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Radio Restoration Projects

Echophone Commercial EC-1

Shortwave Communications Receiver

Project Preview

When it first appeared in early 1941 with its sensational $19.95 price tag, the EC-1 was a general purpose shortwave receiver everyone could afford. In late 1941, EC-1 advertisement on QST changed to the famous "Hoggarth" series; EC-1 started to serve as military entertainment. Then in the next month a phrase "National Emergency" was replaced by a word "War".


Echophone EC-1 Front View

He bought an Echophone EC-1!

    おそらくどこかの軍隊のキャンプ。 差し迫った戦闘の可能性がないか、あるいは訓練であるとみえて、テントがずらりと並ぶそのキャンプはどこかリラックスした雰囲気。 ひとりの兵士が、「やつはエコーフォンEC-1を買ったぞ!」 と叫ぶと、そのテントめがけてまわりから兵士がみんな駆け寄ってくる・・・・。

    QST誌に掲載されたエコーフォン コマーシャル EC-1の広告は、そういうひとコマのマンガがページ全面にあるだけ。 商品のイラストや写真はなく、どこのメーカーであるとも、どんな商品であるのかも、また価格がいくらであるとも、全く記述がありません。 ただ「やつはエコーフォンを買ったぞ!」

    1941年初頭、しだいに忍び寄る不安のなか、EC-1は思い切った低価格の短波ラジオとして発売されました。 普通のラジオ番組ばかりではなく外国のニュースや音楽、アマチュア無線や航空無線も聴け、モールス信号練習機としても利用できる・・・ EC-1は誰にでも手が届く短波ラジオでした。 しかしその頃から 戦争の影がますます濃くなり、電子部品や機材の生産は軍用が最優先されるようになります。 民生用の短波受信機やアマチュア無線機の生産ラインは停止に近い状況となってバックオーダ状態となりました。 無線機メーカー各社の広告はどれも、重大事に対処するため全力で軍用機器の生産にあたっているのでハムの皆さんにはぜひご理解をいただくよう・・・と書かれています。

    1941年11月号のQST誌では自作用の部品の入手もますます困難になってきたことが言及されていて、 真空管の寿命を最大限に活用するための運用法が掲載されています。 この月からEC-1の広告は有名なHoggarthシリーズになり、この第一作が上に書いた「やつはエコーフォンを買ったぞ!」。

    この時からEC-1は明らかに軍の娯楽用ラジオとしてプロモートされ始めます。 そしてその翌月、"National Emergency"の言葉はとうとう"War"という単語に置き換えられました。 アマチュアの送信は規制され、QST誌は非常用電源装置やローカル・コミュニティ緊急通信用の220MHz帯機器の製作記事、 また国防のために技術のあるアマチュアが力を発揮するよう啓蒙する広告で占められるようになります。

    戦時中は通信機器の生産はほとんど軍事用に向けられましたが、 そういった中でエコーフォン コマーシャル EC-1は、戦時中生産が続けられた唯一の市販短波受信機と言われています。 軍のモラール・ラジオ目的であったことはその理由のひとつなのでしょう。


Echophone Commercial EC-1

    エコーフォン コマーシャル EC-1は、ハリクラフターズ社の設計・製造になる低価格ブランド、エコーフォン シリーズの第一作です。 GT管とメタル管による6球のシングルスーパーヘテロダインで、3バンド切り替えにより中波帯から30MHzまでをカバー。 CWを受信するためのBFOと微調のためのバンドスプレッド チューニングを持ちます。 電源トランスを持たないAC-DC電源方式。 バンドスプレッド バリコンはメインバリコンと一体になっており、バンドスプレッドダイヤルは左右に動く横行きスケールです。 周波数変換はペンタグリッド コンバータではなく、特殊な構造をした3極・6極複合管の12K8が使用されています。

    EC-1は大戦の終了とともにEC-1Aとして再設計されます。 より低コスト化するためにバンドスプレッド ダイヤルが分度器二つスタイルとされ、周波数変換はより高性能で安定なペンタグリッド コンバータ管に改められます。

    EC-1はかなりの台数が生産されたと思われますが、低価格機であったたため、 あるいはおそらく軍のモラールラジオとして使われたためか、現在では程度の良い個体は少ないようです。


Project Preview

    入手した個体は、フロントパネルや内部に致命的な傷みはないものの、全体的にガラクタの雰囲気になってしまっています。 以前に行われた修理あるいは改造の痕が見られます。 真空管のうち整流管35Z5は欠品。 キャビネットに妙な抵抗がついています。 何かのドロッピング レジスタとして使用していたのでしょうか?

    それぞれの真空管ソケットには使用真空管の型番が刻み込まれています。 シャーシ中央部に見える2ピンのソケットは、ケース上面に取り付いているスピーカへの接続。 中間周波トランスは戦後主流となるL調整型ではなく、内部にトリマ キャパシタをもつC調整型です。

    シャーシ表面は汚れているだけではなくて酸化も進んでいますので、清掃だけではおそらくだめで、 シャーシ単品にしてサビ落としと塗装が必要に思えます。
    ダイヤルメカとバリコンは少なくとも見た目にはダメージがなく、これはグッドニュース。 フロントパネルは、ダイヤル盤の縁取りビニールがボロボロになっていますので、何か代わりの材料からこしらえる必要がありそうです。

EC-1 Interior View: Click here for larger image

        内部はご覧のとおりペーパーワックス キャパシタとカラーコード表示のソリッド抵抗が主体で、部品点数は少ないのに雑然としています。 耐湿性向上のため (多くのユニットは戦時中は太平洋に渡ったことでしょう)、不完全ながらワックス スプレー処理もされています。 汚らしく見えるのはそのせい。

    このラジオはAC-DC電源 (日本で言うトランスレス) ですので、シャーシと外側のケースとは絶縁されていなくてはなりません。 そのためのラバー ブッシュなどはかなり痛んでいそうなので、代替品で作り直しが必要でしょう。

    真空管が欠品していることもあり、電源は入れていません。 真空管の在庫はありますが、全体的な程度を考えて修理ではなくリビルド作業になるでしょう。 WW2のベテランには、リフレッシュしてもう一度世界を聴いてもらいたいと思います。

EC-1 Bottom View: Click here for larger image
つづく・・・


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Oct. 11, 2002 Created.
Oct. 14, 2002 Revised.
May. 14, 2004 Reformatted.
Dec. 04, 2013 Reformatted.