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Projects for Radio Amateurs and S.W.L.s Projects for Radio Amateurs and S.W.L.s

R. A. Penfold (C) 1992

Bernard Babani (Publishing) LTD
ISBN: 0-85934-249-2

£3.95

やっぱり英国の本は高いよ

    日本の文庫本よりちょっと大きい程度の薄いペーパーバックは全92ページ。 紙はアメリカのペーパーバックと同じで、質はよくなく薄め。 この本の重さはラジデパで配られている無料のラジデパ ショップ ガイドと大差なく、 ラジデパのガイドブックのほうが紙の質も印刷もはるかに上等。 にもかかわらず、この本の値段は約4ポンド・・・やっぱり英国は何にしても高いよ。


どれか作ってみよう

    この本は、基本的な電子工作の経験がある読者向けに、 アマチュア無線や短波放送受信に使える追加機器のアイデアを紹介しています。 章立ては大きく第一章の高周波・中間周波回路に クリスタル キャリブレータ、外付けBFO、アクティブアンテナなど数種類のプロジェクト。 第二章の低周波回路にはオペアンプによる各種アクティブフィルタ、 パラメトリックイコライザ(トーンコントロール)、 オーディオスピーチプロセッサなど数種類。
    この本の出版社、Bernard BaBani社はエレクトロニクスの入門書を数多く出版しています。 他のも見てみたいな。

    1992年初版なのに、表紙にはかなり古い八重洲のモービル機のイラスト。 古いのはいいとしても、VHF FMモービル機と世界地図の組み合わせというのはあまりに奇妙な構図。 イラストレータ本人または絵を注文した人は無線のことをちっとも知らなかったのでしょう。 「短波愛好家の役に立つプロジェクトを掲載しました・・・」と序文に書いてあるくらいなので、 せめてFT-101あたりのイラストにしてくれればよかったのに。

    回路はどれもサンデーホビイスト向けのトランジスタ数個、またはオペアンプ数個の小さなものです。 回路の動作原理がきちんと書かれているので、 よく読みながら作ればいい勉強になるはず。 どれか作ってみようかな。 オペアンプ3つで作る可変ノッチフィルタは便利そうです。 反面、パターン図や製作例の写真などは一切掲載されていないので、 理屈はどうでもいいから手っ取り早く作って実用にしたい、という人には向いていません。 どれも簡単な回路ですし、その実戦力に過度な期待をすべきものでもありません。

    プロジェクトのひとつに<CW/RTTYデコーダ>というのがあるので、 おおっ、と期待したのですが、これはあらかじめオーディオ信号をシリアルデータに変換した後、 UARTを一つ使ってパラレルデータに変換するもの。 得られたパラレルデータはコンピュータに接続されて表示されるべきですが、 コンピュータ側のソフトウェアには一切触れられておらず、 各自自分で勉強し考えてください、ということ。 パーソナル・コンピュータのオーディオ入力ポートとフリーのソフトウェアだけでRTTYのほぼすべてをこなせる時代になってしまった今、 UARTでわざわざインターフェイスをこしらえる人はもういないでしょうね。 わずか15年しか経っていないのですが。



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Mar. 15, 2007 Created.
Mar. 16, 2007 Published.