子供の頃ラジオに興味を持ちだしていろいろな本や雑誌を読むうちにいろんな言葉だけはいっぱしに覚えて、
大人からよくラジオはかせ、などと呼ばれたものです。
実際近所のオバさんよりは知識豊富だったとはいえ、まったく何も理解できていないことは実は本人が一番よく知っていました。
ここの抵抗はなぜ20kΩであって200kΩではいけないのか? どうして容量の違う2種類のコンデンサをわざわざ並列につなぐのか?
短波を聴くにはバリコンの羽根の面積をずっと小さくするだけではどうしていけないのか?
いい年したオッサンになってしまった今でも、残念なことに状況は大して変わっていません。 この本は1934年に初版が発行されたラジオ・デザイナーズ・ハンドブックの第4版に対し1967年に改訂が行われたものを、 1997年にNewnes社が復刻版として発行したものです。 内容はまさにラジオ設計者のための経典といえるもので、 真空管時代のラジオ受信機やオーディオ装置にまつわるあらゆる設計工学が詰め込まれています。 その量じつに1500ページ! 数式やグラフをふんだんに用いての回路理論解説、実際の回路図を見ながらの動作原理説明などまさに圧倒されてしまいます。 |
復刻版のこの本を販売していた
Radio Device社
では、全ページをイメージスキャンしPDFファイル化したCD-ROMも発売していました(*1)。
全文テキストサーチができるわけではありませんが、電子化されたメリットは確かにありますし、
復刻版の本よりも低価格で買えます。
私は本とCD-ROMの両方を買いましたが、寝る前に布団の中で読む、というのはやはり本ならでは。 しかしこの本は、いかれたキャパシタを交換して修理できたと喜んでいる私のようなシロートには難しすぎる、というのが本音。 でも、もしこの本をマスターできれば、こんどこそ胸を張ってラジオ博士を名のれるでしょう。 はかせになりたい、という夢の実現はすでにラボの本棚までは来ています。 |