富山県小矢部市にあるヴォイス ミュージアムには、我々に豊かで楽しい生活を与えてくれている音と映像の歴史を振り返ることのできる実に数多くのコレクションが展示されています。エジソ ンの発明による電球･蓄音機・映写機、真空管の発達によって実用化され進歩していったラジオ・テレビなど、その技術とスタイルの変遷を知ることができま す。

    併設されているカフェでは蓄音機やオーナー手作りのアンプの音を聴きながらコーヒーを楽しむこともできます。

    このページではオーナーの藤原さんのお許しを得て、展示の様子をご紹介しています。

ヴォイス ミュージアムのラジオコレクションは、黎明期のブレッドボード機や各種のTRF機にはじまり、鉱石ラジオ、再生式、初期のスーパーヘテロダイン、オール ウェーブ機そして初期のトランジスタラジオに至るまでまさにラジオ技術の進歩を一望することができます。コンソール、テーブルトップ、ポータブルやポケッ トとスタイルもバラエティーに富み、フィルコ、ゼニス、ラジオラなどの外国製モデルに加え日本の大正期・戦前・戦中･戦後そして高度経済成長期を余すこと なくカバーしています。

1920年代ブレッドボード ラジオの代表、アトウォーター・ケント。美しいこのラジオに火が灯り、歌いだすのを実際に見て聴くことができます。	ヴォイス ミュージアムのラジオは、ごく一部を除きすべて修理済みで動作する状態にあります。各時代のスピーカのスタイルと使われている技術も見所。	入り口近くで出迎えてくれるのは、トリオ9R-4通信型受信機。

エジソンの電球は人類史上最大の発明のひとつです。ヴォイス ミュージアムでは、実際に点灯する光を見ながら電球の技術史を振り返ることができます。
電球の中に入れた電極とフィラメントの間で、接続されていないのに電流が流れる･･･エジソンのこの発見が、真空管の発明につながります。1920年代に入ると急激な技術革新がおこり、電気通信の時代がはじまります。

その開発の段階で、努力の末エジソンがたどり着いたのが日本の京都の竹から作ったフィラメント。有名な話ですが、まさか正真正銘の実物が輝くところをこの目で見られるとは！	古典管から送信管・ミニアチュア管まで、技術の歴史を雄弁に語る真空管の数々。

ヴォイス ミュージアムでは音声を記録し、美しい音楽を家庭で楽しむための技術の歴史を一望することができます。エジソンの蝋管にはじまり、各種の蓄音機の多くは実 働可能な状態にレストアされています。電気の助けを借りない全機械式の蓄音機が奏でる美しくて豊かな音を実際に聞くことができます。 展示棟に隣接したカフェでは、ビクター・クレデンサーや藤原氏手作りの300Bアンプの音を聴きながらコーヒーを楽しめます。

ニッパー君の数々。その誕生と歴史についても知ることができます。	蓄音機のターンテーブルに取り付けてテープを聞くことのできるアダプタを調整する藤原さん。	藤原さんの手作りのアンプやラジオが並びます。

展示棟でひときわ迫力あるのは実際に映画館で使用されていた映写機群。じっくり眺めることができませんでしたが家庭用テレビやビデオデッキも並べられています。スペシャル イベントとしてクリスマスの頃にはカフェの部屋で活動映画の上映会も行われるとのことで、ぜひ参加してみたいところです。

ハリクラフターズ初のテレビ受信機、T-54。1947製のこのモデルの実物を日本で見られるとは夢にも思いませんでした。同年代の通信型受信機のパッケージングで、家庭用というよりはプロ向けのスタイリングです。	T-54は7インチブラウン管をもち、真空管が22球使用されています。静電偏向式のこのモデルは、現状ではラスターが出ないとのこと。

付近案内図	ヴォイス ミュージアム パンフレット (1)	ヴォイス ミュージアム パンフレット (2)

高岡市立博物館 企画展 マイ・コレクション 家庭電化の移り変わり(1996年)  パンフレット	高岡市立博物館 企画展 音響文化の移り変わり (1997年) パンフレット