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Steve Pace (1995) Motorbooks International Publishers & Wholesalers
ISBN 0-87938-985-0
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全カラー印刷96ページのこの本は、エドワーズを飛んださまざまな航空機を年代順に、大きく5つのチャプターに分けて紹介しています。
基本的には1ページに1機、大きなカラー写真とその機体の解説が書かれて
おり、章を通じてエドワーズの歴史や重要なイベントが掲載されています。
ただし登場するそれぞれの機体の登場する順番は必ずしも初飛行の年代順ではなく、各章のストーリー立ての関係で多少前後します。
目玉の航空機は・・・ Chapter 1: The Jet Age: the 1940s and 1950s 1942年のアメリカ初のジェット機XP-59A、F-100からF-106までのセンチュリー・シリーズ、 極超音速機X-15やノースロップYF-5A フリーダム・ファイターが目を引きます。 Chapter 2 The Rocket Age: the 1960s ここの目玉は月面着陸機のテストベッドLLRV、超音速偵察機ロッキードYF-12Aと超音速爆撃機 ノースアメリカンXB-70Aバルキリー 。 特にバルキリーに関してはパイロットの寄稿が2つ掲載されており、 とくにノーズギアドアがジャムを起こして前輪を格納することも出すこともできなくなった故障の記述はスリリングです。 バルキリーは機首が極端に長いので、前輪が出ない場合はパイロットは機体を捨てて脱出するしか選択肢がありませんでした。 非常措置として地上のエンジニアからギア制御リレーパネルの一部の回路をショートするよう指示されたパイロットは、 飛行日誌を挟んでいたペーパークリップを使って制御回路を騙し、無事ギアダウンさせることに成功しました。 5億ドルの機体は一個のペーパークリップで救われたのです。 |
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Chapter 3: The Lifting Bodies: the 1970s チャプター3は1970年代のリフティング・ボディ。 最大のイベントはオービター滑空性能評価用のスペースシャトル、エンタープライズの滑空テスト。 エドワーズは実際のスペースシャトルオービターの着陸にも使われました。 F-15、F-16、F-17、B-1Aなど現代のモデルもこの時期に登場してきます。 Chapter 4: Concurrent Technologies: the 1980s 1980年代、航空機は新素材とコンピュータ シミュレーションそれに電子制御の進歩の大きな恩恵を受けます。 このチャプターの目玉はHiMATと X-29FSW 。 それって本当に飛ぶの? の質問に対する答えは、いつもエドワーズで得られてきたのです。 Chapter 5: Past, Present and Future: Toward the Unexplored このチャプターではエドワーズにあるNASAのドライデン フライト リサーチ センターの解説がなされています。 YF-22、YF-23のATF機コンペティション、B-2Aスピリット、F-117Aナイトホーク、X-31EFM、 それに研究用としてひきつづき使用されているSR-71AとSR-71Bが掲載されています。 |
DFRCのハンガーで整備中のSR-71BとSR-71A(手前)。
写真では見えませんが、SR-71Aには実験用のリニアスパイク・エンジンが背中に搭載されています。
1998年撮影。
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