Sony TC-WR930
Stereo Cassette Deck
(1986) |
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このソニーのオートリバースのダブルカセットデッキ、はたしていつから自分のところにいたのか。
1998年、サンノゼ研究所時代のワークデスクの写真を見ると、
脇のラックにこのデッキがあります。
日本から持って行った記憶はないけれどこのデッキはAC100Vの日本仕様。
シリコンバレーで中古で買ったものではありえません。
向こうでだれかほかの日本人駐在員からもらった?
それとも渡米前に誰かにもらったのかなあ?
そういえば誰かからデッキをもらった記憶がうっすらとあります。
それが誰であったのか。
わたしにこれをくれた人、ごめんなさい、忘れちゃって。
でもありがとう、それからずいぶんの間、
このデッキは日本から持って行ったテープを楽しませてくれました。 そしてそれがいつごろのことだったかも記憶にないのですが、 このデッキはテープをプレイしていないときも耳障りなキュルキュル音を常時出すようになりました。 キャプスタン軸受けあたりだろうと推測してカバーを開けて中を覗いてみたのですが、 メカの分解は手間そうだったし、 むやみに潤滑剤を吹くのもためられたので、現役引退させたのでした。 そしておそらくそのときに、主力機の座を SONY TC-K333ESG にバトンタッチしたのでした。 なので第1研究所時代に、ことによるとサンノゼ研究所時代にこのデッキはいつか修理しようと箱に入れられ、 そのまま2021年のコロナ禍で夢と時空の部屋の整備を始めるまで、ずっと修理を待ちわびていたのでした。 2022年3月、 コリンズ51S-1 の修理中にSIGLENT SDG2122Xシグナルジェネレータへのオーディオ入力としてこのデッキを使ってみたところ、 キュルキュル音が再発したばかりでなく、 テープ速度もずいぶん狂っていました。 そのうち修理してあげようね。 2022-03 キュルキュル音再発 テープスピード異常 |
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八重洲無線FT-620B
の修理 - 実際にはほぼ修理不要だったのですが -
を終えて、つぎは
Linear Systems SBE SB-36
に取り掛かろうとしたのですが、
本体と電源ユニットをつなぐ電源ケーブルが見つからず、
いったん作業保留。
先にこのソニーのデッキの修理をすることにしました。
修理待ちは少なくとも20年ってところだったかね。 電源を入れて20分ほどして、キュルキュル音が出始めました。 耳を近づけて聞くと、デッキBから出ている様子。 テーププレイ動作をさせずとも音は出ているので、 電源が入っている限り常時回り続けているキャプスタン軸受けから出ている音に違いありません。 さらに試すと、音は右側、FWD時のテイクアップ側キャプスタンから出ていることが確定できました。 試しにキャプスタン軸受けに微量のミシン油を注してみましたがほぼ変化なし。 いっぽうキャプスタンを本体奥側に押し込むような力をかけると音は止みます。 さて音はどこから出ているのだろうか。 ここかな? と狙いを定めて、キャプスタンフライホイール奥側終端を支えている部分に細いノズルでCRC 5-56をごくわずかに吹いたら、 大当たり! 音はすうっと止みました。 音が止んだのち16時間以上稼働、 今のところ再発の兆候はゼロ。 5-56ではそのうち揮発してしまって再発する可能性がありますが、 その時は再度、トランスポート分解してより正確に処置することにしましょう。 2022-05-31 デッキB テイクアップ側キャプスタンフライホイール後端 注油 キュルキュル音は完全解消 |
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