Go to NoobowSystems Lab. Home

Return to Books That Stack

X-Planes at Edwards
X-Planes at Edwards

Steve Pace

(1995)
Motorbooks International Publishers & Wholesalers
ISBN 0-87938-985-0
フライト・テストの聖地

    ネバダに接するカリフォルニア州のモハベ砂漠に位置する ムロック・ドライレイク は、熱く、乾いていて、ただひたすら平らで何もない、荒涼とした大地。 1933年、誰も住まないこの土地は軍の航空機の爆撃訓練所として使われ始めました。 第二次世界大戦が始まると、ムロックには全長650フィートの実物大の帝国日本海軍巡洋艦のモックアップが作られました。 「ムロック丸」と名づけられたこの木造の巡洋艦は航空機の艦船攻撃訓練目標として使われたのです。 その後ムロックの一部にムロック・フライト・テスト基地が作られ、その後空軍基地となり、1950年にエドワーズ空軍基地と改名されました。 エドワーズの名前は、1948年にノースロップYB-49フライング・ウイングのテスト中に事故死した Captain Glen.W.Edwardsにちなんでいます。
    快晴つづきの天候とひたすら平坦なドライレイクは、いつでもどこにでも不時着できるためフライト・テストには絶好の場所であり、 したがってエドワーズはフライト・テストの聖地となりました。 じつに様々な航空機がエドワーズで初飛行を行いました。 航空史に新たな1ページが書き加えられるとき、それはたいていエドワーズで起こったのです。

X-Planes at Edwards

    全カラー印刷96ページのこの本は、エドワーズを飛んださまざまな航空機を年代順に、大きく5つのチャプターに分けて紹介しています。 基本的には1ページに1機、大きなカラー写真とその機体の解説が書かれて おり、章を通じてエドワーズの歴史や重要なイベントが掲載されています。 ただし登場するそれぞれの機体の登場する順番は必ずしも初飛行の年代順ではなく、各章のストーリー立ての関係で多少前後します。 目玉の航空機は・・・

Chapter 1: The Jet Age: the 1940s and 1950s

    1942年のアメリカ初のジェット機XP-59A、F-100からF-106までのセンチュリー・シリーズ、 極超音速機X-15やノースロップYF-5A フリーダム・ファイターが目を引きます。

Chapter 2 The Rocket Age: the 1960s

    ここの目玉は月面着陸機のテストベッドLLRV、超音速偵察機ロッキードYF-12Aと超音速爆撃機 ノースアメリカンXB-70Aバルキリー 。 特にバルキリーに関してはパイロットの寄稿が2つ掲載されており、 とくにノーズギアドアがジャムを起こして前輪を格納することも出すこともできなくなった故障の記述はスリリングです。 バルキリーは機首が極端に長いので、前輪が出ない場合はパイロットは機体を捨てて脱出するしか選択肢がありませんでした。 非常措置として地上のエンジニアからギア制御リレーパネルの一部の回路をショートするよう指示されたパイロットは、 飛行日誌を挟んでいたペーパークリップを使って制御回路を騙し、無事ギアダウンさせることに成功しました。 5億ドルの機体は一個のペーパークリップで救われたのです。


NASA DFRC
Chapter 3: The Lifting Bodies: the 1970s

    チャプター3は1970年代のリフティング・ボディ。 最大のイベントはオービター滑空性能評価用のスペースシャトル、エンタープライズの滑空テスト。 エドワーズは実際のスペースシャトルオービターの着陸にも使われました。 F-15、F-16、F-17、B-1Aなど現代のモデルもこの時期に登場してきます。

Chapter 4: Concurrent Technologies: the 1980s

    1980年代、航空機は新素材とコンピュータ シミュレーションそれに電子制御の進歩の大きな恩恵を受けます。 このチャプターの目玉はHiMATと X-29FSW 。 それって本当に飛ぶの? の質問に対する答えは、いつもエドワーズで得られてきたのです。

Chapter 5: Past, Present and Future: Toward the Unexplored

    このチャプターではエドワーズにあるNASAのドライデン フライト リサーチ センターの解説がなされています。 YF-22、YF-23のATF機コンペティション、B-2Aスピリット、F-117Aナイトホーク、X-31EFM、 それに研究用としてひきつづき使用されているSR-71AとSR-71Bが掲載されています。

SR-71A & SR-71b
DFRCのハンガーで整備中のSR-71BとSR-71A(手前)。 写真では見えませんが、SR-71Aには実験用のリニアスパイク・エンジンが背中に搭載されています。 1998年撮影。


もう一度行きたいなあ

    ああ、もう一度エドワーズ行きたいなあ。 訪れた日はサンクスギビングデーで、 DRFCのガイドツアーが終わりスーベニア・ショップに寄ろうとしたらサンクスギビングデーのため通常より1時間早く店じまい。 買い物ができなかったのです。 いつかもう一度いく機会が訪れるまで、仕方がないのでこの本と、エドワーズ空軍基地内の航空博物館で買った "First Flight"というビデオ、それにSuperSonicというエドワーズでの航空機の生録サウンドを聴いて我慢しているのです。



Return to Books that Stack
Return to NoobowSystems Lab. Home

Copyright (C) NoobowSystems Lab. San Jose, California 1998.
Copyright (C) NoobowSystems Lab. Tomioka, Japan 2003, 2004.

http://www.noobowsystems.org/

No material in this page is allowed to reuse without written permission. NoobowSystems has no business relationships with the companies mentioned in this article.

Mar. 20, 2004 Puiblished.
Sep. 24, 2004 Reformatted. (Corrected IE compatibility.)
Oct. 10, 2005 Added a link to the "1000 California Place Names".