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Receiver Design

Some self study notes in the radio receiver design and potential improvements







Frequency Converter Tubes / 周波数変換管

    スーパーヘテロダイン機の周波数変換管の定番として6BE6が定着するまでにもいろいろな形式の周波数変換管がありました。


6K8

    6K8は特殊構造を持った3極・6極複合管です。 先行するペンタグリッドコンバータ管6A8に対して短波帯の安定性の改善を狙ったものとして開発されました。 6K8のデビューはQST誌1938年04月号p098の"New Receiving Tube"でアマチュアに紹介されています。 QST誌1938年08月号では6K8を使った3球のポータブルスーパーヘテロダイン受信機の製作記事が紹介されており、 製作者のW1DFは周波数変換段に6K8を選んだ理由について「それまでの管に比べて大幅に改善しているから」と述べられています。

    6K8は発振部の相互コンダクタンスが高められており、 また低い発振振幅で動作します。 プレート抵抗は0.6MΩと高いのにもかかわらず 変換相互コンダクタンスは350マイクロモーと低く、6A8-Gに比べて変換ゲインは落ちます。

    6K8の電極配置の模式図を右に示します。 カソードは3極管部・6極管部に共通ですが、プレートは独立しています。 図においてカソードから左側が3極管として、カソードから右側が6極管として動作します。

    6K8では、3極管部で局部発振回路を構成し、 6極管部で周波数混合動作を行います。 このとき局部発振管のグリッドは周波数混号管の第1グリッドでもあるので、 カソードから右側に放出された電子流は左側に向かうものと同じ局部発振周波数で変動します。 この周期的に変化する電子流をさらに第3グリッドの入力信号で変調することにより、 右側のプレートからは局部発振周波数と入力信号周波数が混合された信号が得られます。 つまり混合側はインナーグリッド・インジェクションとして動作しています。
    グラウンド電位に置かれた静電シールドの働きにより発振グリッドと信号グリッドの間の静電容量はほぼなく、 また発振グリッドと信号グリッドの間にはスクリーングリッドが入っているため、発振グリッドと信号グリッド間の不要な結合が低減されています。 6K8にはサプレッサグリッドはないので、混合側プレートからの2次電子放出による悪影響を避けるため、スクリーン電圧は低く抑えておかねばなりません。

    6K8ではカソードから左側の局部周波数発振回路の電子流は信号グリッドの影響を受けないため信号グリッドに加えたAGC電圧に対する局部発振周波数変動が低減でき、 短波帯でもAGCを使えるようになりました。 ただし短波帯でのAGCに対する周波数安定性はいまだ満足できるものではありません。

    6K8のベースピン配置はすでに普及していた6A8ペンタグリッドコンバータ管と同じにされており、6A8用に設計された受信機に改造不要で差し替えて使うことができます。

    わがラボの受信機では、 Hallicrafters S-20R (1939) に6K8が、 Echophone EC-1 (1941) にヒータ12V仕様の12K8が使われています。

    S-20Rでは短波帯での周波数安定性を維持するために6K8はAGC制御なしで使われています。






Modulation Rise / モジュレーション・ライズ

    受信機の音質というと低周波段と検波段にのみ注意しがちですが、中間周波段によって復調音声に高調波歪が発生するということも知っておくべきです。

    gm-eg特性がカーブを描く真空管が使われている電圧増幅段に変調された搬送波電圧が加えられた場合、 変調度は増します。 このモジュレーション・ライズは音声周波数帯域での高調波歪(非直線歪)、主として2次の高調波歪をもたらします。 ほとんどのモジュレーション・ライズは最終の中間周波増幅段で発生し、 20%のモジュレーション・ライズはおよそ5%の2次高調波歪に相当します。 リモートカットオフ管が使われる場合であっても固定バイアスで使われていればモジュレーション・ライズはとても小さいのですが、 それでもシャープカットオフ管を使う効果はみられます。 AGC電圧の一部だけを中間周波増幅段にかけるようにすればモジュレーション・ライズを低減することができますが、 受信のコストアップをもたらします。

    別の方法として、B電圧からシリーズ・ドロップ抵抗を介してスクリーン電圧を供給することによってかなりの改善が得られます。 この方法は高周波1段・中間周波1段の受信機の場合に推奨されます。 モジュレーション・ライズは 最終の中間周波増幅管のグリッドからAVCダイオードまでのゲインを増大させることによって低減できる場合があります。
    前段のスクリーン電圧を落としてAGCに対する応答性を改善する(より低い電圧でカットオフするようになる)ことによってモジュレーション・ライズの低減を助けることができますが、 反面近くに大電力局があるといった場合の混変調特性の劣化を招いてしまう可能性が高まります。

[Translated from Radiotron Designers Handbook 4th Edition, Chapter 27 Section 3 (ix) Modulation Rise]

    ラボにある受信機で中間周波増幅段を複数持つものについて、AGC制御対象段がどうなっているかを調べてみると、

MODEL RF IF 1 IF 2 IF 3
Yaesu FR-50 AGC Controlled AGC Controlled AGC Controlled ----
Hallicrafters S-20R AGC Controlled AGC Controlled AGC Controlled ----
Hallicrafters SX-96 AGC Controlled AGC Controlled Fixed Gain ----
Lafayette HA-230 AGC Controlled AGC Controlled Fixed Gain ----
Lafayette HE-80 AGC Controlled AGC Controlled AGC Controlled ----
Collins 75S-1 AGC Controlled AGC Controlled AGC Controlled ----
Hammerlund HQ-170 AGC Controlled AGC Controlled AGC Controlled Fixed Gain
Matsushita CRV-1 AGC Controlled AGC Controlled AGC Controlled ----
CRV-1/HB AGC Controlled AGC Controlled AGC Controlled ----

    最終の中間周波増幅段はAGCを掛けない、というのは必ずしも定番にはなっていないようすです。 HA-230で最終の中間周波増幅段を固定バイアスにしているのは、 その管のカソード電圧を基準にして前段管のカソード電圧との差を測るというSメータ回路のためだ、とも言えそうですし。 ともあれオーバーロードを防ぐためにも最終の中間周波増幅管のバイアスの深さと信号レベルの関係は留意しておくべきで、 モジュレーション・ライズは音質改善のために気に留めておくべき設計ポイントであることは間違いないでしょう。




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