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Radio Restoration Projects

SONY ICF-5500 "SkySensor 5500"

FM/AM/SW Receiver
(1973)
Serial: 940389

    Prior to the fanatic shortwave radio boom in Japan back in 1970s, the Sony ICF-5500 had defined the fundamental cosmetic feature of the famous "SkySensor" generation to come. The 5500 did not have any special provisions for shortwave listening except external antenna terminals. Its single shortwave band covered only up to 12MHz, had no bandspread nor a BFO. Noteworthy features were the provision for the external FM stereo adapter and built-in FM transmitter. It was a a kind of the general public's receiver aiming to the younger generation.

    After the acquisition of this radio the light service was performed. No electronic service was necessary except the scratchy potentiometer treatment. Missing one of the tone control knobs is a problem, but the biggest issue is the irritating backlash of the tuning mechanism. Electronic performance is fine and the audio is rich and crisp; regaining the smooth tuning will give the true life back to this handsome receiver, however an easy attempt of applying lubrication oil to the dial mechanism did not solve it.


SONY ICF-5500 Receiver



Skysensor 5500

    ムービング フィルム ダイヤル、当時としては大型のチューニングメータ、ブラック基調の端正でシャープなルックスにグリーンのアクセント。 スカイセンサーシリーズの意匠エッセンスはここで完成していたんだな・・・と、ICF-5500を見ていると思います。 いっぽうで、間延び感を低減させるためのフロントパネルのデザイン処理はまだ不足を感じるし、受信機としては強力なアピールポイントもなく、 深夜放送を聴く一般ユーザ向けの機能。 いろいろな意味で1970年代の短波ブームの前夜を感じさせるモデルと感じます。

    ICF-5500のAMモード(MW/SW)の回路は、高周波増幅なし、他励式周波数変換、中間周波3段増幅、ダイオードAM検波、 ICによる低周波増幅そしてプッシュプル電力増幅という構成。 中間周波数は455kHz (UK向けは468kHz)。 BASE/TREBLEのトーンコントロールとラウドネススイッチはすべてパッシブ型。 本体側面のイヤフォン端子は抵抗を介さずにスピーカと切り替えているので、外部スピーカの接続が可能。

    ICF-5500は短波受信機としては一般用の普及回路構成です。 リアパネルのアンテナ端子は10pFのキャパシタでホイップアンテナにつながっているだけなので、 基本的にハイインピーダンスアンテナ用。 本格的な同調形アンテナを使う場合は別途アンテナカップラ等を使わないと本来の性能は出ません。 DX-LOCAL感度切り替えスイッチはMWだけで有効で、これはアンテナコイル2次巻線に直列に抵抗を入れるだけのシンプルなもの。 フロントパネルには"IC+FET"の表記がありますが、FETが使われているのはFM高周波増幅用。 中波・短波にはFETは使われていません。 海外向けモデルICF-5500Mでは1.6MHz〜4.5MHzをカバーするマリンバンドがついて計4バンド構成、このとき短波は4.5MHz〜12MHzをカバーするものになっています。

    電源電圧は4.5Vで、単2乾電池3本で駆動。 短波帯動作時の全電流は32mAです。 本体内には逆接続保護ダイオードや電圧安定化回路などはありません。

    この個体はトーンコントロールのつまみとバッテリコンパートメントカバーが失われていて、外観も前オーナーによる小傷やいたずらの跡が残り、 ダイヤルの動きも渋く、総じて程度としては良いとはいえません。 しかし弱った電池でも案外にいい音でしっかり鳴ってくれるし、ビンテージプレミアムを扱う気負いを感じる必要もないので、 時たまラジオ番組を楽しんだり、自作トランスミッタの調子を見たりするための簡単なテスト機としていつもワークベンチ脇に置いています。 けっこう気に入っている、ということかな。 短波の国際放送を聴くニーズがほぼ消えた今ではいい音で聴ける3バンドモデルは貴重ですしね。


15年ぶりに開けてみて

    短波帯の受信性能も良好で、外部アンテナ端子もついているし、 これでダイヤルがスムースに動けば国際放送のニュース番組も楽しめるのだけれど。 注油くらいで直らないかなと、入手して15年も経って再び筐体を開けました。

    スクリュー4本を外すとリアパネルは簡単に開き、ご覧のとおりの昭和の低価格民生機の風景が広がります。 ジャンプワイヤやフェライトコアバーアンテナの配線、ビビリ防止スポンジの糊付けなど、 家計を支えたパートタイムのお母さんたちの姿が浮かびます。

    製品企画から指定された筐体サイズを実現しつつ最大限の感度を求めたからなのか、 それともコスト面から新規寸法で特注できずに既存の部品を使わざるを得なかったのが、 フェライトコア バーアンテナ全長は筐体内法よりも数mm長く、それを収めるためにケースはアンテナ部だけ拡げられています。

    パネル前面・上面・側面のノブを抜けば、すべてのコンポーネントが取り付いたプリント基板はケースから工具なしで抜き出すことができます。 ただしこの作業性は良いとはいえず、 パートタイムのお母さん泣かせだったのではないかと思います。 この変は昔は工場での生産性向上の工夫を軽視していたと伝え聞く当時のソニーらしさ、なのかもしれません。

    スピーカフレームの4箇所の取り付け穴のうち3箇所だけがフロントパネルに生やされたドグに嵌るようになっていますが、 ネジ等では固定されていません。 スピーカはフロントパネルとプリント基板とリアパネルで挟まって固定されているだけです。 これはこういうものだったのか、 それとも前オーナーが分解した後にスピーカの取り付けネジを取り付けるのを忘れたのか。 それでも本機は普通の音量で鳴らす限りは取り付けガタによるビビリ音は出しません。
SONY ICF-5500 Receiver

    筐体内部の上半分、ムービング フィルム ダイヤルを含む減速機構、インジケータ、 メカタイマーユニットなどののコンポーネントはプラスチックのサブシャーシを使ってプリント基板に取り付けられています。 いまなら制御チップのシリコンロジックで、あるいは制御ソフトウェアのわずか一部分のコードで実現されているON-OFFスリープタイマ機能はこの時代では実際ゼンマイ時計であり、 製作の手間もコストもかかったことでしょう。 バンド切り替えに使われる基板上のスライドスイッチを筐体右側面の3ポジションロータリーレバーで操作するためにプラスチック製の機構が使用されていたり、 ポップアップロッドアンテナというギミックを実現するための機構も見えます。
SONY ICF-5500 Receiver

    ダークグリーンのムービング フィルム ダイヤルとインジケータはこの時代のソニーの香りのエッセンスだと思います。

    本体上面のメータ切り替えスイッチによってこのメータはチューニングインジケータとオーディオVUメータに切り替えることができます。 メータは右がゼロ点になっている逆振れタイプです。 メータが逆振れタイプのため、チューニングインジケータは無信号時に左に、強力な信号で右に振れます。 これは通信機型受信機のSメータの振る舞いと同じで、この一点だけでスカイセンサーシリーズはナショナルクーガシリーズを蹴落とすことができます。 VUモードにすればメータは音声信号レベル (ボリュームコントロール位置に関わらず) を示し、 音に合わせたメータの動きを見て楽しむことができます。

    メータのすぐ左脇にはメータ/ダイヤル照明用のムギ電球が置かれています。 電球バルブはグリーンで塗られており、透明プラスチックによるライトガイドでフィルムダイヤルとメータを照らします。 電気を消した布団部屋で使うには実用にはなりますが、明るさと配光はやはりお世辞レベル。
SONY ICF-5500 Receiver

    You see this is a Japanese version of 5500; the mark "JJY" is for a standard time and frequency station in Japan, equivalent to the WWV or WWVH in the U.S. "NSB" marks show the only-one shortwave broadcast station in Japan, the Nippon Shortwave Broadcasting, now renamed to Radio Nikkei. FM band covers from 76 to 90 MHz which is a Japanese FM broadcast frequency allocation.

    筐体右側面のダイヤルつまみで回される金属シャフトはプラスチックギアで減速され、 糸掛けでバリコンホイールを回しています。 さらにそこから小さなギアトレインでムービングフィルムを駆動しています。

ダイヤルしぶりの主因はバリコンシャフトが軽くは回らないことで、 これ以上分解しない範囲でシャフトに潤滑油を注油してみました。 わずかな改善は感じられたのですが、バックラッシュなしの快適チューニングにはなりませんでした。 AMやFMでは十分実用的ですが、9MHz帯以上の短波の国際放送のチューニングはかなりストレスが溜まります。 しかしいじり壊してしまうリスクを覚悟しない限りはこれ以上の改善は無理そう。 残念ですが課題は今後に持ち越し。 む、この程度じゃRestoration Projectなどと呼べないな。

SONY ICF-5500 Receiver

    Sluggish dial movement could not be improved with a easy lubrication.



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