HOMER 2SP-211
2 Transistor Reflex AM Radio Receiver Kit
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学研マイキット80
でラジオを含むいろいろな回路を実験し、
トランジスタ回路の部品やその機能がだんだんわかってきました。
近くの電器店で買ったはんだこて、親父が会社の廃棄品をもらってきてくれた古びれたラジオペンチ、
街中の金物屋で買ったドライバーセット、秋葉原の露天商から買った小さなテスター。
機材もだんだんそろってきました。
もうはんだ付けキットにチャレンジできるはずだ。
そう考えて隣街の模型屋に出かけ、買ったのがホーマー2SP-211。 家についてすぐ、はやる気持ちを必死に抑え、まずは 組み立て説明書 をじっくり読みました。 回路動作の説明はだいたい理解できるし、部品の判別や組み立ての方法はすべてわかります。 これなら大丈夫だろう。 トランジスタのはんだ付けには大きすぎる60Wのこてを買ってしまったこと、 トランジスタやダイオードは熱に弱いのではんだ付けは手早くやらなくてはならないこと、 を自分に言い聞かせつつ、初めてのプリント基板の実装にチャレンジしました。 組み立てが終わり、取り付け間違いがないことをチェック。 電池をつないでスイッチを入れると・・・かすかなサーッというノイズは出るもののラジオは聞こえてきません。 すぐに電池を外し、はんだ付けを再度目視チェック。 すると、2SAトランジスタのエミッタがイモはんだになっていることに気がつきました。 トランジスタのはんだ付けは手早くというプレッシャーが強すぎて、 溶けたはんだが十分に流れないうちにこてを引いてしまっていました。 そこを再度はんだづけし直したら・・・NHKラジオ放送が大きな音で鳴りだしました!! 1974年06月29日。 11歳の私にとってとてつもなくビッグなエポック・デイになりました。自分一人でラジオを組み立てられたよ!! |
HOMER 2SP-211は、トランジスタ2石とダイオード2個を使った、
スピーカ内蔵ポケットAMラジオのキットです。入手時の購入価格は1700円でした。
バリコン、スイッチつきボリューム、
2つのオーディオトランスとセラミックキャパシタがひとつ、
そして高周波チョークコイルはすでにプリント基板に取り付けられていますが、
そのほかの電子部品はビルダが自分ではんだ付けして組み立てます。 回路は2石レフレックスで倍電圧検波。 単ポリバリコンとフェライトコアバーアンテナコイルで同調された目的の信号はまずPNP型高周波用小信号トランジスタ、 2SA100で高周波増幅されます。コレクタからセラミックキャパシタで取り出された高周波信号は、 二つのゲルマニウムダイオードで倍電圧検波されて音声信号が取り出され、 再び2SA100のベースに戻されて低周波増幅されます。 このため、2SA100は2回 増幅器として使われます。 2SA100のコレクタから高周波チョークを通過して取り出された音声信号は段間結合トランスを通り、 ふたつめのトランジスタ2SB176で低周波出力増幅され、スピーカを駆動します。 説明書によれば無歪最大出力は30mW。 プラグをさしこむとスピーカが切れるイヤフォンジャックを持ちます。このジャックはφ2.5mmのモノラルプラグ用です。 筐体はご覧の通りのたいへんすっきりした美しいデザインで、 パンチメタルのフロントパネル、アルミインレイのダイヤルエスカッションやエンブレムの造りも立派で、 子供のおもちゃには見えません。 大手メーカーの量産モデルと言っても疑われることはないでしょう。 ケース上面にはイヤフォンジャックとアンテナターミナルがあります。 たった2石といってもレフレックス式の本機は結構高感度ですが、 山間地など電界強度が低いところでは適宜外部ワイヤーアンテナで感度不足を補えます。 キットにはマグネチックイヤフォンが付属していましたが、これは失われてしまいました。 |
Homer 2SP-211 Assembly Manual |