ICOM IC-T31
430MHz FM Handheld Transceiver
(1993) |
1990年台前半は携帯電話普及以前の時代であり、
某映画の影響もあってか、周囲の友人がアマチュア無線の免許を取って連絡の手段に使うことが多くなってきました。
その頃私の活動は林道ツーリングとエンデューロレースが主体で、
無線運用は全く行っていませんでしたが、
その仲間たちとアウトドアでの活動を行うことが多くなってきたので、
430MHz FMのハンドヘルド機を買うことにしました。
もともとローカルの連絡用としてしか考えておらず安価なものでよかったのですが、
せっかくなので144MHzも受信できるIC-T31を選びました。 当時 出かけた先でCQを出したり応答したりといった通常のQSOも楽しみましたが、 基本的にFM運用は専門外ですので交信局数はとても少なく、 ログに残っているIC-T31でのQSOは36局のみ。 うち7局はローカルラグチュー専門のクラブ仲間ですから一般交信はわずかに29局。 それでも岩手山の中腹からの交信では「とてもいい音ですよ」とレポートされたこともあり、 案外気に入っていました。 1996年にサニーベールのハムラジオ・アウトレットでアルインコのデュアルバンド機を買うまでの間、 お守り代わりにいつも持ち歩いていたような気がします。 |
米国での最初の一年は相互運用協定に基づく運用許可をもらっていましたが、
アメリカでの生活の安定化が優先、それになにより仕事が最高に楽しくて、電波を出すことはありませんでした。
その後もFCCライセンスを取ることはなかったため、
IC-T31はリピータワッチ専用機でした。 シリコンバレーのリピータにもやはり、無変調を掛けたり、卑猥な言葉を使ったり、妨害や嫌がらせをするバカがそれなりにいましたが、 「バカは相手にしない」がほぼ貫かれていて、オープンリピータとしては節度が保たれていたように思います。 気楽なラグチューの会話を理解するのはやはりチャレンジで、IC-T31はいい語学トレーニング機器でもありました。 このリピータ はデ・アンザ・カレッジのスポンサーシップを受けており、 スペースシャトルのミッション中はNASA TVの音声を中継してくれるので、 車で走りながらそれを聞くのも大きな楽しみでした。 それにしても、だれかがカーチャンクをすると時折応答するリピータの合成音声・・・
"FROM THE SIERRA TO THE SEA --- THIS IS K6FB REPEATER, P.L. IS ONE HUNDRED HERTZ"
はカッコよかったなあ。 いまではIC-T90があるのでIC-T31にはこれといった出番がありませんが、 しょっちゅう電池切れを起こすT90のバックアップ機としていつもラボの隅においてありました。 しかし最近、ほぼなにも聞こえず。 ひょっとして、またあそこかな。 クパチーノラボ時代の1996年08月05日、 本体内のアンテナコネクタ接続部の半田付けが外れ、 私よりも指先の器用な友人の助けを借りて半田付け修理をしたことがありました。 今回もSMBアンテナコネクタが緩むことが何回かあったので、 おそらく再発したのでしょう。 |
Solder joint of the antenna connector became loose.
This was the second repair; the first occurence was quite possibly caused by rough handling
of the U.S. custom inspection. The radio was packed with cushion towel, inside of a hard suitcase.
However its hard SMA antenna connector was cracked and bent.
Most likely the inspector dropped this radio to a hard floor.
|
本機は144MHz帯の受信機能を持っていますが、 ほとんど何も聞こえてきません。 谷あいの富岡でラバーダックだけならこんなものかな、としばらく思っていましたが、 そうではなくてどうやら故障しているようです。 近くで別の2mハンドヘルドをカーチャンクするときちんと聞こえているので、 アンテナ内部接続を修理したときに2m系のフロントエンドへの配線を痛めてしまって、 アンテナがつながっていない状態になっているかのようです。 また細かいものと格闘するのが億劫でそのままにしてありますが・・・。 |
本機を買って数ヵ月後 シリコンバレー駐在の辞令がおりました。
事前に現地に赴いて住居を確保することなしに、
日本での生活拠点を完全に消滅させてからアメリカにわたるというのは一大プロジェクトで、
あまりのあわただしさの中、IC-T31で交信した局へのQSLカードの発送もおざなりになってしまい、
一部の局には発送できないまま今に至ってしまいました。 そこで、いまさら大変失礼なことでありますが、 連絡をいただいた方にはQSLカードを(再)発行したく思います。 もし貴局のコールサインが右表の中にあり、当局7M3JCPとの交信記録があり、 7M3JCPのQSLカードを受領しておられない場合は、大変お手数ですが |
|