高校のとき使っていたのはナショナルの6石スーパー。
ごく普通のAMポケットラジオでした。
新聞配達をしていたのでキャンプツアーはほんの数回しかいけませんでしたが。 大学に進み、初めての北海道ツアーのためにポケットラジオを新調することにしました。 人工ノイズのないアウトバックで短波を聞いてみたいから、今度は短波付きにしよう。 秋葉原に行ってみると、ナショナルパナソニックとソニーにちょうどよさそうなモデルがありました。 ナショナルのものはFM付きでしたが、今度は絶対にソニーを買おうと思っていたので、激しく葛藤しながらFMなしのソニーICR-4800を購入。 第1回北海道ツアーは連日の雨の中SP370でぐるっと北海道を一周、第2回はXT400で道央から道東へ。 でも三回目の北海道ツアーは直前に60日免許停止処分を受けてしまったのであえなく頓挫。 すると友人が、北海道行くからラジオ貸してくれ、と、ICR-4800だけが第3回北海道ツアーに行きました。 1994年にシリコンバレー勤務を命じられ渡米したときもICR-4800も持参。 渡米後最初の頃はラジオジャパンの日本語ニュースを聞くのが日課でした。 当時はインターネット普及開始以前で、 日本語ニュースを読むためにNIFTY-Serveなど商用BBSにTelnetで接続し、有料のニュースサービスを利用していました。 1997年頃にはインターネットのワールド・ワイド・ウェブが普及し始めていましたが、 無料で日本語ニュースを提供しているサイトはありませんでした。 海外出張時も、必ずICR-4800を持っていきました。 ホテルの客室でロッドアンテナだけではラジオ・ジャパンは雑音だらけでしたが、それでも日本語でニュースが聞けるのは大きな安心でした。 |
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乗り継ぎ空港で自分へのお土産に買った
デジタル表示のポケット短波ラジオ
やホームセンターの吊るしで売られていた短波ラジオ数種類と、
ICR-4800は私にとって唯一のポケット短波ラジオではなくなりました。
海外のホテルでもCATVで日本のテレビが見れたり、
インターネットで日本のニュースが読めたり、
さらにはなにより英語のニュースで全く不自由しなくなったので、
海外出張のときも短波ラジオは必須ではなくなりました。
昨年2015年には、とうとう空港のショップから短波ラジオは完全に姿を消してしまいました。
短波ラジオが海外を駆け回るビジネスマンの必須アイテムであった時代は完全に終わってしまったのです。 テレビのない第3研究所でときたまライブニュースを聞くのに重宝していたICR-4800は、 スピーカグリルの接着が弱くなってぽろりと外れてしまい、他の不急不要機材の箱に。 しばらく部屋の隅で埃をかぶりつづけていたICR-4800を久しぶりに手に取ると、 もうぼくの出番はないんだよね? と悲しそうな顔をします。 いやいや、なかなか時間が取れなかっただけだよ。 直してあげよう。 スピーカグリルは、本来はミッドシャーシの開口部と同じ形状にプレカットされた薄い粘着テープか、 あるいは均一にローラかなにかで塗布されたゴム系接着剤でとりついていたようです。 簡単にボンドで再接着しましたが、 グリルのパーフォレーションから接着剤がはみ出すし、 一部接着が完全でなくてビビリ音が出たりと、 完璧な素人修理になってしまいました。 あああ、ごめん。 |
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もうひとつのトラブルは、短波のバンドセレクタがスライドさせても効かなくなってしまったこと。
原因を調べるのにちょっと時間を要しましたが、
内蔵フェライトバーアンテナの固定が緩くなり、位置がずれたフェライトバーがセレクタレバーを横にずらしてしまい、
基板上のバンド切り替えスライドスイッチに正しくかみ合わなくなったためでした。
バーアンテナの位置を元に戻し、再組付完了。 外観は歴戦の勇士という雰囲気だけど、機能的にはパーフェクト。 元気に復活です。 あの地震のときには大混乱のなか中央研究所に向かう ティーディ の走行中ずっと情報を提供してくれたのは君じゃあないか。 最後に頼るのはきっと君だよ。 2016-01-31 フロントグリル接着 バンドセレクタスイッチ修理 |
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