Go to NoobowSystems Lab. Home

Go to Back To Life Again

Heathkit HD-16
Code Oscillator
(1967)

   


サンタさんの贈り物

    サンタさんがこんなものを贈ってくれました。 とてもかわいらしい、ヒースキットのコードオシレータ。 外観は年代相当の疲れが見られますが、スピーカグリルにもケースにも大きな傷はなく、1960年代のいい雰囲気を出してくれています。 サンタさんは接続用の標準ステレオプラグの新品2個もつけてくれました。 いまだに電信運用ができない私に来年こそはがんばれ、ということでしょうか、サンタさん?

    ヒースキットHD-16は、これからアマチュア無線をはじめようと思う人向けの、モールス信号練習用のコードオシレータ。 フロントパネルのKEYジャックにキーをつないで押下すると、ピーという音が出ます。 ヘッドフォンをつないで静かに練習することも、あるいは教室で大勢の練習生が同時に使用することも可能。 フロントパネルには発振周波数を変えられるTONEつまみと、音量を調整できるVOLUMEつまみがあります。 フロントパネルの傾斜した部分にはLIGHTスライドスイッチがあり、 これを上にセットすると、キーを押し下げたときに音がする代わりに上部の豆電球が光ります。 うん、 戦前のコードオシレータに比べるとずいぶん軽く小さくなった もんだ。

    本機の電源は発振回路用に9V積層乾電池を2個、豆電球用に単1乾電池1個を使います。 この時代のヒースキットは他のモデルの多くもたいていそうみたいですが、電池コンパートメントは持っておらず、 電池を入れ替えるためにはドライバを使って筐体を開けます。 HD-16の場合は底面に4本、側面左右に各1本、合計6本のマイナスネジを外して開けます。

    内部は右の写真でごらんのようなつくり。 フロントパネル側にすべてのコンポーネントが取り付けられています。 プリント基板は使われておらず、電子部品は3ピンのラグ板を使って空中配線です。

    ランプ点灯用の単1電池ホルダのスプリングはご覧のとおりにとても美しい青色に錆びていました。 電池から漏れた電解液はケース内部も多少犯していたようですが、 このプレゼントに添えられたサンタさんからの手紙には 「漏れた電解液は拭き取っておいたよHoHoHo」と書かれていました。

    発振回路に使われている電子部品は、周波数調整用ポテンショメータと音量調整用ポテンショメータのほかに、 空中配線されているトランジスタが1個と、キャパシタが1個、抵抗が2本、それだけ。 あれ、オーディオトランスが使われていないぞ?

    調べてみると、このトランジスタはゼネラル・エレクトリック社製のユニジャンクション・トランジスタ 4JX5E670 でした。 負性抵抗作動領域をもつユニジャンクション・トランジスタを使うと簡単に発振回路を構成することができ、 1960年代中盤にはホビイストが低周波発振回路を作るときの定番回路になりました。 このコードオシレータ、Heathkit HD-16が発売されたのは1967年。 まさにこの用途にとっての当時の定番回路だったわけです。 この後1971年になるとシグネティクスNE555が登場し、 ホビイストもアマチュアも、またコマーシャル用途にも幅広く使われていくようになるのはご承知の通り。 ユニジャンクション・トランジスタはひっそりと表舞台から消え去っていきます。

    ところでサンタさん、 私はモールスコードは子供のころから送信はできるんだけど、受信がとにかく苦手なのですよ。 このオシレータを使って送信の練習をする必要はないんです。 ですから・・・・ これを使って受信の練習をしますね。

    ヘッドフォン接続用ジャックの配線を変更し、 内蔵されている発振回路は切り離して、ジャックとスピーカを直結します。 サンタさんが一緒につけてくれた標準ステレオプラグを使って、片側は標準ステレオプラグ、反対側はミニステレオプラグのケーブルをこしらえました。 さらに標準-ミニのプラグアダプタを併用して、 単なるスピーカボックスとなったHD-16をベンチの上でサービスポジションになっている 八重洲FR-50 につなぎ、 7MHz帯を聴いてみます。 おそらく単調なビープ以外の音を出すのはこれがはじめてのスピーカは、 この口径とこのケースならたいていこんなものと思える音で鳴り出しました。 さあ、これで受信の練習に励もう。 あ、CQ DXを出している局がいるぞ。 コールサインは・・・うわあ、速くて1回じゃあ取れないよ・・・。

HD-16 Interior

    Interior of the Heathkit HD-16 Code Oscillator. All components are mounted on the backside of the front panel. No PCB is used. A transistor, two resistors and a capacitor is point-to-point wired.


HD-16 Battery Holder

    Battery holder is beautifully corroded.


Unijunction Transistor

    Unijunction Transistor 4JX5E670 made by General Electric is used in this code oscillator.




Go to Back to Life again
Go to NoobowSystems Lab. Home

http://www.noobowsystems.org/

Copyright (C) NoobowSystems Lab. Tomioka, Japan 2015

Jan. 24, 2015 Page created. The unit has been modified as an external speaker box. [Noobow9100D @ L1]
Jan. 30, 2015 Updated, typo corrected. [Noobow7300 @ L3]