NoobowSystems Lab.

Radio Restoration Projects

ICOM IC-502
50MHz SSB Transceiver
(1975)


    The IC-502 was my first radio when I acquired the license. Only having 3 element Yagi mounted on top of the roof, communication range was limited to 30 miles or so. However once the Sporadic-E layer opens, distant stations more than 400 miles could be worked clearly and easily with only 3 watts of power and built-in whip antenna; this is the fun of Six Meters.

    I regret that I discarded my original IC-502 in early 1990s - and the year 2004 I decided to start my new ham life with the IC-502 again.


開局!!

    新品のIC-502を箱から取り出してすぐ、マイクをどこかに隠しておくように母親に頼みました。 マイクを取り付けておけば、局免が届くのを待てずに電波を出してしまいそうに思えたからです。 そしてとうとう待望の免許状が届き、出してもらったマイクをつないでの初交信・・・。 あのときに匹敵するドキドキはもうこの先ないのかもしれません。

    リニア・アンプもつけず、平屋の屋根上1.5mに上げた3エレ八木だけでは良い成績を期待すべくもなく、 もっぱらローカルおよび移動運用局との交信でしたが、 ひとたびEsが出れば北海道も九州も交信できるし、 またローカルOMにも親切に指導していただき、6mSSBは本当に楽しく、すばらしいバンドでした。 --- もういちどここからやり直そう。


再会

    そう考えていたら、IC-502の出物がありました。 痛みもあまりなく、問題となる欠品もありません。 長大なホイップアンテナも健在です。
    もしこのIC-502が壊れていて、それを直してQRVできたとしたら、 ただ使っていただけの中学生の頃よりひとまわり進歩したぞ、 と自負できると思ったのですが・・・ 2代目IC-502は30年の時を感じさせないほどあっけなく、 正常に動作しはじめました。

    マイクロホンは付属してきませんでした。 秋葉原でサイズも雰囲気もIC-502によく合う中古のCB無線機用ハンドマイクを買ってきました。 コネクタもピンアサインを含めどんぴしゃです。 PACEのネームプレートを剥がして、ICOM(古いロゴ)を入れることができればいいなあ。

    外装を清掃し、ホイップアンテナをコンパウンド入りクリーナで磨きピカピカになったら、 まるで長い旅に出ていた自分のリグが戻ってきたみたいです。 あ、そうだ、右側サイドカバーにサンハヤトのレタリングで自分のコールサインを控えめに入れてたっけ。 残念なのは、あのときのコールサインが今は使えない、ということ。



送信機系統図 (PDF)
送信機系統図 (OpenOffice)

ダイヤル照明ランプ修理

    30年ぶりに手に入れたIC-502に電池を入れ、電源スイッチを入れようとしたその瞬間、 小さくちょっと暗いながらも美しいグリーンのVFOダイヤル盤の色が強烈に思い出されました。 が、次の瞬間・・・スイッチを入れてもダイヤルは光らず。 ああ残念、ダイヤル照明ランプは断線していました。

    赤い電源表示LEDとグリーンのダイヤル照明はともにIC-502の命の証。 これが光らないとすごく寂しいので、 せめて自分でダイヤルランプを修理して、Restoration Projectsページに書くことにしましょう。

    電球は小さなムギ球です。 ラボに在庫はありませんので、今度買ってこよう。 と、ちょいとまてよ、これは使えるかな? 机の上に転がっていたのは、ポゴのおもちゃになって結局バラバラに壊されてしまった白色LEDクリップライト。 100円ショップで売っていたものです。 この白色LEDを組み込んでみよう。

    簡単にテストすると、直列に1kΩをいれればちょうどよい感じでLEDを点灯できます。 LEDの外径はもともとのムギ球のφ4.6mmよりちょっと太めながら、 ラバーブッシュ様の部材に組み込む方式のため簡単に取り付きました。
    実際に使ってみると、やはり蛍光体発色の白色のためダイヤルのグリーンはオリジナルとは異なる色調。 ブルーが強いエメラルドグリーンになりました。 メータ照明もきりっと青みかがった白色。

    オペレーション マニュアルによれば、無信号で受信待機しているときの消費電流は80mA、 ダイヤル照明を点灯しているときは120mAとあるので、 もともとのムギ球の消費電流は40mA程度のようです。 受信時は消費電力の1/3はこのムギ球で消費されているということになります。 白色LEDでは消費電流は実測10mAなので、電池駆動時もほぼ安心して点灯したままにできます。 これは白色LEDのメリットですね。

    ムギ球は周方向によく光を出しますが、LEDの発光は頭頂方向が主体です。 真っ暗闇で実運用し試したところ実用にはなるものの、 ダイヤル盤の照明が均一にならず、またレベルメータへの配光も不足しています。 周方向に光を拡散するタイプのLEDを探してみよう。



Dial illumination lamp was burnt out when I acquired this unit. Instead of buying a small replacement lamp, I installed a white LED which was part of the 100 yen clip light. Original beautiful green is now emerald green because of the bluish white. LED emits light only towards top, so the intensity for the meter is insufficient and the dial illumination is not uniform. An omni-illuminating LED will be better - adding it into my shopping list for my next Akihabara visit.

On the Air again

    オール群馬コンテストの週末を、開局時の原点に戻って過ごしました。 IC-502に赤いナショナルハイトップ単2乾電池9本、内蔵ホイップアンテナとハンドマイク。 北も南も低い山に挟まれ、西は浅間・妙義山と荒船山を望む富岡ではまさに谷底にいるのと同じで、 ベランダからホイップアンテナを突き出しているだけではパワフルな山頂移動局としか交信できず。 それでも開局の頃の喜びがあざやかに戻ってきました。 Eスポでも出ないかな・・・と期待しましたが、内蔵ホイップで8や6と交信できるハイシーズンにはまだ早かったようです。

    このIC-502の個体は、私が最初に使っていたものに比べSメータの振れが良いように思います。 Sメータの感度調整トリマをいじってあるのかもしれません。 昔はSメータが全く振れないような場合でもみなさんなんとか取ってもらえたのですが、 今回はそこそこ振れる局でも受信していただけていない様子。 今の局はたいてい50Wで運用されているでしょうから、 強力に入感していても送信3Wでは声が小さすぎる、ということはあるでしょう。 さらにSメータの感度を上げすぎているとしたら、さらに予想と反することになってしまうかも。
    メータの応答速度は昔の記憶の通りで、AGC回路の定数の狂いもありません。

    VFOは、表示よりも実運用周波数のほうが20kHz程度高くなっていることが判りました。 ただし送受信で大きく周波数が狂っているということはなさそうです。 RITコントロールにガリがないのも吉報。

    36MHz発振のVFOでありながら5分ほどウォームアップしておけば受信時の周波数変動もわずかで、 30年の歳月を感じさせない実用的な安定度を維持できています。 出力も定格電圧でのCW送信で3W出ており、パワーにも問題はありません。

    30年前のあの日のようにナショナルハイトップ乾電池で運用していて、 はて電池が弱ってくるとどうなるのか気になりました。 昔なら多少チャピってもトップがサチってもさほどのことはなかったでしょうが、 今時分 みっともない電波を出すのは気が引けます。 すくなくともどう聞こえるのかは知っておきたいと思いました。

    ダミーロードとSWRメータでCWの連続送信をさせ、電源電圧を変化させてみました。 結果は右表とグラフ。 パワー計の読み取り誤差と電圧設定値の誤差がグラフをゆがめていますが、 ごらんのように、電源電圧と出力電力はきれいな比例関係にあります。 定格電源電圧13.8Vでは3.5W出ていますが、 カーバッテリーからの12Vだと2.5W。 クルマを停めて運用するなら、エンジンを回して14V程度を供給したくなります。

    電源表示LEDは電源電圧10Vで消灯し、これ以下では受信感度の低下が顕著となります。 電源電圧が8Vまで落ちると、メータのゼロ点が逆振れを起こします。 しかし送信周波数は9Vまで低下してもほぼ変動がありません。 すばらしい!
Supply Voltage (V) Output Power (W) Meter Reading Output Frequency (MHz)
8.0 0.1 0.0 50.2488
9.0 0.4 0.5 50.2499
10.0 0.8 1.0 50.2500
11.0 1.5 2.0 50.2501
12.0 2.4 3.0 50.2501
13.0 3.0 3.8 50.2500
13.8 3.6 4.0 50.2500
14.5 4.0 4.2 50.2500
15.0 4.5 4.4 50.2500

NOTE: "Meter Reading" is the Power/S meter indication, using a read scale printed on the meter.



Power output can be as much as 4.5W if 15V of power supply voltage is given (which is the maximum allowed voltage). If 12V vehicle battery is used as the external power supply, the output will be 2.5W --- fresh internal batteries will bring more.

育児移動


    雨上がりの公園の東屋のテーブルの上にIC-502と小さなログ帳を置いて、 育児しながらのQRVを楽しみました。 Esがいったん開ければ、弱りかかった電池での2W出力と内蔵ホイップアンテナで鹿児島とローカル局のようにQSOできる、 というのはまさに6mの醍醐味。

    おっと、今度は8が開けたみたいだぞ。 でも「ぱぱー、ぶらんこおしてー。」のリクエストにリグの前を離れます。 設備の良い局からのパイルがひととおり収まるまでコンディションが持つといいなあ。
    しばらくブランコやシーソーで遊び、IC-502に戻ってみると、天塩も網走も相変わらずに強力。 そろそろ呼んでみようかな。 ところが「ぱぱー、すべりだいやろー。」「ぱぱー、おしっこー。」「ぱぱー、おすなばー。」
    そうこうするうちにEsは急速に弱まってしまいました。

・・・・

    ダイヤルの読みの狂いを計ってみると、右表のようでした。 ずれを考えながらダイヤルを回したり計算しつつログに書き込むのも面倒なので、 ジャクソン・ブラザーズのシャフトのネジを緩めてダイヤル目盛を再調整しました。 ダイヤル盤と赤色ヘアラインが密着していないIC-502では読み取り精度はどのみち期待できませんが、 それでも調整後は実周波数を誤差10kHz以内で読み取れるようになりました。

    IC-502のマニュアルには減速ドライブは2段変速と書かれていますが、 私の最初のIC-502もこの個体も減速比固定のドライブです。
    VFOにキャパシタをひとつ追加してVFOのカバー周波数を狭くしパンドスプレッド化する、 という改造記事がありました。 たしかに50-51MHzをカバーする必要性は感じられませんから、 50.0-50.5MHz程度に狭められればチューニングもずっと楽でしょう。 しかし電池動作のポータブルとは思えない安定度のこのVFOを開ける勇気と自信がまだ私にはありません。



Dial Reading (MHz) Actual Frequency (MHz)
50.000 50.0204
50.100 50.1165
50.200 50.2111
50.300 50.3145
50.400 50.4156
50.500 50.5166
50.600 50.6127
50.700 50.7151
50.800 50.8123
50.900 50.9094
51.000 51.0106

Dial Accuracy before alignment. After the dial was readjusted, actual frequency can be read from the dial with error of 10kHz or less.


送信不調


    SSBでの送信でパワーが出ないことがあり、だんだん頻度が増え、やがてほぼ常時送信不能状態になってしまいました。 やはり車の中に積みっぱなしというのはまずかったなあ。

    最初は収納時にきつめの曲げが入るマイクコネクタ取り出し部の接触不良を疑いましたが、 そうではなくてCW-Tスイッチの接触不良でした。 相変わらずCWが苦手な私はこのスイッチを使うことはなく、それゆえ気がつくのに少し時間がかかりました。
    スイッチをパチパチと何べんも切り替えたところ接触不良はほぼ解消。 このまま様子を見ることにします。 いつでも使えるときに使いたいから、と車載しっぱなしにしていましたが、 これ以上痛めるのもかわいそうなのでラボ室内に引き上げることにします。

    送信テストは送信状態にしただけで電源ランプが消えてしまうほど弱った乾電池で行いました。 これほど弱った電池では、本体のメータはわずかに振れるのみで、SWR/パワー計の読みでは200mWほどしか出ていません。 マイク入力をさらに上げると300mWほどは振れますが、 音質はかなり悪化します。 開局当時は弱った電池でがんばって大声を張り上げていたりしましたが、 ずいぶんひどい音で各局に迷惑をかけていたのかもしれません。




Sメータ


    Sメータはやはり振れすぎ。 景気よく触れるほうがやはり気持ちいいから、前のオーナーがトリマをいじったのかもしれないし、 あるいは経時変化かもしれません。 ともかく、メータ ゼロとメータ フルスケール調整トリマをいじり、 おおむね妥当な振れに合わせました。 正確にはシグナルジェネレータを使ってあわせこむべきですが、 今回はIC-7000MでちょうどS=9を示しているオール群馬コンテスト参加移動局を受信し、 IC-502でもおよそS=9になるように合わせました。

2009/05/16 Sメータ調整




つづく・・・


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Aug. 2004 Acquired the IC-502.
May. 18, 2006 Page created. A white LED has been installed as a replacement of the dial illumination lamp.
May. 28, 2006 Updated. Dial alignment performed.
Jul. 13, 2008 Updated. Poor CW-T switch contact caused a transmission problem. Toggling the switch revived a good contact.