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Akai DT-128

Computer Controlled Timer

(1982)


Akai DT-128


時計が欲しいね

    2022年夏、コロナ禍はなかなか明けず、夢と時空の部屋でのリモートオフィス生活が続いています。 部屋にある置時計は文字盤と針が同色で見づらく、 見やすい時計が欲しいなあとずっと思ってきました。 今回更埴の長野県立歴史館に行った帰りに立ち寄ったリユースショップのジャンクコーナーにオーディオタイマがあったので、 夢と時空の部屋用のデジタル時計として買ってきました。 1982年製で、定価1万1200円の品です。 それがたった330円ですよ。 本当にいい時代になりました。

2022-07-17 DT-128購入 330円





直ったぞ

    購入前に店頭で電源投入し、VFD表示が出ること、時刻表示が進むことは確認してありました。 ただし時刻合わせがうまくできません。 おおかたタクトスイッチの接触不良でしょうね。 帰宅後にチェックしてみると、 やはり時刻セット用のSLOWとREVのキーが反応しないし、 現在時刻表示キーも反応しません。

    さっそくケースを開け、 フロントパネル基板上のタクトスイッチ3つが接点ONせず症状を呈していることを確認しました。 洗浄液を注入し、カチカチカチカチをしつこく繰り返し、 完全ではありませんが動作するようになりました。 タイマ動作・スリープ動作・出力駆動リレーの動作は正常です。 これはいい買い物をしました!

2022-07-17 タクトスイッチ補修 動作開始





内部を観察

    さらに内部を観察します。 製造後40年を経過していますから、電解キャパシタは交換してしまった方がよさそうですね。

    ところで、あれ、これは電源整流用のダイオードだけど、 なんでこんな取り付け方になっているの? パターン引きを間違っちゃったのかな? かなりこっぴどく上司に叱られたんだろうなあ、アートワーク屋さん。





回路構成

    本機に使われているのは、松下MN1455B 蛍光表示管直接駆動型CMOS 4ビットマイクロコントローラです。 オーディオタイマーとしての機能はソフトウェアで実現されているわけで、 フロントパネルに誇らしげに謳われた "Computer Controlled Timer" はウソではありませんね。

    フロントパネルのタクトスイッチは4行4列のダイオードマトリクスでスキャンされています。 今回押しても反応がなかった3つのスイッチは、 ひょっとしてマトリクス用ダイオードの不良? と思いましたが、 列も行もまちまちなのでその可能性はありませんね。 やはりスイッチそのものの接点接触不良です。 フロントパネルの右側のわずかな隙間から新鮮な空気が流れ込むので、 スイッチ内の接点酸化は右側にあるスイッチのほうが酷かった、ということかもしれません。

    MN1455Bのクロック周波数は4MHzで、 さらに32kHzの補助クロックがあります。 38ピンと39ピンがそれ。 停電時はクロック周波数を32kHzに切り替えて、 低速だけれど低消費電力モードになって計時だけ継続できるように設計されています。 本機アカイDT-128では32kHz発振子は実装されておらず、製品として停電時の経時継続機能は持っていません。




24H表示にしたいなあ

    このオーディオタイマは秒が表示されるのが美点ですが、 12H制専用で、24H制に切り替える機能はありません。 これはかなり残念。

    本機に使われているマイクロコントローラの18ピンは実は12H/24H切り替えピンになっています。 しかし本機では18ピンは常時5Vにプルアップされています。 18ピンをGNDに落とせば、24H制に改造できるのでしょうか?

    基板のパターンを見てみると、18ピンまわりはベタアースパターンになっています。 18ピンにニッパを入れて基板から浮かし、GNDに落とせばいいのでしょうけれど・・・ 小さいとはいえ破壊作業になってしまうので、今回は見送ることにしました。





予防保全

    使われていた電解キャパシタ6本を全て新品に交換しました。 電源平滑フィルタのC1は1000uFを4700uFに増強。 内蔵リレーがOFFの状態ならば4秒間の瞬停にも耐えられるようになりました。

    本機のフロントパネルにはフォトトランジスタがあって、 周囲が暗いときはVFDの明るさを落とすオートディマー機能が備わっています。 しかし実際にはVFDは実用とするには暗すぎるので、 オートディマー制御トランジスタのベース抵抗を1本切って常時強制ONとなるように、 つまり常時最大光度になるように改造しました。 それでも明るさは今一つ。 フロントパネルのVFDウインドウも清掃して汚れは取り除いたんですけどねえ。





稼働開始

    まあこんなものでいいでしょう。 当初のニーズを完全に満たせました。

    とりあえず時刻が知れれば良いのですが、 本機なら設定時刻でのタイマーON/OFFやスリープタイマー機能などが使えますから、 今後便利に使えることも出てくるでしょう。

    いやそれにしてもいかにも1980年代のシャープな角ばったデザインのこのタイマー、 かっこいいねえ。

2022-07-18 使用開始





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