回路(右参照)のうちIC1aが反転理想ダイオード回路です。 IC1bは反転増幅回路。 IC1aはIC2bの2倍の利得を持つように構成されています。 この組み合わせが絶対値回路を構成しています。
    入力が基準電圧に対して正のサイクルのとき、 理想反転ダイオード回路は入力信号を反転して負極性にし、かつ2倍に増幅します。 この信号が次の反転増幅回路に入ります。 いっぽう反転増幅回路の入力にはもともとの正の入力信号もそのまま足し合わされていますから、 さしひき負の1倍の入力となります。 これが反転増幅されるので、結果として出力はもともとの入力信号と同じです。
    入力が基準電圧に対して負のサイクルのときは、反転理想ダイオード回路は何もせず、 信号はIC1bで反転1倍増幅、つまり正極性になって出力されます。
    この結果として絶対値回路は、入力信号の絶対値を出力します。

    絶対値回路の出力は、バッファとしての意味も兼ねてゲイン2倍の非反転増幅回路により増幅され、 アナログVUメータを振らせます。 回路図中のR8とC2は、ダンピングの効いていない低価格メータを使うときに針の応答を適宜調整するためのもの。 今回使うパイオニアロゴ入りメータは適度なダンピングを有しているので、これらの部品は装着せず。

    回路の基準電圧は電源電圧を1/2に分圧してオペアンプで電流ブーストしています。 使っているオペアンプLM324の動作電源電圧は単電源の場合で3〜32V。 この回路は5Vを割り込んでも十分に動作しますし、電源電圧変動には無頓着なので気軽です。 念のため逆接破壊防止用のダイオードと、例によって電源パイロットLEDを装備しておきました (回路図には入っていません)。

    一歩も家から出ず、部品はすべてストックだけで用が足りました。 基準電圧生成回路はひとつで両チャネル共通にできますが、今回はそれも含めて完全2系統にしました。

    できあがったボードは写真の通り。 なんだか10kΩの抵抗だらけですが、とりあえずコンパクトに仕上がりました。 例によって、えらくみっともないので半田面はお見せしません。 廃品再利用のリード製ケースのフロントパネルにパイオニアのVUメータを取り付けて動作させてみると、 うん、やはりステレオで針が振れるのを眺めるのはやはり楽しい!! つぎはヘッドホンアンプを組み込もう。 そうすればいちおうは実用機になるな。

    今回痛感したのは、老眼が進んでいてこの程度のディスクリート基板をこしらえるのにも拡大鏡のお世話にならなくてはいけなかったこと。 次に導入すべき開発設備は、ヘッドバンド式マグニファイアです。 ああ悲しい。
    周波数特性は100Hz以上ならほとんどフラット。 30Hzでは-3dBほど落ち込みます。 上は16kHzでもしっかり針は0VU振れています。 が、スピーカから音はちっとも聞こえませんでした。 やはり安物スピーカだからなあ、と思っていたのですが、ポゴは 「え? パパ、ちゃんと聞こえているよ。」 いままで気がつかなかったのですが、どうやら耳の老化も着実に進んでいたのです。 これはかなり強烈なショック。 お楽しみは定年以降にとっておこうと思っていたのですが、 どうやらそんな悠長なことは言っていられない時期にさしかかっているようです。

    2011年、このVUメータに LM386Nステレオミニパワーアンプ を組み込み、第3研究所のメインアンプとして毎晩楽しく使っています。


    To me the old kid the analog level meter is something indispensable to the audio equipment. However it has really became scarce to see them. So we decided to build one.
    Experiment and prototyping was done on the Maxitronix 500 in One Electronic Lab kit and was quite satisfactory with the circuit shown above. Audio signal is rectified by OP-amp precision rectifier, amplified by x2 non-inverting amplifier and drives an analog VU meter.



    Now a pair of the circuit was built on an universal board as a stereo audio VU level meter amplifier module. It has been installed to a test bed chassis with two Pioneer level meters mounted on the front panel.



All components were readily available in the lab's stock. Header pin connector is used for later reusability.

Pin No. Wire Color Function
1 Red Ch.1 Audio In
2 Orange Ch.1 Audio GND
3 Brown Ch.1 Meter +
4 Green Ch.1 Meter -
5 Yellow Ch.2 Audio In
6 White Ch.2 Audio GND
7 Blue Ch.2 Meter +
8 Black Ch.2 Meter -
9 (N/A) No Connection
10 Black DC Power GND
11 Red DC Power 5 to 12V


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Oct. 22, 2010 Started to build.
Oct. 28, 2010 Board completed.
Oct. 29, 2010 Page created.
Jul. 04, 2012 Updayed.