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1930年代の半ばになって5ないし6球のスーパーヘテロダイン方式が主流になると、
実用的な家庭用ラジオがほぼ完成します。
機能面ではダイヤル盤・チューニングつまみ・電源スイッチ兼用ボリュームつまみ、
それにスピーカ・グリルを正面にもつ構成がひろく普及します。
一方ベークライトから始まったプラスチック材料の進歩は、自由な着色と木工では困難あるいは不可能な形状を可能にします。
大量生産によるコストダウンもあって、ここに百花繚乱のテーブルトップ・ラジオの黄金時代がはじまります。
この2冊の本はPhilip Collins氏と彼の仲間のコレクションによる、黄金時代のラジオの写真集。
サブタイトルは異なりますが2冊とも構成はほぼ同じ。
それぞれ119ページの本には基本的に1ページ1モデル、
1935年頃から1950年頃までのさまざまなラジオが大変美しい写真でずらりと並びます。
ぼんやりと浮かび上がるパイロットランプの暖かい光を再現するため、いくつかの写真は長時間露光されています。
本の印刷は日本と香港で行われており、したがって印刷品質も上等。
FadaやAddison, Emersonなどのメーカーのラジオを見ているとどれもしゃれた楽しいデザインでうれしくなります。
この時代のラジオの歴史については少し触れられていますが、
各モデルについての具体的な解説はほとんどなく、あくまでも見て楽しむ写真集になっています。
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