NoobowSystems Lab.

Radio Restoration Projects


Lafayette HA-225
Shortwave Communications Receiver
(1964)
Serial: 31600323

[Brief note in English is included in this page]


NoobowSystems Lab., CEO

    ラスベガス コンベンション センターで開かれたコンシューマー・エレクトロニクス・ショウで、 そんな名札をつけてうろうろしていたのは要するにウチのヨメさんなわけです。 そろそろラボのコンピュータも新しいものにしたいなあ、と考えて設備投資審議会を開いても、投資効果不透明という理由で差し戻しとなります。 ラボの活動経費は高額でない場合はたいていの場合承認を得られますが、予算というよりも設置場所が最大のネックになります。 似たようなものを買うと、売却命令を受けかねません。

    ので、Lafayette HA-63A / HA-230 / HE-80 ときてストーリー立ての理由からHA-225を手に入れたいと考えたものの、「また似たようなものを!」 となりそうです。 幸いなことに、HA-225が届いた時ヨメは都内に連泊で出かけていました。 そこで、調整を終えて快調に動作している ICF-5900W をベンチから下ろし、代わりにHA-225のシャーシを乗せました。 ぱっと見には以前に作業していたHE-80と何も変わりません。 これならまた一台増えたとは(すくなくともすぐには)気がつかれないでしょう。 「あれ? いつのまにヒータートランス追加したの? 」 とか訊かれたらブッ飛んじゃいますが。

Improved HE-80

    1964年12月に米国デビューしたLafayette HA-225は、Lafayette HE-80と極めて似ています。 仕様としての大きな変更点は、
  • 中波バンドを廃止して代わりに長波帯をカバー。
  • FM受信モードは廃止。
    フロントパネルとリアパネルを見る限り、他には差がないように思われます。 しかしその内部には変更点・改良点がいくつか見受けられます。主なものは以下の通りです。
  • 独立したヒータ トランスの追加により局発・混合管ヒータを常時通電
  • メインおよびスプレッド バリコンを金属ケースでカバー
  • オーディオ出力トランスを45度傾け、誘導結合を減少
  • BFO回路をサブシャーシに実装し回りこみを減少
    バリコンを覆うカバーはSPCCを単に折り曲げて作られたもので、隅部の溶接などはありません。 が、このカバーだけで意気込みはとりあえず伝わってきます。 で、その効果はいかに?

    45度傾いているオーディオ出力トランスは、ただ単にスペースの関係でそう取り付けざるを得なかったのではないかとも思えるのですが。

    HE-80に対する細かい変更は他にもいろいろあります。 ダイヤルコードの取りまわしも違うし、アンテナトリマへのリード線の這いまわしも違います。 アンテナターミナルからコイルパックまで同軸ケーブルが使用されていたり、 中間周波トランス取り付けのためのシャーシに開けられた穴の形状も違い、HA-225では右図のように開口面積を最低限にしています。



HE-80 and HA-225

    このように細部を見るとHA-225はHE-80の改良モデルと見ることができるのですが、 それではHA-225はHE-80の後継機なのかというと、必ずしもそうではないようです。 "Mr. Lafayette"の Mr. Peter Markavageはメーリングリストのディスカッションにおいて当初、 「HE-80HA-225後継機だ」 と主張していたのですが、私が疑問を投げかけると次のように教えてくれました。 ()内は私の補遺。


    HA-225とHE-80のそれぞれの販売資料フォルダにしまっておいた販売ノートを今晩引っ張り出してもういちど整理してみたよ。 どうやら「HE-80がHA-225の後継機だ」という私の最初のコメントはやや不正確だったみたいだ。
  • 1963年第3四半期の終りに発行されたLafayette 1964カタログに初めてHE-80が登場。 でもすべての注文はバックオーダとされた。
  • 1964年にLafayette代理店は、 「(HE-80の代わりに) HA-225が先に市場投入されるので受注と販売はこちらのモデルに切り替えるように」 とのセールスブレテンを受領した。
  • 1964年第3四半期に発行されたLafayette 1965カタログでは相変わらずHE-80が掲載されている。
  • 実際にHE-80が入荷したのは1965年。このときLafayette社から、「似たようなモデルが並行しているのは混乱の元なので、 在庫しているHA-225をできるだけ早く売りさばいてしまうように」と販売店に対して指示があった。
  • 1965年第1四半期に作業開始された1966年カタログの準備において、 編集者はHE-80とHA-225のモデル入れ替え指令のことを知らず、 独自の判断でHE-80の代わりにHA-225を掲載することにした。
  • 1964年から1966年に発行された年4回発行の小カタログ(アニュアルカタログではない)においては、 カタログ編集者もいつHE-80がHA-225の代わりに市場投入されるのかわからなかったため、 HE-80とHA-225のいずれかがランダムに現れている。
  • 1967年カタログでは、HE-80・HA-225のいずれもが歴史のかなたに消え去った。
    つまるところ・・・ 最初にHE-80が販売されるはずだった。 HA-225はHE-80の後継機として意図されたものではなかったはずだ。 HE-80が当初予定していた時期に市場に投入されなかったため、 結果としてHA-225のほうが先に市場投入されたのだ。

    60年代・70年代のLafayetteにはこんなドタバタ話がそれこそ101個くらいはあったからね。

    Peteの言うとおり、HA-225はHE-80の後継機を意図されたモデルではなくて別バリエーションなのだ、 という説が正しいのかもしれません。 長波帯はヨーロッパでは一般放送用としても使われていますので (現在でもヨーロッパのデパートに行くと長波つきのラジカセを売っています)、 私の仮説としては


    HA-225のベースは本来ヨーロッパ市場を狙った製品で、その開発はHE-80の後だったので細かな改良もあわせて入れられた。 なぜかHE-80の北米投入が遅れ、その穴を埋めるモデルとして、 ヨーロッパ仕向けのモデルを急遽北米電源にモディファイしてHA-225として発売した。


    Lafayetteの型番にはあまり明確な規則性がなくてその場で適当につけている様子ですが、 それにしても225というのは半端な番号です。 これもドタバタの影響かもしれません。

    もういちど9R-59とJR-60系について、QST誌の広告掲載状況をまとめてみました。結果は下表。 これを見る限りではHA-225はPeteの言うとおり、1966年カタログ発行と同期して1965年09月号に登場しています。 しかしそのデビューは、とりたてて目立つような工夫もされておらず、いつの間にか現れているといった風情です。 そして1967年カタログでは姿を消してしまっています。 QST誌を中心に考えるなら、HA-225は1966年型といえます。

    1966年初頭のHA-225の価格を見ると、 アマチュア無線を主眼に置くならもうちょっと払えばずっと性能の良いダブルコンバージョン+メカフィル機が買えますし、 国際放送受信用であればHA-230との機能差を考えるとちょっと高すぎ・・・ $99.50あたりが妥当だったのではないかとも思えます。

    1965年08月以降はLafayetteの広告は隔月となり、アマチュア無線マーケットでの先行きの不安を感じさせ始めています。 このあたりから、米国での販売チャネルをLafayetteからAlliedに換える動きがあったのではと思われます。
    いっぽうHA-225が引退した1966年11月号で、はじめてスターが登場します。 このあたりが日本製コンプリートセットへの移行開始期の始まりといえそうです。

ISSUE HE-10 HE-30 HA-230 HE-80 HA-225 HA-350 Note
1961-11 $79.95 $99.50 ---- ---- ---- ---- HE-30 in "Recent Equipment"
1963-09 ---- $79.95 ---- ---- ---- ---- -----
1963-10 ---- $79.95 ---- ---- ---- ---- -----
1963-11 ---- $79.95 ---- $129.50 ---- ---- -----
1963-12 ---- $79.95 ---- $129.50 ---- ---- -----
1964-01 ---- $79.95 ---- $129.50 ---- ---- -----
1964-02 ---- $79.95 ---- $129.50 ---- ---- -----
1964-03 ---- $79.95 ---- $129.50 ---- ---- -----
1964-04 ---- ---- ---- $129.50 ---- ---- -----
1964-05 ---- ---- ---- $129.50 ---- ---- -----
1964-06 ---- ---- ---- $129.50 ---- ---- -----
1964-07 ---- ---- ---- $129.50 ---- ---- -----
1964-08 ---- ---- ---- $129.50 ---- ---- -----
1964-09 ---- ---- ---- ---- ---- $189.50 1965 Catalog
1964-10 ---- ---- ---- ---- ---- $189.50 -----
1964-11 ---- ---- ---- ---- ---- $189.50 -----
1964-12 ---- ---- ---- ---- ---- $189.50 HA-350 in "Recent Equipment"
1965-01 ---- ---- ---- ---- ---- $189.50 ------
1965-02 ---- ---- $89.50 ---- ---- $189.50 ------
1965-03 ---- ---- $89.50 ---- ---- $189.50 ------
1965-04 ---- ---- $89.50 ---- ---- $189.50 -----
1965-05 ---- ---- $89.50 ---- ---- $189.50 -----
1965-06 ---- ---- $89.50 ---- ---- $189.50 -----
1965-07 ---- ---- $89.50 ---- ---- $189.50 -----
1965-08 ---- ---- ---- ---- ---- ---- No Lafayette ads
1965-09 ---- ---- ---- ---- (No price shown) (No price shown) 1966 Catalog. 1st appearance of HA-225
1965-10 ---- ---- ---- ---- ---- ---- No Lafayette ads
1965-11 ---- ---- ---- ---- (No price shown) (No price shown) -----
1965-12 ---- ---- ---- ---- ---- ---- No Lafayette ads
1966-01 ---- ---- $69.95 (was $79.95) ---- $119.95 (was $129.95) $139.95 (was $174.95) HA-650 6m Portable $119.95
1966-02 ---- ---- ---- ---- ---- ---- No Lafayette ads
1966-03 ---- ---- $69.95 (was $79.95) ---- $119.95 (was $129.95) $139.95 (was $174.95) HA-650 6m Portable $119.95
1966-04 ---- ---- ---- ---- ---- ---- No Lafayette ads
1966-05 ---- ---- ---- ---- $119.95 $139.95 HA-650 6m Portable $119.95
1966-06 ---- ---- ---- ---- ---- ---- No Lafayette ads
1966-07 ---- ---- ---- ---- $119.95 $139.95 HA-650 6m Portable $119.95
1966-08 ---- ---- ---- ---- ---- ---- No Lafayette ads
1966-09 ---- ---- ---- ---- ---- $139.95 1967 Catalog HA-460 6m TRX $149.95
1966-10 ---- ---- ---- ---- ---- ---- No Lafayette ads
1966-11 ---- ---- ---- ---- ---- $129.95 First Star SR-700E/ST-700E appeared
1966-12 ---- ---- ---- ---- ---- ---- No Lafayette ads
1967-01 ---- ---- ---- ---- ---- $129.95 HA-460 6m TRX $149.95

Abused and Completely Dead

    外観上は筐体左下隅の変形がいちばん目立ちます。 結構激しく落下させられたと見えて、外側ケースはこの部分だけではなくて全体的に歪んでしまっています。 アルミ製のフロントパネルもひしゃげていますが、シャーシも変形してしまっています。 簡単に直せるかもしれないと思ったのですが、外側ケースは案外に頑丈で、金属ハンマーで叩いたくらいではびくともしませんでした。 ま、この不具合のおかげで安く買えたのですから良しとしましょう。

    数年前まではLafayette機はどれも安価だったのですが、最近は案外いい値段がつくようになってきました。 もちろんコリンズなどに比べれば1/4にも満たないのですが、 当時の販売価格との比を考えると、コリンズよりもリセールバリューがあるのではないかともいえます。


    ラジオは使われなくなってかなりの間ガレージか屋根裏の片隅に放置されていたようで、シャーシ上面には長年の埃が堆積しています。 シャーシ内部はかすかな埃と生命活動の残骸 - 蛾か何かが作った小さな繭のようなもの- だけで、 水濡れやサビあるいは腐食はありません。 ユーザによる改造の痕は見られませんが、あれ、1本だけ片側が配線されていない抵抗器があります。これはなんだろう。

    コイルパック アセンブリはきれいな状態を保っていますが、ひとつのコイルのコアが乱暴な調整作業のためか壊れかかっているようです。

    ダイヤルグラスのデカールは良好な状態を保ってはいますが、汚れもあるので、デカールを剥がさないように清掃するのはやはりチャレンジです。 ダイヤルスケールにはアマチュアバンドの表示がありますが、国際放送バンドは明示されていません。 おそらく前オーナーはアマチュアバンド受信よりも国際放送を聴くためにこのラジオを使用していたのでしょう、 黒マジックで国際放送バンドを示す書き込みがされています。

    入手時、クリスタル コンバータの局発・混合用の6BL8が欠品していました。 これはなくてもとりあえず短波受信機としては使用できるので、大きな問題ではありません。
    点検と簡単な清掃ののちスピーカをつなぎ電源を入れてみると、予想通り。 真空管は全球点灯したものの、大きなハムだけで、他は全く応答せず。 よしよし。真空管はまだ清掃していないので、電源を入れて球が熱くなると古いラジオのにおいが漂います。 さあ修理開始。


電源回路

    ハムの原因はあえて調べるまでもなし。 B電圧平滑用ブロック電解キャパシタはシャーシ内部に設けられています。 容量は40μFが2ブロック。 これを取り外し、ラグ板を追加して新品のELNA製47μF 350V品を取り付けます。 ハムはすっきり解消。

受信動作

    ハムが消えると、かすかに受信動作をしていることも判明しました。 強力な中国局が聞こえます。 感度は非常に悪く、またダイヤル位置によってはほぼ無感のところもあり。 また、受信音はかなり発振ぎみです。 BFOは一応動作している様子。メータのゼロ調整を行ってみるとSメータは自然に動き、AGCは動作していることがわかりました。
    コイル・パックの各コアやトリマのゆるみ止めペイントは割られていますので、ユーザによる調整が入っているようです。 例によって、調整は無茶苦茶にされていると仮定して作業していきましょう。

低周波出力段

    ボリューム コントロールのホット側にオーディオ信号を注入すると、あれ、案外にいい音です。 小音量では目立った歪もないし、高音もさわやか。 でもHE-80の例もあるし、一応点検しましょう。

    出力管6AQ5AはRCA製で、オリジナルは松下製のはずですから交換されています。 第1グリッドはきれいなオーディオ波形ですが、オシロをDCモードにしてみたらDC2Vほどかかっています。 前段プレートとのカップリング キャパシタを切り離すと、電圧は出ていません。 6AQ5Aのグリッド エミッションではなく、キャパシタのリークです。 使用されていたのはNichicon 600WV 0.01μF。 松下の新品フィルムキャパシタに交換するとDC電圧のリークはなくなりましたが、音質・音量ともに特に変化はありません。 カソード電圧は6Vほどありますから、グリッドの電位がプラスになるほどのひどいリークではなかったわけです。 オシロあるいは電圧計をあててみないと気づかない潜在的な故障でしたが、 HE-80の場合と程度の差こそあれ同じ現象ですから、このブランドのキャパシタも無条件交換リストに掲載することにしましょう。

    CD音楽を入力すると、やはりバスドラムの低音がオーバーロード気味となり、その瞬間に高音部が濁ってしまいます。 HE-80で行ったのと同様にNFBをかければ音質は改善されるでしょうが、実際の短波受信時にはそのような信号は取り扱いませんから今回はこのままとします。

    外部信号注入によるオーディオ段の連続稼動テストを行っているとき、カソード波形が不安定になっていることに気づきました。 調べてみると問題はHA-225ではなく、 ヒューレット・パッカード1200Aオシロスコープ のチャネルAの入力回路の故障であることが判明しました。 あれれ、また修理待ちアイテムができちゃった。


Bottom view - Filter caps have been replaced.


    カソード抵抗は330Ωが使用されていますが、実測してみると360Ωあります。 まあ+10%ですからこのままとします。 カソード電圧が6V出ているのでカソード電流は16mAとなります。 ちょっと少ないなあ。

    ボリューム コントロールの両端はそのままリアパネルのRECORDINGジャックに接続されていますから、 RCAプラグを使ってここに信号を入れればシャーシを横倒しにしなくてもすっきりテストできます。 で、よくよく見るとどうやらこれは前オーナーによる改造のようです。 HE-80の回路図では本来はRECORDINGジャックには低周波出力管6AQ5Aの入力、 第1グリッドから100kΩを介して取り出されるようになっています。 この100kΩは本機では片足が宙ぶらりんになっています。 し、RECORDINGジャックとAF GAINポテンショメータを接続しているのはアメリカ式の透明なシースをもつツイストペア線だし、 その半田付けもプロの仕上げではありません。

    私としてはこの改造された方法のほうが便利なので、このままにしておきます。
6AQ5A PIN ASSIGNMENT : 7BZ
PIN CONNECTION (After replacing coupling capacitor)
1 G1
2 K/G3 6.0VDC AF:2VACp-p
3 H 6.7VAC
4 H 0V
5 P 218VDC AF:10VACp-p Hum:12VACp-p
6 G2 124VDC
109VDC (FUNCTION=CAL)
7 G1

初段低周波増幅

    検波回路からの音声信号を増幅する低周波増幅初段は、双3極管6AQ8の片側が受け持ちます。 6AQ8のもう一つのセクションはBFOとなっており、サブシャーシ上に実装されています。 回路構成はHE-80と同等ですが、サブシャーシに実装することによりBFO信号の漏れを抑えています。 メイン シャーシからサブシャーシにいく配線は以下のようになっています。
    回路図は入手できていませんが、どうやら白色の線はサブシャーシ内で6AQ8低周波増幅セクションのプレートに接続されているようです。 となると、6AQ8のプレート電圧はわずか33Vということになります。 B電圧は220kΩのプレート抵抗を通った後白色の線につながっており、B電圧は120V来ていますからこれはほぼHE-80のときと同様の測定結果です。 BAMAでER-202の回路図を見てみるとここは32Vとなっていますからこれが正常なのですが、それにしても低いプレート電圧ですね。
    HE-80では6AQ8のカソード バイパスにリークがありましたが、HA-225ではカソードパイパスはサブシャーシの中に入っているようです。 取り外しはちょっと面倒な様子。 現状では実用上問題なく動作しているので、そのままにします。

プロダクト検波

    プロダクト検波はペンタグリッド コンバータ6BE6を使用しています。 BFO信号は7ピン、つまり第3グリッドに直接注入されています。 発振振幅はおよそ80Vp-p、平均値は-40V。つまり、0Vから-80Vまでをスイングします。 これはHE-80と全く同様で、 BFOは正常に動作しているといえるでしょう。
    HE-80のページにも書きましたが、ペンタグリッド管の第3グリッドにBFO信号を注入するこの方法は手持ちのどんな本にも出てきていません。はて。 ひょっとして特許回避か何かでしょうか。
    HA-225ではBFO管をサブシャーシに実装してBFO信号の回り込みを減少させようとしていますが、 サブシャーシからプロダクト検波管までの配線は通常のビニール線を使用しています。 配線全長は5cmほどであり短いとはいえ、信号振幅が80Vp-pもありますからここからの輻射も結構ありそう。

6BE6

AM検波

    AM検波は双2極管 6AL5 で行われます。 この6AL5のヒータは電源ハムに敏感であり、ハムを低減するためにHE-80/HA-225では抵抗を介して点火されています。 このため6AL5のヒータは他の管に比べて暗く、うっかりすると断線していると早合点してしまいそうです。 実際に印加されているヒータ電圧を測定してみると3.8VACしかありません。
    シグナル ジェネレータからの信号を2段めの中間周波増幅段に注入してテストしてみると、 AM検波の音質はなかなか良好であることがわかりました。 HE-80ではAM音質がかなりひどい状態でしたが、HA-225の検波回路の構成はHE-80と同じはずですから、 どちらかの機械に何か残っているのかも。

中間周波トランス

    勢いでこのまま中間周波トランスの再調整を開始します。 シグナル ジェネレータからの455kHz 400Hz 40%の信号を各段に注入し、 AGC電圧をデジボルとオシロスコープで観測しながらトランスのコアを回します。 3つある中間周波トランスはいずれもおおむね455kHzでピークが取れていましたが、 2箇所あるピークのうち弱い方に合わされていたものもありました。 調整を完了してみると、HA-225の感度は大幅にアップしていることがわかりました。 作業開始時点では中国局が何局かかすかに、かつ発振ぎみで聞こえていただけでした。 今では9MHz帯/ 11MHz帯 / 15MHz帯 のいずれも、さまざまな放送局でぎっしりと埋め尽くされています。 9MHz帯のBBCも、プリアンプ利用ではAGC電圧が-8Vに達するほどです。 メイン ダイヤルの位置による感度ばらつきは結構あるのでコイル パックの再調整は必要ですが、 それにしても中間周波トランスの再調整だけで見違えるような性能になりました。

RFゲイン コントロール、AGCとSメータ

    HA-225のAGC電圧は、AM検波管6AL5で生成されます。 AGC電圧は高周波増幅管と二つの中間周波増幅管のコントロールグリッドに与えられます。 フロントパネルのAVC-MVCスイッチをMVCポジションにすると、AGCラインが強制的にグラウンドに落とされ、全段フルゲインで動作します。
    フロントパネルのRF GAINコントロールは、高周波増幅管と前段の中間周波増幅管のカソード回路に入っています。 RF GAINつまみを反時計方向に回すとこれら2球のカソード抵抗が高まり、 カソード電圧が上がります。これによりコントロール グリッドのバイアスが深くなります。 これらの球はリモート カットオフ管なので、結果として真空管の増幅度が下がります。 RFゲイン コントロールを時計方向いっぱいにすると、カソード抵抗は固定抵抗の300Ωだけになり、真空管はフルゲインとなります。

    中間周波トランスの調整を開始する時点で、本機のAGCは正常に動作していることがわかっていました。 AGCラインに音声成分はほとんど乗っておらず、応答速度も適切なものです。
    Sメータも動作しており、リアパネルのゼロ調整はスムースに働きます。 しかし、メータゲインは相当高いものです。 ゼロ調整をきちんとしておいても、AGC電圧が約-2Vでメータは振り切れてしまいます。 およそラボのバックグラウンドノイズだけで常時S9、放送局を受信すれば振り切れたまま針が動きません。
    Sメータは第2段中間周波増幅管のカソード電圧変化を、スクリーン グリッド電圧の分圧を基準にしてメータ表示します。 この管の各部の電圧も測定してみましたが、特に異常は見られません。 こういった特性なのだろうと思われます。
    1548kHzで連続送信している ラジオぬ〜ぼ〜 を受信すると、信号が強力すぎてAGCの効きが追いつかず、復調音が無音になります。 この場合はRF GAINを下げれば正常に受信できます。
    RF GAINコントロールのポテンショメータにはガリはなく、手入れをすることなくスムースに動作しました。

周波数変換段

    6AQ8による局部発振、6BE6による混合という構成はHE-80と全く同じ。 ただしこの2球は、独立したヒータートランスによって電源スイッチがOFFのときもヒーターが点火されたままとなり、 電源ON直後の周波数ドリフトを低減しています。 真空管の寿命と省エネを考えたら誉められた方法ではありませんが。 それに、真空管のヒーターをつけっぱなしにしたって周波数ドリフトがなくなるわけではありません。 実際に1日プラグを差し込みっぱなしにしておいてから帰宅してスイッチを入れてテストしたら、15MHz帯では電源ON後10分で5kHzもドリフトしました。 結局ウォームアップが必要なことには変わりがないのです。
    コンバータ ノイズは、HE-80と同様にかなり目立ちます。 これにより、微弱信号はノイズに埋もれがちになってしまっています。

コイル パックの調整

    バンド切替スイッチは比較的良い状態で、接触不良はほぼありません。 ダイヤルにはさほどの狂いはありませんでしたが、シグナル ジェネレータを使って各バンドの再調整を行っておきました。 感度はほぼベストと思われる状態になりました。

SSB受信を試す

    14MHzのSSBを受信してみました。 SSB/CWでは受信感度があまりよくないように感じます。 強力な局を受信すると音声のピークがつぶれてしまうので、MVCポジションにしてRFゲインを絞る必要があります。
    プロダクト検波の音声出力は、6BE6のプレートから10kΩと0.005μFを介して取り出しています。 この出力はモードスイッチを通り、初段低周波増幅管に伝えられます。 この0.005μFの取り出し側の波形を観測してみたら、DC電圧が22V程度も出ています。 そのまま連続して使用していたら14Vまで低下したものの、明らかに0.005μFのリークです。
    Nichicon 0.005μF 600WVを取り外し、代わりに新品の0.0047μF 250WVに交換しました。 DC電圧はもちろん消えましたし、音声信号のピークの顕著なつぶれが見られなくなりました。 結果として、SSB受信時もAVCポジションにしてAGCを使えるようになりました。

    AGCを使える、とはいっても、SSBでは波形ピークにくらべ平均パワーは低いためAGC電圧があまり出ず、 強めの信号では波形ピークで中間周波増幅段がオーバーロードとなり音が歪んでしまいます。 強力な局の信号を満足できる音質で復調するためには、やはりRFゲインを絞る必要があります。 改善するためにはSSBの特性を考慮したAGC回路が必要ということでしょう。
    アンテナを接続せずにBFOピッチ コントロールをセンターに近づけると、 中間周波増幅段にBFO信号が出て、Sメータが反応するのが認められます。 また、BFOをセンターにすると軽い発振状態となります。 ただし、この傾向はHE-80に比較するとかなり軽微で、BFO回りこみ対策の効果が出ているものと思われます。

    SSB受信はBFOの周波数調整やMVC調整など相互作用があり手間取りますが、 いったんベストなBFO位置を見つけてしまえば放電安定管のおかげでチャープは気にならず、 3.5MHzなら周波数ドリフトも許容できるレベルで、夜のOMさんのラグチューを楽しみながら聴くことができます。 現状 AGCを使ったほうがSSB受信音質が良い(低域が豊か)のですが、この理由は不明。

    CWを受信する場合、AVCポジションでは受信音がチャーピーになります。 また、BFOピッチ コントロールがセンターに近い場合は受信音は濁りがちになります。 そこで、MVCポジションにし、BFOピッチをある程度センターから外した状態で使うことになります。
    CW受信では選択度確保のためにQマルチの助けが必要ですが、現時点で動作はしているものの効きは今ひとつ。 再調整が必要かも。

    HA-230と同様の局発管ヒータ常時過熱の大技は、やはり効果はさほどありません。 7MHz帯でも、一晩ヒータ通電しておいていてさえ、電源投入後15分はドリフトのためにバンドスプレッドから手を離すことができません。


ひとつおぼえ

    さて、Nichiconのキャパシタが2個顕著なリークを示していましたから、他のものも交換してしまいます。 まずはAM検波出力の直流阻止。 強力な信号のとき、出力側には検波後の直流分がほぼそのまま出ていました。 増幅管のグリッド電圧に悪影響を与えていたはずです。 交換してOK。 つぎにAGCフィルタの0.05μF。 交換したらAGC電圧がわずかにアップ。 テスタで確認したらやはりリークしていました。 AC電源ラインのノイズ吸収用0.01μFは、顕著にリークすれば発火の危険性もありますので松下の250WV品に交換しました。 テスタで確認するとやはり2MΩ程度のリークがありました。 オーディオ出力トランスの1次側パイパス用0.005μもまたリークあり。 交換しましたが、音質の変化は感じられません。

    どれも受信機を止めるほどの故障ではありませんでしたが、結果として全数がリークを示していました。やはり無条件交換対象品です。

AM音質

    さてここまで調子が良くなってくると、やはりHE-80と同様にAM受信音質がいまひとつであることが目立ち始めました。 シグナル ジェネレータからの安定した信号では復調音声波形は正常、 ラジオぬ〜ぼ〜 からのピアノ音楽放送もいい音。 でも短波で実際の国際放送を聞くと、音がかなり悪いケースがあります。 どうも変調が深い場合に復調波形の頭打ちが顕著なようです。

    HE-80と同様な音であることを考えると、故障というよりこのモデルの特性なのかもしれません。 JR-60をお持ちの方、皆さんの機械はどんな様子かお教えいただけないでしょうか・・・・。



クリコンを洗う

    6m受信用クリスタル コンバータは一枚のプリント基板にきれいにまとめられています。 基板は他と同様にかなり汚れてしまっていました。

    HE-80の時は時間をかけて綿棒とセーフ・ウォッシュで清掃しましたが、今度はシンプルグリーンと超音波洗浄機を使用してみました。 基板を取り外し、また水や振動に弱そうな部品は超音波洗浄機に入れる前に取り外しておきます。 今回は水晶振動子とコイルボビンをひとつ、事前に取り外しておきました。結果はご覧の通り。 1〜2時間はかかる綿棒作業がコーヒーを淹れている間に完了しました。

    シンプルグリーンは強力な洗浄力のわりに素材へのダメージが比較的少ない洗剤ですが、 元来電子部品用ではありませんし、全く安全なわけでもありません。 写真では、コイルのエナメル皮膜が変色していることがわかります。 また、よく洗浄しても表面に残渣が確認できるので、精密接触が必要な部品の場合は要注意です。


    いずれにしても、電子部品を水洗いするのは本来は誉められたものではありません。 現代のプリント基板回路製造工程では洗浄液による洗浄工程が入る場合がありますが、 その際は使用する全てのコンポーネントは洗浄可能であることがメーカーによって保証されていなくてはなりません。 最近ではフロンやメチレンクロライドなどの物質が使用規制を受けたために水洗浄を採用するようになっていますが、 コンポーネントへの影響を細心の注意で評価した上で実施されています。 洗うことなど考えられてもいなかった部品を家庭用洗剤で水洗いしドライヤーあるいは天日で自然乾燥させるなど、 本来は狂気の沙汰です。 あくまでも全てのリスクを自らが負う覚悟とアマチュア精神で行うべきです。

    いつぞやのハムフェアの出展ブースで、某有名レストアショップが 「雑誌に載ってた水洗いと一緒にされちゃ困る、ウチのはプロの仕上げだよ〜!」 と声を張り上げてました。 そんなんあたりまえじゃん、高い金を取っておいて水洗いだけじゃあサギだよな。
    我々は何しろ誇りあるアマチュアなのですから、胸をはって堂々と度胸一発洗っちゃえばいいのです。 こっちはいじるのが楽しくて、直すのが楽しくて、努力と工夫の成果 (時として負の成果!!) が現れるのが楽しくてこんなことをしています。 決して最初からピカピカのクラシックマシンが欲しくてやっているのではないのです。 そこんとこを勘違いしちゃあいけません。

    とはいえ、プロの仕事は本当に綺麗なんだよなあ。

    ・・・・・・・・・・・・・

    本機入手時には6BL8が欠品していました。 幸いラボにはオランダ製中古球の在庫がありましたのでこれを使い、50MHz帯受信機能をテストします。 が、相変わらず50MHz帯を発振できるジェネレータもアンテナもありません。 ジェネレータの高調波が受信できているのでなんとか動作はしているものと思われますが、性能のほどは全く不明。


あれれっ

    HA-225のダイヤルグラスのレプリカを製造したいのでガラスのイメージスキャンをとってくれないか、 との要望がありました。 お安い御用、と、フロントパネルの取り外しにかかろうとしましたが、 FUNCTIONのつまみが外れない! ネジが固すぎてネジ山を崩してしまい、 ええいとドリルでネジを削り始めたら逆に絶対抜けない状態になってしまいました。 頭に血が上り、冷静になってから「ごめん、こんなワケで無理だ」とメールの返答を書き、 そのまま意気消沈して、つまみが外れたままHA-225は棚上げにしてしまいました。

    それから5年経ち、外れたままのつまみを見つけ、せめてなくさないうちに組み上げてやろうとHA-225をベンチに乗せました。 5年ぶりに電源を入れると、ポテンショメータにガリが戻っていたり、バンド切り替えロータリースイッチに接触不良が出ていたりと、 さすがに多少ぐずっていました。 それが元に戻ると、HA-225はじゅうぶんに元気良く鳴り始めました。

    それじゃあ3,5MHzでOMさんの技術談義でも聞いてみようと思ったら、 やはりSSB/CWの受信性能の悪さが気になります。 もし現状がHA-225(あるいはJR-60系)の実力だとすると、 わたしがちょこちょこいじって良くなるものでもなさそうです。 が、無駄だとわかっていても試してみるのがアマチュア、なんだからいいよね。

    以前の作業内容をほとんど忘れていたためにこのページを読み返しながらいじり始めてみると、 あれえ? プロダクト検波回路に関する記述が何か変だなあ。 ・・・っと、ああっ、プロダクト検波管周辺の配線の様子を撮った自分の写真のコメントが間違ってる!! 6BE6と6AL5が入れ替わっていました。 いままで誰からも指摘はなかったけれどね。 自分で自分にハメられた・・・。


SSB/CW受信改善

    2007年09月、気を取り直して作業再開。 現状SSB/CW受信の最大の不都合は、 BFO信号が通過帯域に回り込んでしまい、AGCを効かせているとメータが大きく振れてしまうこと。 当然受信機のゲインは大きく低下しています。
    MVCポジションにしてAGCを停めて動作させる場合、RFゲインコントロールをハイゲイン方向に進めていくと、 あるところ以降で無音状態になってしまうため、本来の感度を得ることができません。

    9R-59ではBFOとQマルチを兼ねるコンセプトのために検波段以前でストレーでBFO注入しているのでこれは致し方ないですが、 HA-225では独立したプロダクト検波管とBFOを持ち、SSB/CW受信時にもAGCが使えるはずの回路構成なのに残念です。 し、HE-80に対してせっかくBFOをサブシャーシに実装したのに、その恩恵があまり感じられません。

    現状、BFDパワーは前述の通り80Vp-p。 いかにも大きすぎると感じられるので、 もういちどこのあたりから始めてみます。 BFOからの細い黄色のビニール線を6BE6の7ピンから切り離しても、 BFO信号の飛び込みがあります。 やはりBFO信号が中間周波数段に直接飛び込んでいるのでしょう。

    飛び込みの経路を想像してみると、
  • BFOサブシャーシからプロダクト検波管第3グリッドまでの5cm程度のビニール線からの放射
  • BFOサブシャーシからBFOピッチコントロールバリコンまでのシールド線からの放射
  • BFOサブシャーシからフロントパネルFUNCTIONスイッチまでのカソード配線
  • BFOピッチコントロールバリコン ステータからコイル パックへの静電結合
あたりでしょうか。さらに、
  • 電源のデカップリング不足で、B電源から回り込んでいる
というのもありかも。

    飛び込みの調査のまえに、現状のプロダクト検波回路に必要なBFOパワーを調べてみましょう。 本機のBFOを止め、外部シグナル ジェネレータをBFOとして使ってみます。
    本機のFUNCTIONスイッチはSSB/CWポジションにしたときにのみBFO管のカソードをグラウンドに落とし、 BFOが動作を開始するようになっています。 よってこの配線を一時的に切り離してしまえば、 プロダクト検波出力がオーディオアンプにつながれたままBFOの動作を止められます。

    外部BFOによる復調の場合、BFO注入は10Vp-pあれば良好に復調できることがわかりました。 6Vp-pでは復調音質の劣化が明らかです。 BFOレベルを高くしていっても、15Vp-p程度以上では変化が感じられません。 そしてこの状態だとBFO信号はSメータには現れず、AVCポジションできれいに信号強度に比例してSメータが動き、 良好に受信できます。 BFOレベルを適度に抑え、それが他に回り込まないようにすれば、SSB/CW受信は快適にできそうです。

    つぎに、オリジナルBFOの回り込みの要因を調べてみます。 プロダクト検波管までの黄色いビニール線を、いったんすべてBFOサブシャーシのなかに引き戻してみます。 これでも回り込むなら原因は別のところにあり、ということ。 [自分に忠告! 2007年11月現在 今もこのまま。]

    さてさて、期待は見事に裏切られ・・・しっかり回り込んでおり、 BFO注入接続がまったくなくても、しっかりSSB/CWの復調ができています。 オリジナルの状態に比べれば程度は軽減しているものの、Sメータも大きく振れています。

    回り込みによってすでに復調されているところにさらにプロダクト検波しているのですから、 位相のずれとかなんとかでワケわかんなくなって復調性能いまひとつ、も納得できます。 となると、やはり回り込みのレベルを下げてやらないといけません。 BFO管を発振させても全くSSBが復調できない程度にまで下げられればいいのですが。

    第2中間周波増幅管のグリッドをオシロで見てみると、BFO波形が見えていて、そのレベルは20mVp-p。 受信入力信号よりも強いレベルです (岩通SS-5702で観測)。
    第1中間周波増幅管のグリッドでは、ノイズにうずもれてBFO波形ははっはりとは見えず。 しかし混ざっていない、と明確には言い切れません。
    2本の中間周波増幅管6BA6へのB電源供給ラインを見ると、ACハムはありますが455kHzの信号は見えず。 電源から回っているのではないようです。
    AGCラインには455kHz成分は見えませんでした。
    BFOピッチ バリコンとコイル パックとの間にアルミホイルを入れてみても回り込んでいるレベルは変わらず。

    出直し。

    プロダクト検波管の1ピン、第1グリッドへのSSB入力をオシロでモニタしておいて、 どのステージから回り込んでいるのかを追ってみます。 標準(BFO出力ワイヤを切り離してサブシャーシに引っ込めた状態)でのBFO信号レベルは1Vp-p。

    ここで第2中間周波増幅管6BA6を抜くと、当然のことながらSSB入力は完全にフラット。

    第2中間周波増幅管を戻し、第1中間周波増幅管6BA6を抜くと、やはり完全にフラット。

    中間増幅ありに戻し、局発&カソードフォロワの6AQ8を抜くと・・・ 1.5Vp-pの455kHz信号が見え、 スピーカからはザーッというおそらく6BE6のノイズ。

    局発を戻して周波数変換管6BE6を抜くといったいどうなるのだろう? 答えは0.5Vp-p。あれえ、どういうこと?

    コンバータ直後の中間周波トランス1次側、つまり6BE6のプレートに入る側を短いジャンパーコードでショートしてみると、 0.9Vp-pが観測されます。わずか5cmのジャンパーコードですが、これが小さいループアンテナになっている様子。

    第一中間周波増幅管のコントロールグリッドへの短い配線を切ってみると、BFO混入はなし。 やはりT1 IFTあたりで拾っているようです。

    T1の1次巻線の1ピンは、周波数変換管のプレートにつながるとともに、Qマルチ接続線が延びています。 QマルチOFFのときは、この1ピンから5cm程度のワイヤが伸びた後0.005μFのセラミックキャパシタにつながり、 その反対側はQマルチスイッチでオープン状態。 この線をIFT側で切ってみると、プロダクト検波管入力で0.5Vp-pだったBFO混入が0.08Vp-pまで減りました。 約1/6です。
    つまり、QマルチOFFのときはこの配線は約7cmのワイヤーアンテナになっていてBFO信号を拾っているようです。
    しかし残念なことに、周波数変換管6BE6を挿し込んで動作させると、プロダクト検波管入力ではやはり0.8Vp-pほどあり、 あまり効果がありません。 [自分に忠告! 2007年11月現在 Qマルチ接続線は切ったまま。]

    BFO混入のレベルはどのバンドでも変わらず、アンテナを外しても変化はなく、 高周波増幅管6BA6を抜いても同じ、さらには周波数変換管のRF入力である第3グリッド(7ピン)をグラウンドに落としても変わりません。 このことから、455kHzのBFO信号を拾っているのは主として周波数変換管からIFT T1までの間だ、といえそうです。 455kHzに対して一番感度の高い部分ですから、言ってみればこれは当然ですね。

    さて、結局なんにもわかってないぞ。


HA-225 and HE-80 promise better SSB/CW reception than HA-230 by having independent product detector. HA-225 further improves it by shielded BFO sub chassis, using coaxial cables internally and tighter openings of the IFT mounting holes.

However the SSB/CW performance of HA-225 is still marginal, mainly due to the BFO signal leakage. The BFO signal should only be injected to the product detector, but it is also somehow picked up somewhere around the converter tube and the first IFT.

This causes self-interference of two different-routed BFO signal, resulted in poor SSB audio reproduction. Because the AGC circuit detects the BFO signal, it reduces the receiver's sensitivity.

Spending weeks to find out the exact mechanism how the BFO signal is fed into the IF chain, still no bingo.

The BFO frequency control is a small tuning cap mounted on the front panel. The connection between this tuning cap and the BFO sub chassis could cause the signal leakage (for the signal return path is chassis, common to the IF chain), but it has not been tested.

By disabling the internal BFO and using an external signal generator, it has been confirmed that 20Vp-p of BFO signal is sufficient for the product detector to effectively reproduce the SSB audio. This test resulted in far superior audio and favorable AGC operation.

Therefore it may be an option to build a solid state BFO circuit and hide it within the BFO sub chassis, however it should be the last resort.

つづく・・・


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Mar. 30, 2002 Created. The radio arrived, package opened. First powerup.
Apr. 08, 2002 Revised. Test and realignment was performed during the week. Performance became excellent.
Aug. 18, 2002 Reformatted. Improved compatibility among browsers.
May. 16, 2004 Reformatted.
Jan. 09, 2005 Reformatted. Made IE friendly.
Nov. 01, 2005 Unified storage location. Reformatted.
Sep. 27, 2007 Reformatted and updated. Restarted the cleaning.
Nov. 09, 2007 Updated, added English comment on the BFO leakage problem.