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Heathkit IT-18
Transistor DC Beta Tester

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    私は電子工学の基礎を実はいまだに正しく理解していないので、 明らかに異常な動作をしている壊れたラジオを直す程度のことはできても、一から設計することができないのです。 こりゃいかん、と思って何度も入門書やらテキストやらを読むのですが、いつも途中で挫折。 トランジスタ回路については直流増幅率までは理解できますが、そこから先に進めずにいます。
    で、実験と学習用にと思って買ったのがこのヒースキットのトランジスタテスタ。 直流増幅率を測る程度なら自分で作れ、といわれそうですが、新品の部品を集めるより安いので手を出してしまいました。


IT-18

    Heathkit IT-18 はトランジスタの直流増幅率、DC Betaを測ることのできるトランジスタ テスタです。 プラスチック製のケースに入ったこの測定器は持ち運びが簡単。 出張サービスには便利だったでしょう。 測定器自体はケースにはまり込んでいて、取り出して使うことは想定されていません。 電源は単一電池1本で、ケースから計測器シャーシをいったん取り外して電池を入れます。 消費電流はわずかですし連続して使うものではありませんから、ほとんど交換の必要はないでしょう。 ただし液漏れに注意です。

    シャーシはプラスチックケースにはめ込まれているだけで、工具を使わず簡単に外せます。 シャーシは写真のようにアルミ板をL字型に折り曲げただけの簡単な作り。 これにメータ、各種スイッチとポテンショメータおよび電池ホルダが組みつけられており、それらの間で空中配線されています。 幸いに電池の液漏れの痕はありません。

    シャーシ内側に貼ってあるヒース社のネームプレートには、シリアル番号6242の記載が見えます。
IT-18 Interior View: Click here for larger image

コントロールパネル

    測定対象のトランジスタは、シャーシから出ている3本のクリップ線でつなぐか、フロントパネルのソケットを利用します。

    右上のつまみは3ポジションのロータリースイッチで、使うトランジスタに合わせてNPNとPNPを切替えます。中央では電源OFF。

    左上のつまみはDC Beta測定時のメーターの基準点調整。ポテンショメータですが、同軸減速機構が組み込まれています。

    中央のつまみは3ポジションのロータリー スイッチで、モーメンタリー式です。 通常は中央の位置にありますが、左に傾けている間だけICEO測定、右に傾けている間だけICBOを測定できます。

    一番下のシーソースイッチはモーメンタリー式で、通常はCALポジションで、押している間だけTESTポジションになります。

    パネル左側にあるシーソースイッチはメータ ゲインをx1とx10に切り替えます。 DB Betaの小さいトランジスタを測る時はx1にします。

メーター

    メータには7207の数字が見えます。製造年月を示すものだとすれば、本機は1972年夏から秋の製造ではないかと推測されます。

    パネルのつまみの周辺を見ると指でこすれた痕がわかり、それなりに使い込まれている様子です。 しかしメーターにはキズ一つなく、美しい状態を保っています。大切に使われたのでしょう。 大型のメーターにはDC BETAの目盛りとリーク電流の目盛りがあります。
IT-18 Meter: Click here for larger image

測定してみる

    パーツボックスの中に転がっていた2N2222を1個取り出して、このDC Betaを測ってみます。 ベースを緑、エミッタを白そしてコレクタを赤のクリップにつなぎ、右上のつまみをNPNポジションにすると、メータが振れます。 メータ指示が右側いっぱいのCALの位置に合うように左上のBETA CALつまみを調整します。 と、このポテンショメータには案の定ガリがありました。

    いったん測定を中止し、ポテンショメータ内部にSafety Washを一吹きして何回かつまみを回してから再度試すと、 今度はスムースに調整できました。

    メータ指示をCAL位置にあわせたのち、パネル下部のCAL-TESTシーソースイッチをTESTにします。 このスイッチはモーメンタリなので、押している間だけTESTの状態になります。 このときメータの振れはずっと少なくなり、そのトランジスタのDC Betaを表示します。 この2N2222では約120でした。
IT-18: Measuring now: Click here for larger image


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