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今でこそエレクトロニクスはおよそ全て半導体技術の上に成り立っていますから、
わざわざ「トランジスタラジオ」なんて言い方はしませんが、
ベース技術が真空管からトランジスタに移行していく過程においては
トランジスタを使用した回路や技術を「固体でできている」という意味の「ソリッドステート」という洒落た形容がされていました。
この本は真空管を一切使用しない、すべてトランジスタによるラジオ回路技術のテキストです。
トランジスタやFETを使った発振回路・増幅回路などの基礎的な回路やミキサやフィルタなど無線通信に必要な回路が、
動作原理の数学的解析とともに解説されています。
必ずしもトランジスタに関係しない共振回路やフィルタ設計などもあり、
この一冊で無線通信機の主要な要素をすべてカバーしています。
基本的には大学の電子工学のテキストとして書かれたものであり、実際に回路や機器を製作したり修理したりすることではなく、
動作原理解説と回路解析および理論設計が主眼。
索引を含めて534ページあり、この本をマスターすれば50MHz帯のリニア アンプの設計もできるはず。
Yパラメータや複素数を含む数式が出たとたんに重くなってしまう瞼をどうにかできれば、の話ですけど。
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