本機のフロントパネルのコントロールを左から順に説明します。 | ||||||||||||||||||
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感度
全般的に感度がかなり悪いものの、特にバンドD、
すなわち10.5MHzから31MHzをカバーする最も周波数の高いバンドがほぼ無音で、信号はおろかノイズすら聞こえません。
バンドC、4.5MHzから14.5MHzをカバーするバンドでは6MHz付近でそこそこ聞こえるものの、周波数によって感度のばらつきが大きくなっています。
バンドCについては高周波増幅段のトリマを少し動かしたところ感度がずいぶんよくなりました。やはり再調整が必要なようです。
バックグラウンド・ノイズがあまり聞こえないことを考えると、局部発振の出力不足も疑ってみる必要があるかもしれません。 選択度
9.835MHzのラジオ・ジャパンを受信してみると、すぐ隣の中国語放送がかぶってしまいます。
一方エコーフォンEC-1Aは両局をきれいに分離できます。
エコーフォンの選択度もたいしてよいわけではありませんので、
現状のHA-63Aの選択度はアマチュア無線受信などもってのほか、海外放送受信ですら落第です。
ラジオ・ネダーランドとBBCワールドサービスの英語放送を同時に聴くことができ、会議室モードの英会話ヒアリング強化マシンと化しています。
受信音の高域がかなり伸びていることを考えると、中間周波トランスのアライメントの狂いの可能性もあります。 BFO
朝の7MHz帯はラグチューするOMさんで賑わいますが本機ではある程度強い局になるとSSBの復調が困難です。
方式からして逆サイドバンド混信に悩まされるのは仕方がないにしても、BFOの出力が不足しているのではないかと思われます。
トラッキング
バンドCで5MHzと10MHzのWWVを受信してみたところダイヤル指針位置はほぼ正確で、このクラスとしては合格です。
AGC
電源からのノイズの回り込み
電源ラインからのパルス性ノイズ除去はエコーフォンより優れています。
エコーフォンはトランスレス方式のためこの手のノイズには弱く、ヨメさんがキッチンのディスポーザーを回すと猛烈なノイズを拾ってしまいます。
HA-63Aではほとんど気になりませんでした。
メカニカル・ハム
電源トランスは明確な60Hzの振動を出し、ケース自体が機械的にハム音を出してしまいます。何らかの対策が望まれます。
電源トランスの1次側には100Vと117Vのタップがあり、北米仕様のため当然117Vタップが使われています。
このラジオを日本に持ってかえった際は簡単にAC100V仕様にできるでしょう。
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低周波増幅は検波管兼用の6AV6 双2極・高μ3極管で行われ、ついで松下製 6AR5出力用5極管で出力されます。
回路図なしで簡単にテストできる事項として、低周波増幅段のテストを行ってみました。 例によってCDプレーヤの音声信号をボリューム・コントロールのホット側に注入してみます。 すると、最大出力はやや控えめながら、音質は大変美しいことがわかりました。 低音はやはり頭打ちになってしまっているようで音楽用アンプとしては問題がありますが、短波ラジオ用としては申し分ないものです。 前のオーナーはリキャップを行っていますが、おもにセラミック・キャパシタの交換です。 電源平滑用電解キャパシタや低周波段のチューブラ・キャパシタは製造時のまま。今後注意が必要です。 |
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中間周波トランスの調整
このHA-63Aはすでに記したとおり選択度が極めて悪く、
また最大の受信音量を得られるダイヤル位置がわずかに離れて2個所あることには気がついていました。
したがって中間周波トランス (IFT) のアライメントが狂っているのであろうと思われました。
シグナル・ジェネレータを455kHzにセットし、出力レベルを最低に。 0.1μFのセラミック・キャパシタを通して、周波数混合管6BE6の第3グリッドに注入します。 スピーカ出力をオシロで見られるように用意しました。 マニュアルに書かれているとおり、まず後段のIFTの下側、次に上側。つづいて前段のIFTの下側、最後にその上側の順番で調整していきます。 するとお見事、瞬く間にスピーカ出力は最初の10倍以上にもなりました。 手順を何度か繰り返し、調整終了。 試しに短波を受信してみると・・・国際放送帯で隣の局がきれいに分離できていますし、チューニングのセンターもはっきり出ています。 感度も目覚しく向上。 ローカルAM局ならボリュームコントロール20%程度で十分な音量が得られます。 やったあ。 ローカル・オシレータとアンテナ回路の調整
次はローカル・オシレータのトラッキングと、アンテナ回路のチューニング。
マニュアル通りの手順で進めます。
当初からダイヤル目盛りに狂いはあまり見られませんでしたから、あまり効果ないかなあとも予想したのですが、
うれしいことに、調整が進むにつれ感度はさらに良くなっていきます。
完了してみれば驚き。 いまやHA-63Aは元気いっぱいです。 |
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