Parallax BASIC Stamp 2 OEM
Single Board Microcontroller
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谷岡電子の8バンドグラフィックイコライザキットをもう1つ買おうと千石通商まで出かけましたが、まさかの売り切れでした。
あれまあ、今回はほかに何も買うつもりはなかったし、いろいろ見てまわるような時間は今回はないんだよなあ。
でもこのままでは交通費と貴重な時間がまったく無駄になってしまう。
で、秋月を見てみたら、ひと袋1000円でパーツ詰め合わせバッグが売られていました。
あれば便利と思っていたものも入っているし、面白そうなので2袋買いました。今回はこれだけ。
でも、いやあ楽しいな、何が入っているだろう。久々のわくわく感。 中央研究所に戻り中を見てみると、当然ながらまったく使い道のないものもありますし、同じ物が数多く入っているし、 袋ごとに中身はかなり違いますので、運不運は当然あります。 私にとっては大半は用途があるか遊べそうなもので、値段以上。これはいい買い物をした。 で、入っていたものの一つがParallaxのBASIC Stamp2 OEMボードキット。 こりゃいいや、 BASIC Stampはいつか試してみたかった し、これってParallaxオンラインショップでの定価は29ドル99セントだし、 パッケージにはその約3倍の9400円の値札シールが貼られていますから、これだけですごく得した気分です。 |
Parallax社
[外部リンク]
のBASIC Stamp 2
は、PBASICと呼ばれる特殊なBASICでプログラムが書けるマイクロコントローラモジュールです。
外形24ピンDIPの基板にPIC16C57cマイクロコントローラと周辺回路が実装されており、
PICマイコンにはPBASICインタプリタがあらかじめ焼かれています。
外部の開発ホストコンピュータからシリアル通信でプログラムをモジュール内のEEPROMに書き込みます。
PICマイクロコントローラのデバイスハードウェアをしっかり理解したうえでアセンブリ言語で書かなければならないI/Oルーチンを、
PBASICの1命令で簡単に呼び出せるので開発はとても楽。 BASIC Stamp 2 は初代BASIC Stamp に対して高速化とコードサイズ・メモリサイズ増強が行われたもので、1999年ころに市場投入された製品。 I/Oは16個の汎用入出力ポートで、これらはシリアル通信ラインとしても使えます。A/Dコンバータは内蔵していません。 プログラムサイズはおよそ500インストラクションまで、RAMはわずか32バイト、インタプリタの実行速度は毎秒4000インストラクション程度。 一般的な組み込みプロセッサに比べれば機能やパフォーマンスは大きく劣るものの、 考えてみればその程度の機能とパフォーマンスで十分に実現できる組み込みアプリケーションはとても多いです。 し、そのような小規模アプリケーションだからこそ、簡易言語でプログラムできるBASIC Stampは魅力です。 もし TDM850用ポジション&ハザードコントローラ の開発構想時にこのモジュールがあったら、ややこしいハードウェアを組まずにこれを使っていただろうなあ。 BASIC Stamp 2 はDIP24ピンの外形を持つモジュールですが、これと同等の機能をスルーホールプリント基板で実現したものが BASIC Stamp 2 OEM (以降OEM-BS2)。 BASIC Stamp 2 を24ピンモジュールとしてではなくて直接システム基板に組み込みたいアプリケーション開発者のために、 BASIC Stamp 2 のモジュール内回路を理解評価できるよう意図されたものです。 ボードの上にはBASIC Stamp 2 Interpriterと呼ばれる、DIP 28ピンのカスタムPICマイコン。 この中にPBASICのインタプリタが入っています。 アプリケーションプログラムは、ボード上のMicrochip社製 24LC16B 16kビットI2C EERPOMチップに格納されます。 ほかにボード上にはセラミックレゾネータ、3端子レギュレータと、トランジスタ3石でできたRS-232Cインターフェイス、リセット・スーパーバイザIC。 Parallax社のウェブサイトによればOEM-BS2には組み立て済み品とキット品があるとのことですが、 同社のオンラインショップではキット版のみが掲載されています。 |
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土曜日の夜、
TDM850用ポジション&ハザードコントローラ
の開発はひと休みして、OEM-BS2の組み立てで楽しむことにしました。
OEM-BS2はBASIC Stampを自社システム基板に組み込もうとしているエンジニア向けの評価用のはずですが、
添付の組み立てマニュアルは電子回路製作が初めてのビルダ向けに書かれていて、
ICソケットの向きだとか、抵抗のカラーコードの読みだとか、セラミックキャパシタには極性はないだとか、とても丁寧に説明されています。
組み立て作業に特殊な工程は不要で、基板も良質、すぐにきれいに組みあがりました。
PCBにはRev. A1の表示があり、また添付されていた組み立てマニュアルもRev. A1の表示。
いっぽうParallax社のウェブサイトに掲載されているマニュアルはA2。
なにかしら変更が入っているみたいです。
このRev. A1ボードではR3に"47k"とシルクが入っていますが、
同梱されている抵抗器は10kΩで、また説明書にも10kΩとあります。
R3はセラミックレゾネータ両端に入れる抵抗。
発振の安定化を狙ったのかな。 このボードはベンチ上でむき出し+空中配線での評価用として考えられているため、取り付け穴は用意されていません。 このボードそのもので実用化するならD-SUBコネクタでパネルに取り付けるようだな。 翌日曜日、マイコプラズマで発熱が3日も続いているポゴの様子を見ながら、 いよいよOEM-BS2を動かしてみることにします。 まずはホストコンピュータとの接続。 OEM-BS2と開発ホストはD-SUB9ピンのRS-232Cで接続されます。 Noobow9100D はRS-232Cインターフェイスは装備されていませんので、 すでに買ってあった秋月の FT232RL USB-シリアル変換モジュール を使います。 シリアル変換モジュールをUSBケーブルでNoobow9100Dにつないだら、 Windows7が自動的にデバイスドライバを探し出し、すぐに使用可能な状態になりました。 次はシリアル変換モジュールのD-SUB 9ピン オスとOEM-BS2のD-SUB 9ピン メスをストレートでつなぐケーブルが必要。 ずばりのものは手持ちになかったので、在庫の中古部品で手作りしました。 OEM-BS2を今回のお楽しみ袋に入っていたブレッドボードにこれまたお楽しみ袋に入っていた基板実装用ヘッダソケットを使って取り付け、 I/OポートのP0〜P3の4本に470Ωの抵抗を介して4つのLEDを配線しておきます。 Parallaxからダウンロードした開発ソフトウェア、 BASIC Stamp Windows Editor v2.5.2 をNoobow9100Dにインストール。 付属してきたサンプルプログラムのなかから TOGGLE.BS2 をロードして、RUNします。 すると、ほんの一瞬でプログラムはOEM-BS2に書き込まれ、即座にブレッドボード上のLEDが流れるように点灯しはじめました。 おお、完成! BASIC Stamp Windows Editor v2.5.2はWindows7日本語版ではエディタのフォント文字幅が詰まって表示されてしまい使いにくいです。 フォントサイズは調整可能ですが、フォントは選択不可能。 この辺なんとかならないかな。 お楽しみ袋には、OEM-BS2のほかにBASIC Stamp Super Carrier Boardも入っていました。 こちらはParallax社での販売価格は19ドル99セント、ですがプラスチックバッグには10200円もの値札がついています。 こりゃまたお買い得だった! でもこれはBASIC Stamp 1 および BASIC Stamp 2 用のボードで、BASIC Stamp自体は付属していません。 BASIC Stamp 2 はParallax社の販売価格は49ドル。 う、これはちょっと手軽にという値段じゃないな。 今後BASIC Stamp 2 モジュールを使うアプリケーションのニーズが出てきたら、 そのときにモジュールを買ってこのボードを使うことにしよう。 |
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