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AIWA HS-PS003
Headphone Audio Cassette Player


    Looking for a handy cassette player so that I could listen some music in bed as there are many tapes in my room. In year 2006 the portable audio players are almost all siliconified. At an electonics shop all the cassette equipments were for voice recording or language traing purpose. I should have purchased a high quality audio player before ther were all gone.



究極の合理化の果てに

    2006年、ポータブルオーディオはほぼシリコンプレイヤーによって置き換えられた感がありますが、 ラボのあちこちにはいまだにカセットテープが転がっていて、 フトンにもぐりこんでちょっと音楽を聴くのにやはりカセットプレイヤーが欲しくなってしまいました。

    家電店に出向いてみると、案の定・・・もはやポータブルカセットプレイヤーは低価格モデルか、 モノラルの英会話レッスン機程度しかありません。 会議録音用機も、大半はシリコンレコーダーになってしまっています。 ああ、もう少し早く音質重視のいい音楽用モデルを買っておくんだったな。 手ぶらで帰るのもバカらしかったので、 アイワの低価格ビニール袋入りステレオプレイヤー わずか1680円也を買って帰りました。 なにしろカセットならアイワだもんね。

    iMac旋風の爪痕をいまだに引きずるパステルと乳白色のコンビカラー、 丸みを帯びた低年齢向けスタイルはオヤジが使うには気恥ずかしいですね。 本機は低コスト最優先の機器であり、オートリバース機能はありません。 しかしオートリバース機はヘッドアライメントがどうしても弱点になるし、 機構が複雑な分トラブルも多くむしろ避けたかったので歓迎するところです。 また本機には低音増強スイッチがあり、低音好きの私にはありがたい装備です。 それにしてもメカをみると徹底したシンプル化・エンプラ化が行われており、 ここまでコストダウンができるのか・・・と、ある種の感動を覚えます。 キャプスタンはさすがに金属ですが。

    低価格モデルとはいっても10年ほど前のノーブランド品とは違い、さすがに伝統のブランドを冠しているだけあり、 テープ走行は安定していて、 パイオニアSE-550D をつないでバスブーストスイッチをONにすると私の好みにドンピシャのゴキゲンな音。 15年前に3万円近くしたワイヤレスウォークマンよりもはるかにいい感じです。 こりゃいい買い物だ。 カセットテープ世代のオヤジは今夜1680円のカセットプレイヤーを抱いて、 シーというヒスノイズと、古いテープのときたまのヘッド暴れを楽しみながら寝ることにします。

2006年01月29日 AIWA HS-PS003 Stereo Cassette Player 1680円 新品

Antique Shop in Tomioka

    So I purchased this very low priced, oviously Chinese manufactured, Aiwa at a price of 1680 yen. I positively surprised, when I realized this ultimately simplified, almost all plastic made mechasim equipment plays very well with fine audio.


テープ走行不良

    2015年末、久しぶりにこのプレーヤーでカセットを聴こうとして、あれれ、なんか変だ、テープの走行が不安定。 前は電池が弱ってもこんな風ではなかったのに。 電池を新品に入れ替えても案の定、テープの走行が不安定です。 なんとも不規則な、ワウともフラットも言えない速度変動。 きっとこれはベルトが伸び始めているに違いない。 とても音楽を楽しむなんてもんじゃないぞ。

    ケースを開けて中を見ようと思いましたが、はて、開け方がわかりません。 両サイドにとても小さいネジがあってまずはそれらを外すのは間違いがないのですが、 ネジを取り外してもリアカバーはかっちり取り付いていて、外れるようすがありません。 どうやら全体をプラスチック爪で固定しているようで、こりゃうっかりするとケースを割ってしまうぞ。 いったん作戦中止。 中央研究所に持ち帰り、そしてそのまましばらく放置。

    数か月たって、再トライ。 ケースはやはり爪で固定されていますが、む、まずは電池ケースの内部に力を掛けるようか。 パキッといい感じの音がして、徐々にケース嵌合面に隙間ができて、どこが固定されているのかがわかってきました。 5分ほどいじって、おお、非破壊で開いた。

    ベルトは適度な弾力を保っていて、プーリーからフライホイールまでの伝動はうまくいっているようす。 あれえ? じゃあどうして? で、アイドラギアのあたりを見ると、なんだこれ? 小さな、5mm角ほどのプラスチックフィルムの切れ端のようなものが入っています。 ひょっとしてこれが原因?

    本機は全コンポーネントがセンターシャーシに取り付いており、カバーを外したままテープと電池を入れて鳴らしてみたら、 お、テープ走行は安定している。 やはりこの小さな包装フィルムの切れ端が原因だったんだ。 電池交換の時に電池にくっついて内部に入ってしまったんでしょう。

    本機はプリント基板上にテープスピード微調用トリマがあります。 ほんのわずかに遅かったテープスピードを再調整し、さらに気をよくしてカバーを戻します。 さあ、楽しくテープで音楽を聴こう。

    しかし1本目のテープを聴いていて、以前にも気が付いていた別の問題があるのを思い出しました。 テープによって、パチパチとイグニションノイズ様のノイズが入るのです。 これはモータが発生しているノイズなのかもしれません。 ノイズの強さは一定しておらず、テープによって出ない場合があったり、 またテープの終りの方で強くなる傾向があります。 さらに調べてみると、 テープを入れずに再生してノイズが強く出ているとき、 キャプスタンやテイクアップリールを指でつまんでモータの負荷を高めるとノイズが消えます。 また、本体を手で持っているとき、持ち方によってノイズが弱まったりします。

    2本目のテープの途中で我慢できなくなり、 ふたたびケースを開けて (一度開け方のコツをつかめば2回め以降は簡単に開けられます) モータ周りの配線を目で追ってみます。 ノイズが出ているときにモータ本体ハウジングを触るとノイズは弱まります。 ノイズはボリュームを上げると大きくなりますが、 ボリュームを最低まで絞ってもノイズは残っています。 さらに、ボリュームをゼロから上げていくと、20%程度のところでノイズが最弱となって、さらにボリュームを上げるとふたたび大きく聞こえるようになるのです。

    どうやらこれは、モータが出しているノイズが電源経由でアンプICに入り込み、またヘッドアンプにも入っていて、 だけれどもそれらがたまたま逆相になっているために、音量20%程度のところにちょうど打ち消しあうポイントがあるためのようです。 本機は外装はフルプラスチックだし、メカシャーシもすべてがプラスチックなので、 電気的にグラウンドポテンシャルを持っている部分はほんのわずか。 金属質量が一番大きいのはモータハウジングですが、グラウンドではなく電池のプラス電極に直接つながっています。 基板に占めるグラウンドパターンの面積はこれまた最小限。 グラウンドインピーダンスはとても高いに違いありません。

    電池からの電力はプリント基板の最外周のパターンで基板をほぼ半周してメカスイッチを通り、先ほどのパターンに並んだ経路で再び電池ボックスのプラス電極近くまで戻り、 モータに供給されます。 再生ヘッドからの微弱な信号が入ってくるシールド線取り付け/ヘッドアンプ入力部は、その電源パターンの直近に配置されています。 モータのノイズが吸収しきれずに内部で誘導放射しているとかいうことなのだろうか。 モータ両端に電解キャパシタでも追加すれば改善されるだろうかと思ったのですが、 それだけではだめかもしれません。

    さらに様子を見ようと3本目・4本目・5本目のテープを聴いているうち、 ノイズが気にならなくなってきて、 そのうちほぼなくなってしまいました。 あれえ? 治っちゃったよ?

    考えてみると、このノイズが設計に起因するものであるならば新品使用開始の直後に気が付いていたはずで、 それはありませんでしたから、どこがが劣化してきているためのはずです。 使用時間はとても短いとはいえ、買ってからすでに10年経っていますから、 ひょっとしてはこれは電解キャパシタの劣化だったのかもしれない。 そして久しぶりに電源を入れて使っているうちに再化成が進んで治ってしまったのかも。

    6本目のテープは安心して音楽を楽しめました。 CDから録音したハイポジのテープはとてもいい音で鳴り、 こりゃあ高校大学のころのラジカセで聴いていたのよりもはるかにいい音だ、 あの頃の自分にこれを聴かせてあげたかったなあ…と思いながら、 ノイズ対策作業はいったん中止。 このままずっと消えてくれてくれればいいけど。 調子がいいので、中央研究所にあった未デジタイズのテープを何本か、このプレイヤーで再生してデジタイズ。 MP3を後で聴いたとき、再生機が3ヘッドのTC-K333ESGだったのか MT4X MTR だったのか、はたまたこの1680円プレイヤーだったのかを言い当てられるかな? いつもながら、高級アンプと LM386アンプ の違いが聞き分けられない自分の耳のおおらかさに感謝。

HS-PS003 Interior

    Opening the backpanel was challenging for the first time - after 2 microscrews are removed, the rear cover was still holding tight. The entire cover was held with plastic latch structure. Carefully applying force the cover was removed. Once how to open was known it is easy for the next time.

HS-PS003 Interior

    At the first glance the drive belt was good. Then a small flake of plastic film was found at the idler gear. this may be the cause of the severe tape speed stability.

    Removed the plastic flake, the tape drive ran smoothly. Very simple fix, however, it took several months after the problem was found, as the cabinet seemed impossible to open without breaking.



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Jan. 29, 2006 HS-PS003 Purchased at new.
Mar. 26, 2016 Page created. Severe wow-flatter was caused by a small flake of wrappping plastic film. [Noobow9100D @ L1]