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UIR-2000
Homebrew AM Hi-Fi Tuner - Unknown Origin
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5MK9の代わりに2A05シリコン整流ダイオードをつなぎ、
オーディオキャパシタ2個を新品交換したうえで電源投入。
じきにAMチューナは鳴りだしました。
うわーすげー高域が伸びてる。 テスト音源はいつもの C-Claysさんのアルバム "幻想天舞" からトラック3、 「Keep On Loving You」(原曲: 「リーインカーネイション」)。 ただし音はとても小さいです。 いま夢と時空の部屋ではTAPCO MIX60ミキサを使っていて、 モノラル入力チャネルにはレベル調整付きマイクプリアンプがあります。 音が小さければプリアンプゲインつまみをくるっと回せばOK。 とても便利。 2026-06-30 通電 動作開始 |
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フロントパネルのパイロットランプは6.3VACのヒータ電源で点灯されますが切れていました。
在庫の新品に交換。 |
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フロントパネルのマジックアイは6M-E10。
蛍光体はかなり劣化していました。
弱々しい光です。 パイロットランプが切れていたこととマジックアイの劣化が進んでいたことから、 この機械は「作ってみた、鳴った」で終わりにしたのではなく、 かなりの時間実用機として稼働していたのではないでしょうか。 |
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まずは音量が小さい原因を調べてみよう・・・
すると、おっと!
6AV6の3極管部は普通のカソード接地型アンプではなく、
カソードフォロワになっていました。 このため本機のオーディオ出力信号の電圧レベルはダイオード検波の出力そのままです。 そりゃ音が小さいわけだね。 |
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中間周波増幅管のスクリーングリッドバイパス/カソードバイパスキャパシタを交換。
調子は少し良くなりましたが、
さらにAGCフィルタキャパシタも交換したら大幅改善!
1mVのRF入力でばっちり。
5球スーパーに期待される感度が得られました! テスト音源はOrange Coffeeさんのアルバム、 "The Lounge Map 2 - afternoon tea set"からトラック2 「Cookie watch」(原曲: 「ほおずきみたいに紅い魂」)。 2026-07-01 |
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AGCフィルタキャパシタを交換して感度が大幅に改善されたら、
ダイヤル900kHz以下も聞こえるようになりましたが、感度は依然として悪いまま。
でも局発の発振レベルを見てみるとダイヤルの低い位置で発振振幅が低下しているというふうではありません。
やはりトラッキング不良のようです。 いじってたらしだいにダイヤルが渋くなって、 ついには全く回らなくなってしまいました。 バーニアダイヤルを取り外してみると、 渋くなったのはバーニアダイヤル。 バリコンシャフトはスムースに回ります。 2026-07-01 |
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ダイヤルの低い側で感度が大幅に悪い原因を探ります。
トラッキング調整を試みましたが正常な応答が得られません。
これはどこかが異常。
配線をノートにとりながらいろいろ調べてみると、
どうやらアンテナコイルが断線してるっぽいですよ? サーキットテスタでチェックすると、アンテナコイル2次側に導通がありません。 これじゃトラッキング調整も効かないはずだ。 し、SGをアンテナワイヤにつなぐよりも6BE6の第3グリッドに直結したほうが感度がいいというのも裏付けになっています。 アンテナコイルを取り外してチェックしてみると、 正常に導通があります。 おろ? なぜか取り外すときに直ったのでしょうか? アンテナコイル2次側グラウンド側配線は、 おそらくチョークコイル経由で中間周波増幅管のグリッドに落ちていました。 まずは問題を切り分けるために、 アンテナコイル2次側グラウンド側はシャシーグラウンドに落としました。 コイルにはしっかり導通があります。 なおこのため周波数変換管にはAGCはかかっていない状態になりました。 2026-07-02 |
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この状態で手短にトラッキング調整を行いました。
昨日まではうまく調整できませんでしたが、今回はしっかり反応があります。
結果、900kHz以下の感度が大幅に向上しました。 もともとの配線ではアンテナコイル2次側グラウンド側はチョークコイルでAGCラインにつながっていたのですが、 セレクタつまみ4段階目の時にそのチョークをショートするようになっていました。 この意図が皆目見当がつきません。 それに、その状態だとアンテナコイル2次側グラウンド側は高周波的にはグラウンドに落ちません。 ここにキャパシタが要るんじゃないのかな? やはりこのキカイは当時のオーナーさんがいろいろいじって試していて、 改造の途中で放り出したのかな? それとも単なるミス? [後日正解が判明] テストRF信号は生のJOAKと、 シグナルジェネレータで作った630kHz。 テスト音源はACCORD ON CODESさんのアルバム "Live 2023" からトラック3、 「Midnight quietness」(原曲:「亡き王女のためのセプテット」)。 2026-07-02 |
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バーニアダイヤルはどこで手に入れたものなのか在庫の中古品が別メーカーながら寸分違わず!
いったん分解して清掃しダイヤル目盛盤を入れ替えたうえで交換。 2026-07-03 |
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もともとついていたSELECTORつまみは明らかに1960年代の意匠のもので、
大きすぎることもあってフロントパネルの意匠バランスを崩してしまっていました。
なので、オリジナルのビルダーさんの想いとは異なってしまうかもしれませんが、
在庫の黒いつまみと交換。
年代は不明ですが、いいバランスになりました。 トラッキング調整を再度実施。 ダイヤル目盛ぴったりには合わせこめなかったけれど、 受信感度はベストにかなり近いところまで持ってこれました。 テスト音源は狐の工作室さんのアルバム "喫茶白玉楼" からトラック6、 「あしたも抹茶色」(原曲:「さくらさくら ~ Japanize Dream...」)。 ハイの伸びもすごいまま。ウインドチャイムの音色を聴いてみて! 2026-07-03 |
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IFT各帯域での聞こえ方の違い。 テスト音源は主旋律を琴やチャイムで奏でるパートをもちシンバルの刻みが明確なソースとして、 舞風さんのアルバム "東方幽靜響" からトラック4、 「夜桜街道 ~instrumental~」(原曲:「死霊の夜桜 / ゴーストリード」)。 2026-07-03 |
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高域の具合をスペクトルで見てみます。 テスト音源は舞風さんのアルバム "東方幽靜響" からトラック2、 「夜桜街道」(原曲:「死霊の夜桜 / ゴーストリード」)。 IFT帯域はMIDにセットしてあります。 6kHzを越えてようやく落ちはじめますが、 10kHz超え成分もばっちり入っているのがわかります。 2026-07-03 |
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FM放送の開始が遅れていた日本。
レコードはそうそう頻繁に買えるものではなかったから、
音楽を楽しむためにAMラジオの音質をよくしたい、
となるのは自然な流れだったでしょうね。
AMラジオ放送の広帯域Hi-Fi受信の試みは1955年のころだったらしいです。
この自作AMチューナもその頃に作られたのかなあ。
自分が生まれるよりも前の時代。 AMではいくらがんばっても音質面ではFMには足元にも及びません。 FM放送が始まったとたんにこんな手作りAMチューナは用無しになって捨てられてしまいそうですが、 でもこのキカイは大切に保管されていたのでしょうね。 2026-07-03 |
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広帯域の中間周波トランスを使い、
最新のゲルマニウムダイオードを使い、
高域フィルタを一切使わず、
カソードフォロワで出力する。
がんばって高域が伸びたf特の良いラジオが欲しかったのでしょうけれど、
高域を落とさないことが裏目に出て、このチューナはコンバータノイズがとても大きいです。 周波数変換段で発生するコンバータノイズはスーパーヘテロダイン方式のラジオの宿命ですが、 高周波増幅段を入れてミキサ入力を高く保てば、 コンバータノイズは相対的に小さくできます。 このチューナは強電界地域で使われたからさほどには気にならなった、とかでしょうか? ローノイズを求めるならば、 同じスーパーヘテロダインにするにしても、 コンバータノイズが特に大きいペンタグリッド管を使わず、 他励での3極管ミキサを使うアプローチもあったはずです。 当時はそこまで達していなかったのかな。 2026-07-03 |
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放送局に近くて信号が強く、他局からの近接混信妨害がすくない良い環境ならば、
スーパーヘテロダインではなくてストレートTRF構成にしてもよかったのかもしれません。 右の画像は1955年4月の雑誌記事で紹介されている「最新の」Hi-Fi AMチューナ。 スーパーヘテロダインではなく、高周波2段 + 2極管検波 + 低周波1段増幅の構成です。 TRF受信機では再生回路を用いて同調回路のQを高めて選択度を確保しますが、 このチューナではQマルチプライヤは使わず、 4連の同調回路で選択度を確保しています。バリコンも4連!! 受信機のアーキテクチャとしては、1920年代末期のブレッドボードラジオの時代までさかのぼった、 古代文明の再来ともいえます。 復調音声の高域を減衰させないということと近接周波数の混信を排除するというのはまったく相反すること。 このチューナはひとつのアプローチを突き詰めた結果のプロダクトということになりますが、 このチューナをいい音で鳴らすにはかなり恵まれた受信環境に住んでいる人だけ、 ということだったはずですね。 なお右図のチューナにおいてAM検波・低周波増幅に使われている6AT6は、6AV6とピン互換。 プレート電圧250Vでの3極管部相互コンダクタンスは6AT6が1200マイクロモー、 6AV6が1600マイクロモー。 6AV6のほうがひとまわり高増幅度です。 幣ラボでは コリンズ75S-1 のAM検波・AGC電圧発生・初段低周波増幅に6AT6が使われています。 |
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このAMチューナに使われてるAM検波用ダイオードは OA79。
FM検波用に開発されたゲルマニウムダイオードで、上市は1956年とのこと。
マーキングが不鮮明ですが、下段の文字は "National" のように見えます。
このダイオードが国産品で松下電器製だとすれば、
同社のゲルマニウムダイオード生産開始は1957年とのことですので、
このチューナが作られたのはそれ以降。
1958年頃に作られたのだとしても、
当時最新鋭の (そしておそらく高価な) デバイスを使ったということになります。 1957年末に日本でもFM試験放送が開始され、 1958年にはメーカー製FMチューナが日本国内で発売されています。 これ以降はAMのHi-Fi化の熱は冷めていったはずです。 しかし東京でFM試験放送が始まっても出力は1kWに過ぎませんでした。 地方都市では受信できなかったろうから、 1960年に入っても地方のオーディオファンはAMのHi-Fi受信にひきつづきチャレンジしていたのかもしれません。 そして地方都市ではAM電波も強くはないから、 受信部はスーパーヘテロダイン一択だったのでしょう。 本機に使われている部品や配線材料などは、 1961~1963年ころのもののようにも見えます。 「すでにFM放送は始まっていたが地方ゆえに受信できず、 悔しい思いをしながらAMのHi-Fi受信にひきつづきチャレンジしていた」 時代の作品なのかもしれません。 2026-07-04 |
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ということで本機の回路図を書き起こしました。
オリジナル機に対して、オイルキャパシタを全数フィルムキャパシタに新品交換、
整流管5MK9の代わりにシリコンレクチファイヤを使用、
アンテナコイル2次グラウンド側をシャシー直結に変更。 本機はオーディオパワーアンプを内蔵していないということもあり、 電源平滑は2段でシンプル。 電源平滑電解キャパシタは当時モノをそのまま使っていますが、 ハムは全く出ておらず。 優秀なキャパシタです。 |
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AM Hi-Fiチューナは本来の性能を取り戻しました。
FM放送開始以前は現代ではとても許されないような帯域幅で「Hi-Fi放送」を行っていたこともあったそうで、
そんなときにこのチューナは真価を発揮したでしょう。
けれど、9kHzセパレーションの現代のAMラジオ放送では送信側でしっかり帯域制限をかけています。
受信側でいくら広帯域にしたところで素晴らしい高音域が楽しめるなどということはありません。
いまは帯域が制限されている条件下でいい音で聴いてもらうため、
聴感補正の処理が行われているとのこと。
なんにしても、
現代の実際のAM放送を受信する限り、
このチューナの持つ広帯域特性は何の役にも立ちません。 シグナルジェネレータを使えば帯域幅制限などお構いなくHi-Fi AM信号を作ることができます。 ですが、ラボのシグナルジェネレータ SIGLENT SDG2122Xのは外部信号AM変調は、 どうやらアナログ音声信号をデジタルサンプルして変調を掛けていると見えて、 変調音にデジタル歪がけっこうはっきり出てしまいます。 とくに静かなピアノソロではほぼ致命的な音の悪さ。 なので、AM受信機の音質評価には向きません。 PLL故障中で戦力外になってる目黒測器MSG-2161はアナログ変調なのですが、 AMでは変調度50%までしか上げられず、 かつ入力信号に帯域フィルタを掛けてしまうため、これもHi-Fi AMは楽しめません。 2026-07-03 |
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というわけで、怪しい中華製のAMトランスミッタを買いました。
低価格品は見るからにトイレベルのものだったので、
ひとまわり真面目に作っているように見える製品を注文。
価格4500円。
ジャンク市チューナの倍以上の値段だぞ。 届いたAMトランスミッタをテスト。 キャリア発振はLC、 同調はポリバリコン、 変調もアナログ。 ですが回路構成は Ramsey AM-1 などよりははるかに高級です。 セットアップして試すと、 おお! じゅうぶんにいい音でAMが出てる! ピアノソロの、音が静かに消えていく部分もとてもきれい。 これは嬉しいなあ。 テスト音源は As/Hi Pianoさんのアルバム "七夕坂夢幻能の主題による小曲集" からトラック8、 「第1番 前奏曲 変ロ短調」 (原曲:「七夕坂に朝が来る」)。 2026-07-07 中華AMトランスミッタを使用 |
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AMラジオでキラキラした音がとてもキレイな曲を楽しみましょう。
チューナ帯域はMIDDLE。 テスト音源はOrangeCoffeeさんのアルバム "The Lounge Map Extra - night latte macchiato set" からトラック4、 「Sailing Night」(原曲:「幽霊客船の時空を超えた旅」。 正直、ハイが伸びすぎているので、 気持ちよく聴くためにはトーンコントロールの助けが必要ですね。 |
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もう一曲、ウインドチャイムのしゃら~ん☆がとてもきれいな曲を。
スペアナで見ると8kHz以上が主成分で、
10kHz以上をカットされてしまうAMラジオでは通常楽しめない音です。
チューナの帯域はWIDEにしています。 テスト音源はOrangeCoffeeさんのアルバム "The Lounge Map 2 - afternoon tea set" からトラック7、 「open the square box」(原曲:「少女秘封倶楽部」)。 2026-07-09 AM Hi-Fiを楽しむ |
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