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"Car Call"

Cellular Phone Hands Free Adaptor
(100 Yen FM Transmitter)

    This small FM transmitter, sold at "100 Yen Shop" with a price tag of 100 yen (approx. 80 cents) is intended for the cellular phone hands free operation- it can be attached to a cellular phone easily; its microphone picks up the audio from the phone speaker, transmitted to your car radio on the 88.9MHz FM.
    It uses a 17.7744MHz crystal oscillator, and its 5th harmonic (88.872MHz) can be received on the FM radio. However the transmitter seems not to have any bandpass filter or whatsoever; other odd order harmonics are radiated equally. These harmonics include 7th - 124.421MHz which resides just in the middle of the air band - doesn't it pose any concerns over the air traffic safety?


100円トランスミッタだ!!

    実験用のUSBケーブルをつくろうと思い、100円ショップに行ってみました。 USBタイプの携帯電話充電器でもあればうまいんだけど、と思って携帯電話アクセサリの陳列棚を見たら・・・ 携帯電話用のハンズフリーイヤホンマイクにしては豪華すぎるパッケージが目にとまりました。 それは携帯電話用のハンズフリー・・・受話器からの音をマイクで拾ってFMカーラジオに電波で飛ばす、 FMトランスミッタでした。 それがなんと100円で売られている!! R.A.アームストロングさん、あなたが発明し、技術が追いつかずにしばらくは実用化もされなかったFM電話送信機は、 とうとう100円で売られるようになりました。

"Car Call"

    この製品・・・"Car Call"という名前がついています・・・は、 大粒のイチゴ大の製品で、携帯電話の受話器部分に本体付属のクリップで挟むようにして取り付けます。 受話器があたる部分にはマイクがあり、音を拾ってFM電波でクルマのカーラジオに飛ばして聞く、という趣向。 CR2032 3Vリチウム電池1つで動作します。 本体には電源スイッチと、動作中に点灯する赤LEDのパイロットランプがあります。 送信周波数は88.9MHz固定で、調整はできません。 本体からはアンテナは出ておらず、よって電話機への取り付けはとても簡単。 私の X01T は分厚いのでうまく付きませんが。




100円トランスミッタの中身

    それにしてもFMワイヤレスマイクが100円とはすごいなあ。 1280円とか980円の値札ならわからなくもないけれど・・・。 もっとも実用性能は全くのオモチャですから、 商品機能の価値としては300円がいいところかも。

    いじって遊ぼうと、2つ買ってきました。 アイデア次第でいろいろ遊べるかも。で、ひとつ開けてみると、おお! こりゃあ簡単なつくりだ。

    表面実装基板には、電源スイッチとLEDパイロットランプ、 それに水晶発振子が目につきます。 基板の裏面には小ぶりなコンデンサマイク。 あとは小さな面実装部品で、トランジスタが3つあるだけ。 まあFMトランスミッタは2石あれば作れるからね。 プリント基板の最外周部をほぼ一周する形でパターンが形成されており、 それがどうやらアンテナの役割をしているようです。 GHz帯の送信機ならともかく、波長3.4mのVHF帯の送信機のアンテナにしちゃあさすがに短すぎます。 まあすぐ近くのカーラジオに届けばいいんだからこれでいいのか。

    それでも水晶発振式とは思わなかった。 さすがにLC発振でPLLのカーラジオを相手にするのはつらかったのかも。


これってやばくね?

    で、発振子に書かれた周波数は・・・17.7744MHzとあります。 17.7744MHz x 5 = 88.872MHz、で、 5倍の高調波を送信周波数にしているようです。 が、この基板には5倍の高調波だけを取り出すようなパンドパスフィルタとか同調回路とかはどうもついてなさそうです。 すると、基本振動数の奇数倍の周波数成分は出し放題、ということになります。 7倍は、17.7744 x 7 = 124.4208。 実際に124MHz帯を受信してみると、88.9MHzよりも強力に放射されています。 おいおい、これは航空無線の周波数帯だぞ。 成田アプローチの124.400MHzとかにほぼドンピシャじゃないの。 羽田のタワーも結構近いね。

    さすがにプリント基板に形成された数cmの内蔵アンテナではごく弱い電波しか出ないかもしれないけど、 本当に大丈夫なのかなあ? 使われ方によっては重大な懸念もあります。 アメリカでは121.5MHz航空非常周波数送信機能つきの腕時計がパイロット向けに売られていたのを見たことがあるし、 数年前に、壊れかかった一般家庭のコードレス電話がたまたま航空非常周波数で「呼出し」してしまったために、 海上保安庁やら航空自衛隊やらが電話がかかってくるたびに出動したとか何とかのニュースがありました。 航空無線への妨害は本当にシャレじゃあ済みません。

    場合によっては電波法80条に規定された総務大臣への報告義務適用を検討する必要があるかもしれません。 発売元は、また販売者も、もし良心のかけらがあるのなら、 製品のパッケージや商品説明のウェブページに「航空機内では絶対に使わないでください」と大きく明記するべきです。 使った製品がおバカな場合であっても、罪をかぶってしまうのはメーカーでも販売者でもなくユーザーなのですから。



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Feb. 13, 2008 Page created and published.