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Radio Restoration Projects

Lafayette HA-63A
General Coverage Shortwave Communications Receiver

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Lafayette HA-63A

    Lafayette HA-63A は7球スーパーヘテロダイン方式のゼネラルカバレージ短波受信機です。 1966年発売、定価60ドル。 世代的にトリオ9R-59と前後する受信機で、 私のこのモデルは欠品もなく外観は良好ですし、動作もします。 が、容易に想像できる大きな問題−感度が大変悪いのです。前のオーナーによってリキャップを含めたメンテがされているのですが、 何しろ7球(電源平滑は半導体ダイオードで行われていますから8球相当とも言えます)も使っていながら エコーフォンEC-1Aより感度が悪いのです。 また安定度も悪く、手放しでCWの受信を行うのはほぼ不可能です。 オーディオアンプなみに高域が伸びる音質のため、ノイズがひときわ強調されてしまっています。また外来雑音に対しても弱いようです。

    これが調整不足によるのか、なんらかのトラブルのためなのか。 安物メーカーのイメージが常につきまとってしまって評判のよくないラファィエット機とはいえ、 これはあのトリオ9Rファミリーのメンバーです。はたして性能改善はできるのでしょうか?

コントロール

本機のフロントパネルのコントロールを左から順に説明します。
ANL ON/OFF ノイズ・リミッタのON/OFFスイッチです。それなりに動作しているようです。
BAND SPREAD バンド・スプレッドです。糸かけ方式で、小型のバンドスプレッド・バリコン(TRIOのマークあり)を回すほか、 ダイヤルエスカッション左側の円形目盛り 盤を回転させます。手応えが軽すぎるきらいはあるものの、バックラッシュはほとんどなく操作は快適です。
FUNCTION OFF/REC/SEND/BFOのポジションを持つロータリー・スイッチです。 OFFで電源断、RECで電源ON。SENDでスタンバイ状態になり、BFOの位置ではBFOが作動してCWやSSBを受信できます。
スタンバイをロータリー・スイッチでやるのはどんなものでしょう。頻繁に使うものですから、スイッチがすぐ痛みそう。 実は背面にリモート制御用のコネクタがありますから、このスタンバイを使うことはあまりないでしょう。
AF GAIN 要するに音量調整です。
ANT TRIM アンテナ回路に入った360度回転のミゼット・バリコンを回します。使用するアンテナとのマッチングをとるために使われます。
BAND バンド切り替えのロータリースイッチです。シャフト全長は15cm以上あり、上等な作りのコイルセクションを貫通しています。
各バンドのカバー範囲は以下の通りです。バンドCとDは4MHzにわたるオーバーラップを持っています。

A : 0.55 - 1.6MHz
B : 1.6 - 4.8MHz
C : 4.8 - 14.5MHz
D : 10.5 - 31MHz
MAIN TUNING メイン・チューニングです。大きな減速比を持つ糸かけ式で、横行きダイヤル指針を動かします。 メイン・バリコンは松下製です。
AVC / MVC AGCのON/OFFです。MVCにするとSメータは動作を停止しますが、不思議なことに音量はたいして大きくならず、過大入力で信号が歪むこともありません。 おそらく完調ではないことの証拠でしょう。

問題点を確認

感度

    全般的に感度がかなり悪いものの、特にバンドD、 すなわち10.5MHzから31MHzをカバーする最も周波数の高いバンドがほぼ無音で、信号はおろかノイズすら聞こえません。 バンドC、4.5MHzから14.5MHzをカバーするバンドでは6MHz付近でそこそこ聞こえるものの、周波数によって感度のばらつきが大きくなっています。 バンドCについては高周波増幅段のトリマを少し動かしたところ感度がずいぶんよくなりました。やはり再調整が必要なようです。
    バックグラウンド・ノイズがあまり聞こえないことを考えると、局部発振の出力不足も疑ってみる必要があるかもしれません。

選択度

    9.835MHzのラジオ・ジャパンを受信してみると、すぐ隣の中国語放送がかぶってしまいます。 一方エコーフォンEC-1Aは両局をきれいに分離できます。 エコーフォンの選択度もたいしてよいわけではありませんので、 現状のHA-63Aの選択度はアマチュア無線受信などもってのほか、海外放送受信ですら落第です。 ラジオ・ネダーランドとBBCワールドサービスの英語放送を同時に聴くことができ、会議室モードの英会話ヒアリング強化マシンと化しています。

    受信音の高域がかなり伸びていることを考えると、中間周波トランスのアライメントの狂いの可能性もあります。

BFO

    朝の7MHz帯はラグチューするOMさんで賑わいますが本機ではある程度強い局になるとSSBの復調が困難です。 方式からして逆サイドバンド混信に悩まされるのは仕方がないにしても、BFOの出力が不足しているのではないかと思われます。

トラッキング

    バンドCで5MHzと10MHzのWWVを受信してみたところダイヤル指針位置はほぼ正確で、このクラスとしては合格です。

AGC


    小型のSメータは、強力なローカルAM局を受信すると確かにS9程度まで振れますから、AGCはそれなりに動作しているようです。

    AGCの回復時定数はかなり強く、いったん強い局を受信するとフルゲインになるまで結構時間がかかります。 私の好みとしてはもう少し早く回復して欲しいところです。

電源からのノイズの回り込み

    電源ラインからのパルス性ノイズ除去はエコーフォンより優れています。 エコーフォンはトランスレス方式のためこの手のノイズには弱く、ヨメさんがキッチンのディスポーザーを回すと猛烈なノイズを拾ってしまいます。 HA-63Aではほとんど気になりませんでした。

メカニカル・ハム

    電源トランスは明確な60Hzの振動を出し、ケース自体が機械的にハム音を出してしまいます。何らかの対策が望まれます。 電源トランスの1次側には100Vと117Vのタップがあり、北米仕様のため当然117Vタップが使われています。 このラジオを日本に持ってかえった際は簡単にAC100V仕様にできるでしょう。

低周波増幅段の予備実験

    低周波増幅は検波管兼用の6AV6 双2極・高μ3極管で行われ、ついで松下製 6AR5出力用5極管で出力されます。 回路図なしで簡単にテストできる事項として、低周波増幅段のテストを行ってみました。
    例によってCDプレーヤの音声信号をボリューム・コントロールのホット側に注入してみます。 すると、最大出力はやや控えめながら、音質は大変美しいことがわかりました。 低音はやはり頭打ちになってしまっているようで音楽用アンプとしては問題がありますが、短波ラジオ用としては申し分ないものです。

    前のオーナーはリキャップを行っていますが、おもにセラミック・キャパシタの交換です。 電源平滑用電解キャパシタや低周波段のチューブラ・キャパシタは製造時のまま。今後注意が必要です。
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回路図入手

    回路図付きオペレーション・マニュアルがmanualman 氏から届きました。 同氏はメモに、すべての HA-63A にはマイナーチェンジ前のモデルである HA-63のマニュアルが同梱されていたこと、 またHA-63 と HA-63A の相違はダイヤルノブ形状を含む外観のみであること、を書いてくれました。

    回路図から書き起こしたブロック・ダイヤグラムをここに示します。

    回路構成は高1中1のシングルスーパーです。 7球プラス半導体整流器を使用しているとはいえ、構成的にはエコーフォンEC-1Aに対して高周波増幅段が追加されているだけだ、とも言えます。 であればなおさら、エコーフォンよりも感度が良くて当然のはずです。 さあて、どこから調べようか・・・。
HA-63A Block Diagram

新兵器実戦配備!

    小学生のころ親父に秋葉原に連れていってもらって買ってもらったサンワのテスター。 新品の計測器としては実にそれ以来の、じゃーん、デジタル周波数カウンタ付きシグナル・ジェネレータがラボに配備されました。 台湾製の安物だけど。
    さて、このジェネレータでまず何をやろうかなあ、と考えて、HA-63Aをひっぱりだすわけです。

中間周波トランスの調整

    このHA-63Aはすでに記したとおり選択度が極めて悪く、 また最大の受信音量を得られるダイヤル位置がわずかに離れて2個所あることには気がついていました。 したがって中間周波トランス (IFT) のアライメントが狂っているのであろうと思われました。

    シグナル・ジェネレータを455kHzにセットし、出力レベルを最低に。 0.1μFのセラミック・キャパシタを通して、周波数混合管6BE6の第3グリッドに注入します。 スピーカ出力をオシロで見られるように用意しました。

    マニュアルに書かれているとおり、まず後段のIFTの下側、次に上側。つづいて前段のIFTの下側、最後にその上側の順番で調整していきます。 するとお見事、瞬く間にスピーカ出力は最初の10倍以上にもなりました。 手順を何度か繰り返し、調整終了。 試しに短波を受信してみると・・・国際放送帯で隣の局がきれいに分離できていますし、チューニングのセンターもはっきり出ています。 感度も目覚しく向上。 ローカルAM局ならボリュームコントロール20%程度で十分な音量が得られます。 やったあ。

ローカル・オシレータとアンテナ回路の調整

    次はローカル・オシレータのトラッキングと、アンテナ回路のチューニング。 マニュアル通りの手順で進めます。 当初からダイヤル目盛りに狂いはあまり見られませんでしたから、あまり効果ないかなあとも予想したのですが、 うれしいことに、調整が進むにつれ感度はさらに良くなっていきます。

    完了してみれば驚き。 いまやHA-63Aは元気いっぱいです。

BFO周波数の調整

    BFOポジションにしてみたところ、まったく動作していないことがわかりました。 マニュアル通りBFO周波数を調整してみたら、そもそも10KHz近くもずれていました。 逆にいえば、それだけ中間周波数が狂っていたということになります。

エコーフォン危うし!

    本日の作業はこれで終わり。 ケースを閉めて、さて実際に使ってみましょう。 バンドAの中波では、最初はローカル局しか聞えなかったのに、いまでは数多くの局が受信できます。 バンドBでは 1600kHzの少し上にローカルコミュニティ放送、1680kHz 付近に音楽局。 そこから上は、いままではほぼ無音だったものが今度はダイヤル一面に空電が入ります。 バンドCでは5MHz程度の感度がやや劣るものの、以前に比べたら大幅に改善。 国際放送帯ではSメータが常時9+まで振れています。 バンドDの感度は依然良いとはいえませんが、それでも27MHz帯のCBが聞こえます。 総合的な感度はいまやエコーフォンを上回るほどです。危うし、エコーフォン!

完全復調は?

    10ドルのポケットラジオより感度が悪く、一時は見かけ倒しのゴミ呼ばわりされたこのラジオ、 いまではラボのメイン・レシーバの座を揺るがすまでになりました。 しかしながら問題はなくなったわけではありません。 もう少し選択度が良くあって欲しいところですし、なにより高音が出過ぎています。 これが単に低周波段の周波数特性のためなのか、選択度がブロードなためなのかは今後引き続き調査要。 いずれにせよ、長時間のバックグラウンド・リスニングは今のところエコーフォンに分があります(同じスピーカでテストしました)。 ということは、適度に押さえられた高音がエコーフォンEC-1Aの特徴なのかも。

    SSB復調はやはりうまく行きません。 強力な局に対しては復調困難、またそうでなくてもかなり音が歪みます。 AGCの戻りがかなり重いのも不満。キャパシタ容量変更でチューンし直したほうがよさそうです。 この辺の問題が解決できればおそらく常用リグになりそうです。 そうすれば今度はエコーフォンを分解してペイントし直す番だなあ、きっと。
HA-63A Internal View

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Nov. 15, 1998 Created.
Jan. 05, 1999 Revised.
Feb. 05, 1999 Revised.
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