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Ramsey Electronics AR-1

Airband Receiver Kit


Ramsey AR-1

Ramsey Electronics AR-1 Airband Receiver

    Ramsey Electronics 社はアメリカのエレクトロニクス・ホビイストの間では最も知られているキットメーカーである (あった) のではないかと思われます。 多くのパーツショップやウェブサイトで取り扱われていますし、多くの雑誌に広告があります。 簡単なLED点滅キットからSSB HFトランシーバまで、数多くのキットを送り出しています。

    その製品の評判というと、しかし、必ずしもベストとは言えないようです。 仲間内に聞いても「そこそこ」というのが一般的な答えで、事実私もこのAR-1を含め4点組み立てましたが、 ノントラブルで実用になったのは1点だけです。

    まあアマチュア無線の世界で有名な今は無き Heathkit 社の製品にしても、 中には設計品質がひどくてマニュアル通りに組み立てただけでは全然使い物にならない高級短波受信機があったようですから、 Ramsey社だけを責めるのもどうかという気もします。

    ともあれこれはキット、あくまで素材としてとらえ、 いったん組み立てた後にも性能・機能改善で楽しむものだとすればいいんです。

Ramsey社は2024年にすべてのホビイスト向けビジネスから撤退してしまいました。 ひとつの時代が終わってしまいました。


    さてこの Ramsey AR-1 は、エアバンドすなわち航空無線の受信機です。定価は手元のカタログで29ドル95セント。 専用ケースは別売りです。

    アメリカという国は大変広いので、主要都市間交通は航空機によることが多いですし、 ちょっとした町になると緊急医療の目的を含めてたいてい飛行場があります。 したがって簡単なアンテナと受信機でも航空無線を受信できるわけです。

    我がラボからだとサンノゼ・インターナショナルがもよりの空港ですが、 同じサンノゼでも小型機用のレイド・ヒルビュー飛行場がありますし、同じ程度の距離にパロアルト飛行場、 マウンテンビューにはNASAのモフェット・フィールド、そして上空にはサンフランシスコやオークランドに降りようとする機体。 以前所持していたハンドヘルド機ではすくなくとも20チャンネル程度が常時アクティブでした。

    勤めていたオフィスはNASAのAMES研究所に付帯するモフェット・フィールドの周回レグの真下にあったので、 一日に何回もC-130ハーキュリーズの腹を見ていましたし、T-38タロンやF/A-18ホーネットもしばしば見られました。 スパイ機U-2のシビリアン・バージョンである地球資源探査機ER-2の急角度での離陸上昇は、何度見てもため息ものでした。 ・・・あれ、何のページだったっけ、ここ。




回路構成

    アンテナからの信号はLCネットワークを通った後、まずトランジスタ 2SC2498 で高周波増幅されます。

    信号はついでミキサー・オシレータIC NE602 に入ります。 このICと外付けのLC共振回路で目的の周波数より10.7MHz高い局部発振周波数が作られます。 これによりICからは10.7MHzの中間周波数が取り出されます。

    同調は局部発振コイルに並列に入っているバリキャップに印加する電圧をポテンショメータで可変することによって行います。

    中間周波信号は10.7MHzのセラミック・フィルターを通過した後、 中間周波増幅用IC MC1350 に加えられます。 このICはAGC制御されます。

    信号はその後中間周波トランスを通り、ダイオード検波されて音声信号が取り出されます。 音声信号は クワッド・オペアンプ LM324 に入り、 ここで音声帯域フィルタ/AGC電圧発生/スケルチの処理が行われます。

    低周波出力に使われているのは定番のIC LM386 です。

    本機の電源は006P 9V乾電池です。


ミキサー・オシレータNE602周辺。
局部発振コイルが見えます。



問題点

    組み立ててみると、スケルチ回路のダイオードが欠品していました。 Ramseyに電子メールを書いたら、 数日後にちいさなパケットで部品が届きました。 ダイオード1本だけなのですけれども・・・ おわびの印なのかどうか、 同じダイオードが10本ほど入っていました。

    組み立ておわって簡単な調整を済ませると、オークランド・センター広域管制をふくめ何局か受信できました。 ところが安定性が悪く、しばしばチューニングを取り直す必要があります。 普通のポテンショメータで行うチューニングは操作にたいへん敏感で、 精神統一しないととても合わせることができません。 また、強い局を受信すると最初の一言が大きな音で聞こえるものの、その直後に消えてしまいます。 あるいは、音声が大変にごってしまいます。

    調べた結果、普通の乾電池と単なるポテンショメータでは安定した同調電圧を得られないことがわかりました。 電池の消耗につれて同調電圧が変化しますし、 スピーカから音が出るたびに電池の電圧が下がって同調が外れるわけです。 暫定的に同調電圧電源として別の電池を使い、 同調コントロールにベックマンの10回転精密トリマポットを使ったところずいぶん受信周波数が安定しました。

    受信周波数が不安定な原因はもう一つ、局部発振コイルの同調点が基板の置き方で変わること。 ベンチの作業台、これは近所のガレージセールで椅子込みで25ドルで買ったものですが、 木目コーティングされているこの天板がスチール製であるということを思い出すまでに少し時間がかかりました。 安定なラジオとして完成させるには磁気シールドを含めてしっかりしたケースに収めるべきなようです。






棚上げ

    ここまでやった段階でこのAR-1はガレージの棚に上げられ、そのままとなってしまっていました。 1998年11月、 Lafayette HA-55A エアバンド・レシーバ をいじりはじめ、その回路図が入手できるまでの間のネタとして再びAR-1を引っ張り出してはみたものの、 新しく買ったデジタルカメラで中身の写真を2~3枚撮っただけで、 何も作業できず。







(ここで27年間のブランク)


最長級の仕掛かりプロジェクト

    トリオTS-820Sのデジタル周波数カウンタの2回目修理作業 を終え、 次に取り組むのは・・・ ゴールデンウィークも終わりもうすぐ夏だから、真空管はやめとこう。 あまり熱を出さないものは・・・ あれのつづきをやるか? いよいよ? ついに?

    保管箱から取り出したAR-1のプラスチックケースは、 保管中は光には当たっていなかったはずなのに、 黄変が進んでいました。 27年とはかくも長い歳月。

    いかに27年が長かったのか。 その間にRamsey社はホビイスト・子供向けのキットビジネスから完全撤退してしまいました。 RamseyはAR-1の後継/上位モデルとしてデジタルPLL制御のエアバンドレシーバAR-2を発売しており、 いつかはチャレンジしてみたいなあ、 いやでもその前にAR-1を完成させないと・・・ などと考えている間に、 Ramseyは思い出の中に。

2025-05-07 AR-1作業再開






動作開始

    まず手始めは、スピーカジャック交換。 AR-1のスピーカジャックは基板に直付けですが、なぜかΦ2.5mmジャック。 これでは不便なので、パーツボックスから取り出した中古Φ3.5mmのモノラルジャックに交換しました。 あわせ当時実験のためにつないでいたいろいろヘンテコなワイヤー類を除去。

    安定化電源装置でDC9.0Vを与え、 シグナルジェネレータでつくった119MHzのAM信号をアンテナ端子に入れたら、 AR-1はグズらずに鳴り始めました。 最初にいじっていたときは、こんなに安定して受信動作できたことはありません。 30年前に不調の原因だと推測していたことは、 見事な正解でした。 やはり安定した電源電圧を与えることは本機では絶対に必要なのでしょうね。 このAR-1を組み立てていた渡米直後のクパチーノのガレージには安定化電源装置さえなかったので、 試すすべもなかったのです。

    本キットを最初に組み立てたときは、 ベンチにはシグナルジェネレータもありませんでした。 実際の航空無線通信を受信するしかテストの方法はなかったのです。 でもいまでは120MHzまで出せるシグナルジェネレータがあります。 当時と今との一番の違いはコレ。

    感度も良好なようす。 シグナルジェネレータ出力を最低の1mVp-pにしてもはっきりと聞き取れています。 もっともこのシグナルジェネレータ、 最高周波数120MHzあたりでの出力レベルの正確さはかなり怪しいようですけれど。

    このページを見返すと、 オークランド広域管制が聞こえたって書いてあるなあ・・・ クパチーノラボからオークランド国際空港までは直線で46kmありました。 もっともその直線経路の大半はサンフランシスコ・ベイの海上ですが。 いまグンマからだと成田の地上局は聞こえないでしょうねえ。 でもときたま南の空の航路を東西に飛ぶ上空局が東京コントロールを呼び出すのはこのラボでも聞こえるはずです。

2025-05-07 動作開始



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    シグナルジェネレータで10.7MHzを作ってループリンクで信号を注入し、 10.7MHz中間周波トランスの調整を行いました。 調整は大きくずれていたということはありませんでしたが、 正確に合わせたところひとまわり感度がアップしました。

    本機をいじっていた当時とのラボ設備とのもうひとつの違いは、 ワイドバンド受信ができて周波数が正確にわかるゼネカバ受信機があること。 本機の近くにリンクコイルを置いてゼネカバ受信機でAR-1の局発信号の漏れを受信すれば、 ダイヤルが全くないAR-1でもいまどこを聞いているのかが簡単にわかります。 簡単にアンテナ端子にみのむしクリップコードをつなぎ、 ラボのあたりで一番強く聞こえる東京コントロールに ― その周波数ははっきり覚えていました ― AR-1を合わせてみると、 さほど経たずに上空局からの実際の信号を受信することができました。 時間とともにダイヤルがずれて聞こえなくなってしまうというようなこともなく、 周波数安定性は実用的です。 やはりバリキャップ電圧を安定化するというのはAR-1に必須の改造ですね。

    受信中に局発の漏れを別の受信機で聞いてみると、 オーディオ出力に応じて局発にAM/FM変調がかかってしまっています。 バリキャップとNE602の電源のデカップリングなどを改善すれば、 音質は良くなり発振傾向も低減されるのではないかな?

2025-05-08 実信号を受信






感度と局発の純度

    すぐ近くに置いてあるDELLのポートリプリケータ、 これは在宅勤務のPC用なのですが、 これがPCをつないでいなくても120MHz帯にけっこううるさいノイズをまき散らしていることがわかりました。 ポートリプリケータのACアダプタへの電源を切ったらノイズは収まりました。

    その結果、無信号時はAR-1は完全に無音になりました。 普通に期待される無信号時のホワイトノイズは聞こえません。 まだどこかおかしくて感度が出てないのかな? と思いましたが、 マニュアルを読んでみたら・・・

    うむ、正直でよろしい。





    一日中安定して東京コントロールを呼び出す上空局を受信できました。 局発はNE602を使ったバリキャップコルピッツ発振回路ですが、 電源投入から20分ほどでの周波数ドリフトは20kHz程度、 ウォームアップ後の周波数ドリフトは5kHz程度以内で良好です。 FMラジオ用の10.7MHzセラミックフィルタを中間周波パスバンドフィルタに使う格安設計のおかげで通過帯域は200kHz以上もありますから、 局発のドリフトのために聞こえなくなったりはしません。

    いっぽうで局発が受信音声に影響を受けてAM/FMがかかってしまう現象ですが、 NE602の電源を独立にしても現象は収まりません。 NE602の電源デカップリングだけでは直らず、 これはNE602の内部でプルインが発生しているということになります。 対策は無理かなあ。

    実験的にNE602の電源電圧を変えてみます。 チップの許容最大値の8Vに近い方がゲインは得られますが、 発振気味になってしまいます。 安定動作せるには無理は禁物なようす。 ドロッピングレジスタR7を1.5kΩに変更してみました。

2025-05-09






完成予想図

    スケルチは正しく動作していますが、 開閉動作に伴うポップノイズがやかましすぎます。 本機のスケルチは、 キャリアレベルがポテンショメータで設定したしきい値を下回るとコンパレータがOFFになり、 オーディオ増幅オペアンプ入力電圧を0Vに強制的に落として音を消す仕組みです。 これじゃポップノイズがクソでかいのは当然、ですね。 簡単な変更でポップノイズを抑えられないかなあ。

    中間周波増幅器に使われているMC1350は、 AGCピンへの電圧でゲインを最大60dB下げることができます。 しかしAR-1現状実機では強力な信号が入ってきたときのゲイン抑制が今一つで、 大きな音になってしまいます。 AGC特性も改善したいところ。

    現状実機のAGCライン電圧は無信号時0.8Vで、 信号が強まると高まるけれども、 3.5Vあたりで飽和しそれより高くなりません。 これが強力な信号の時にゲインを落とし切れない理由なのでしょうか。

    静かなスケルチ、もうすこしAGC特性を向上、 実用面ではやはりSメータ装備と、 周波数が読み取れるダイヤル― やっぱりデジタル表示がいいなあ― そんなことを考えながら、 30年にわたるキット製作プロジェクトの最終完成予想図を描きます。

2025-05-10






ノイズ源と屋外アンテナ

    120MHzのエアバンド帯は、短波とは違いますねえ。 いままで短波では問題にならなかった機器が、 エアバンド帯にノイズを出していることに気づきます。

    それでもこれは意外だった・・・ 120.500MHzに入ってくるバズノイズは、 CBA-1000真空管アンプ に取り付けてあるデジタルパネルメータが出していました!

2025-05-11


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    CBA-1000真空管アンプは一日中 ― 昼間はオンラインミーティングの音声アンプとして ― 使っていますから止めるわけにはいかず、 まあそれならパネルメータだけ止めてしまえばいいわけですが、 AR-1も次第に調子よくなってきているので、 ベランダに簡易屋外アンテナを用意し、 AR-1までは同軸ケーブルで引き込むようにしました。

    結果は上々、ノイズがぐっと減りました。 パネルメータのノイズは全く気になりません。 なのでパネルメータはAR-1のチューニング電圧の表示に使います。 これで元の周波数にすぐに戻れるのでとても便利。

    昼間は仕事用ラップトップとポートリプリケータを使いますが、 そのノイズはAR-1に直接飛び込んでしまいます。 まあこれはオープンシャシーでテストしている間は仕方なし。

2025-05-11 屋外アンテナを準備






AGCの謎を追っていくと・・・

    さあて、AGC電圧がどうやっても3.8V以上に上がらない件、 いろいろ調べてみましたがどうにも納得できません。 ひょっとしたらオペアンプが壊れてるのではないかな? AGCアンプはちゃんと増幅はしているものの、 オペアンプの内部出力段の電圧がある一定値以上に上がらないような、 なにかそんな感じの故障が起きているのではないかと。

2025-05-12





    意を決してオペアンプLM324を新品に交換してみました。 いままで動作していたのに交換後は全然聞こえなくなったので、 ICを交換したらやはり何か変わったのだと喜んで、 いったん他の素子定数をオリジナル定数にもどしたら、 最初と同じ状態に戻ってしまいました(大粒の涙)。 オペアンプの故障ではなかったようです。




    ここまでくると真の原因は、 いままで「まーここってことはないよねー常考」と思い込んでいたところに隠れているということになります。 自分の思い込みこそが最大の敵。

    オペアンプのAGCアンプ出力とMC1350のAGCピンの配線を切り離し、 外部ポテンショメータで作った直流電圧をMC1350に入れてみると・・・ なんかわかってきました。

    現在の回路構成では、MC1350の5ピン ― AGC制御ピンを開放にしていると、 ピンには3.4Vほど出ています。 ピンをGNDに落とすとMC1350はフルゲインで動作しますが、 開放のまま、つまり約3.4Vでも結構なゲインで増幅動作をします。

    AGCピンの電圧が3.4Vを超えるとMC1350のゲインは急激に下がり、 3.6Vでほぼカットオフ状態 (正確には-60dBほど) になります。 つまり、入力信号がどれだけ強くても、AGC電圧は3.6Vを超えることはないのです。 いままでAGC電圧は3.6V程度でスパっと頭打ちと思っていましたが、 信号強度に応じて3.4~3.6Vの間でAGC電圧は変化していたのです。

    要するに・・・ すべて正常動作していた、のですね。

2025-05-13






再スタート

    思い込みの罠にハマって時間と労力を費やしてしまいましたが、 一休みして心機一転、再スタートと行きましょう。

    AR-1の回路ではMC1350のAGCピンには1kΩを介してAGC電圧が印加されます。 MC1350のデータシートではここに5.1kΩが示されていますので、 それに近い4.7kΩに変更してみました。

    飽和点付近のAGC電圧の振れ幅がすこし大きくなったような気がしますが・・・ あまり変わりませんね。

2025-05-14





    現状のこれは、極端なディレイドAGCになってしまっている、ということができます。 聴感でS9程度まではAGCが効かず、 それ以上になってはじめてAGCが効き始める感じ。 信号強度とAGC電圧の関係は、 3.4Vを境にして極端に傾きが変わります。 このままのAGC電圧でSメータを振らせたら、 S9以上ではほとんど振れが増えないということになります。 うーん、どうしよう。

    そうか、ここはSメータはコンパレータを並べたLEDバーグラフにしておけば、 各段点灯レベルを任意に設定できるから、 賑やかし機能としては結構イケるものができるかも。 力技の8点LEDバーグラフメータを作ればいいや。

2025-05-14





周波数カウンタを考える

    AR-1に CRV-1/HB RI2 に使っているのと同タイプの周波数カウンタが使えないかどうか、検討してみます。

    このカウンタは最高周波数65MHz (実力69MHz) なので、 AR-1の局部発振周波数は直読できません。 10分の1のプリスケーラを用意できれば、 IFオフセットを1.07MHzとして設定すればいいですね。 ただし小数点表示の工夫は必要ですけれど。

    ところでいま10分周プリスケーラを作ろうとしても、 定番のuPB551Cは入手難ですね。 どうしよう・・・ あ、秋月電子でプリスケーラキット売っているぞ。

2025-05-15





    亀井堂マイフライツアーから戻って一息ついた後、 入荷していた8ケタ周波数カウンタをテストします。

    この周波数カウンタは120MHzを直接入力できますが、 信号GNDをつないだとたんに同じ電源装置で動作させているAR-1に明らかな、 とても受信機として使えないほどのノイズが入ります。 うえ、これは何だろう。 なんか対策できるだろうか。

    ノイズが対策できたとして、 このカウンタには信号入力レベルは100mVp-p程度は必要。 物は試しとNE602の局発ピンに直接つないでみましたが、 表示できないだけでなくノイズもひどく入ってしまいます。 少なくともプリアンプ/バッファアンプの追加は必要だなあ。

2025-05-24






AGC特性改善も並行して

    いったんAR-1ノーマルの回路定数に戻したところから、 再び改善の検討。 R16を10kΩから47kΩに変え、 AGCアンプゲインを倍にしてみました。 AGCが効き始める信号強度をより低くするわけで、 ディレイドAGCの効きはじめを早くするということもできます。 いっぽうでこの改造でオーディオ出力は弱まってしまいますね。

2025-05-25


    やはりオーディオレベルは下がってしまったので、 スケルチゲートのオペアンプの増幅度を4倍にしました。 この段はオーディオ信号としてはレベルを4分の1ほどに下げる設定になっています。 はて、なんでそうしてあるのかな。 LM386への入力としてはレベルが高すぎたのかな。

    E23を10kΩから47kΩに変えて、音量は大幅アップ。 スピーカからは十分な大音量が出ますが、 AGCの効きはやはり大きく不足していますねえ。

2025-05-26 スケルチゲートのオーディオゲインを約4倍に改造 (x1/4 -> x1)



局発の取り出しを考える

    NE602で生成されている局部発振周波数はどのように取り出したらいいのだろう。 NE602の6ピンからの取り出しだと負荷が局発の動作に影響を与えてしまいます。 すぐ近くにトランジスタ1つ置いて増幅して取り出したらいいのかな。

    ジャンク部品箱からちいさなユニバーサル基板の使い古しを取り出して清掃し、 簡単なトランジスタ1石のエミッタ増幅回路をつけてみました。 けれどNE602の動作に妨害を与えないためには、 すくなくとも4.7kΩの抵抗を介して取り出さないといけません。 するとトランジスタ増幅回路の出力は10mVp-pにも満たず。

    単純にもう1段増幅すればいいのだろうか? でもなんか発振してしまいそうだなあ。 こういう作業をすると、自分の基礎力が不足していることが痛感されますね。 高周波回路を自分で設計して作れる人、本当に尊敬します。 まあこっちはいまだ中学生レベル、シロートのラジオ小僧だからね。 背伸びも嫉妬もせず、 マイペースで行きましょう。

2025-05-31 局発取り出しアンプ試作取り付け いまひとつ電圧が出ない






Sメータ試作回路

    自分が扱えるのはDC回路、せいぜいオーディオ周波数どまりだな・・・ とちょっと意気消沈し、 一休みしたのちに、 それならDC回路をいじればいいじゃない、と言いながら、 AR-1用のSメータ回路の試作を始めます。 いまのままだと U-70D を作業用に使えないからね。

    仕組みは簡単、 LM324を2個で8つのコンパレータを並べるだけ。 あえて回路図を描くまでもなく、 ただAGC電圧と比較する8ステップの電圧を作るために抵抗はいくつにしたらいいのかを考えてノートに書き留め、 ブレッドボードで配線を開始。

    回路は一発で、 いい感じで動作し始めました。 すこし応答は遅くしたほうがいい感じになるかな? しばらく実用しながら、設定を微調整していくことにします。

2025-05-31 Sメータ ブレッドボード試作 動作開始



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つづく・・・


技術資料


回路図

    Ramsey AR-1の回路図です。実験中のメモと改造点を含みます。






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